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神様なんて大嫌いと異世界に飛ばされた少女たちは叫んだ  作者: ダイ大佐
第四章ー3 勇者の末裔ショウ=セトル=ライアン
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第63話:退却――半エルフシルヴェーヌの思い

今回時間が取れずに量が書けませんでした。

雲をつかむような内容かも知れない。

それでも楽しんで頂ければ幸いです。

 軍師ウォーマスターラウル率いるガルム帝国第三軍は第一軍と協同しグランサール皇国軍とその同盟国ヴェンタドール王国軍とアーヴィオン出身の騎士傭兵アイヴァンホー率いる傭兵軍の合同軍と干戈かんかを交えていた。


 予想した通り、アイヴァンホーの軍は皇国軍を囮に不意打ちを掛けてきた。


 戦い慣れしている――年齢で倍近い差が有るラウルとアイヴァンホーだったが、流石のアイヴァンホーの老練さにラウルは舌を巻いた。


 自分の部隊の損失を避ける為なら味方を盾にする事も厭わない。


 数時間の間戦いは続いた。


 第一軍は包囲されたが、重騎兵の突撃で包囲を破った。


 混戦になりそうだ――敵方の方が数が多い――


 ラウルは事前の情報より敵の数が少ない事に気付く――こちらの後備えの軍の後ろに兵を伏せている――ラウルは直感した。


 後備えの軍に遠距離通話のペンダントで指示を飛ばす。


 果たして軍旗を伏せて隠れていた敵軍が後備えに突っかかってきた。


 包囲の形を取らせない様後備えを動かす。


 しかし、相手の方が上手だった。


 後備えと本陣の隙間に炎の壁が出現した。


 マソールの大魔法だ。


 後備えが動揺する。


 百名近く――いやもっとかも知れない――炎の壁に焼かれる兵が出た。


 背後に川を背負ったのと同じ状態だった。


 本陣も動けない。


 ラウルは魔術士達に解呪ディスペルを掛ける様に指示する。


 第一軍の陣を突破してきた敵兵が前衛にも殺到する。


 エルフの弓兵が必死に矢を射かけるが食い止められない。


“ラウル、状況は――”本陣に控えていた静香達が必死に問い掛けてきた。


“静香さん達は下がる準備をして――”ラウルが落ち着いた声で答える。


 ラウルは全軍に戦いながら退却する準備をする様伝えた。


 炎の壁が解呪ディスペルされ次第退却に移る。


 第一軍の指揮官とやり取りし第一軍も退却する事で合意した。


 こちらの不利を悟った敵軍はかさにかかって攻めてきた。


 完全包囲では無い――そうすればこちらが死ぬ迄戦うのを知っている――アイヴァンホーもそうなれば自軍に大きな被害が出る事が分かっているのだ。


 ハーフエルフの魔術師シルヴェーヌは騎乗してアレクサンドラ皇女の隣にいた。


 先程退却戦に移る様ラウルから指示が来た。


「大丈夫よね。シルヴィ」同じく騎乗したアレクサンドラがシルヴェーヌにだけ聞こえる声量で不安を隠しながら語り掛けてくる。


「大丈夫です。皇女様は私の命に代えても護り抜きます」シルヴェーヌはアレクサンドラの瞳を見つめながら言った。


 アレクサンドラは一国の王に相応しい威厳で辺りを見渡していた。


 一瞬シルヴェーヌはアレクサンドラを連れて二人だけで逃げ出したい衝動に駆られた。


 国の王といったかせやあらゆるしがらみから逃れて穏やかに暮らせる場所は何処かに有る筈だ。


 幼い頃から彼女だけを見てきたのは私だ――その頃から彼女は何時か現れる王子の話をしていたけど――シルヴェーヌは信じなかった――いや、信じたくなかった。


 現実にその王子が現れた時、シルヴェーヌは諦めとそれに相反する様にアレクサンドラを想う気持ちが高まるのを抑えられなかった。


「皇女様――」思わず言葉が漏れた。


「何?」


「いえ――」優しい口調にシルヴェーヌはどきりとしてしまう。


“――私と一緒に遠くまで逃げてくれませんか”出掛かった言葉を飲み込んだ。


 何が悪くてこんな結果になってしまったのだろう――もっと早くに告白でもしていれば良かったのか――好きにならなければ傷つく事も無かったのか。


 いや、好きになった事を後悔なんてしていない。


 エルフ達の崇める全知全能の絶対創造女神リェサニエル――シルヴェーヌもエルフの信仰を受け入れていたのだが、女神は余りに酷だと思っていた。


 アレクサンドラを傷つけたエレオナアル達を許せないのは当然としても、降って沸いた様にアレクサンドラをさらって行った“死神の騎士”も彼女にとっては殆んど敵と言って良かった。


「シルヴェーヌさん?」異世界から召喚されたという七瀬真理愛と澄川静香、二人で一頭の有翼一角馬アリコーンに騎乗していた――七瀬真理愛がシルヴェーヌを気遣って声を掛けてくる。


 そこまで感情が表に出ていたのかとシルヴェーヌは冷や水を浴びせられた気分になった。


 マリアと静香、この二人は思いが通じ合って結ばれた――なのに私はどうして――


 世界は不公平だと心底そう思う。


 マリア達の横に居る不老不死ハイエルフの女忍者ホークウィンドとその義理の娘シェイラも結ばれている。


 アレクサンドラを独り占め出来なくてもせめてこの思いが遂げられれば――そんな事を考えている自分に嫌悪感を感じていた。


 自分にはアレクサンドラしかいないのに――シルヴェーヌにとってアレクサンドラは世界の全てだった。


 魔術を修めたのも反エレオナアル陣営に入ったのも全てはアレクサンドラの為だった。


 彼女の役に立てるなら命など要らない。


 彼女の思いを勝ち取れるなら全てを捨てても良い。


 見返りを期待しているのは分かっていた。


 それでも彼女が欲しい、彼女だけが。


 彼女の一番でありたい――自分が彼女だけを見つめる様に、彼女にも自分だけを見つめて欲しい――。


 何故女神はこんなに苦しい思いをさせるものを創り出したのか。


 何故女神が居るなら私の狂おしい絶望の叫びを無視するのか。


 目の前で殺戮が行われているというのに、思いは彼女の方へと向かってしまう。


 今を逃せば彼女を自分のものにする機会は永遠に失われてしまう――そんな思いに囚われる。


 そんなシルヴェーヌの思いも知らず炎の壁が消えた。


 ゆっくりと本陣が鶴翼の陣を作りながら後退に入る。


 ガルム帝国軍は算を乱さず退却戦に移った。


 ヴェンタドール王国軍の先頭に立って王国の勇者ショウ=セトル=ライアンが攻めてくる。


 アイヴァンホーの軍は補助的な位置について積極的には攻めない。


 あくまで最小の被害で最大の戦果を挙げる構えだ。


「敵軍を完全に包囲しろ!今なら功名取り得だぞ!」有翼馬ペガサスに騎乗したショウが怒鳴るのが聞こえた。


 後備えの軍は大きな犠牲を払いながらも伏兵をあらかた片付けていた。


 ヴェンタドール軍は包囲陣を引こうと左右に広がる。


 しかし全周包囲するには展開した軍は薄すぎた。


 火球の魔法が飛んできたが、結界に阻まれる。


 帝国軍の本陣も後退を始めた。


 アトゥームがアレクサンドラに声を掛ける。


 アレクサンドラがはにかむ様に顔を赤らめるのを見てシルヴェーヌは胸に痛みを感じた。


「先に転移の魔法で後退してくれ。シルヴェーヌ、アレクサンドラを頼む」アトゥームが二人に呼び掛けた。


「私も残ります。アトゥーム様だけに戦わせる訳にはいきません」アレクサンドラが抗議する。


「万が一を考えてだ――シルヴェーヌの実力ならアリオーシュ四天王が相手でも後れは取らないだろう」


「――でも」


「皇女様。アトゥームの言う通りです」シルヴェーヌは思いもよらない形で自分の望みを果たす機会が来た事に戸惑いと驚きを感じながらも、表面上は冷静に言った。


 転移先は策源地として確保した反エレオナアル派の貴族の城だった。


 シルヴェーヌはアレクサンドラと自分を転移させるべく呪文を唱え始める。


 ヴェンタドール王国軍が左右に広がる中、アイヴァンホー旗下の重騎兵が正面突撃を行うべく陣立てを始めた。


 マリアと静香は本陣前方に陣取る前衛に加わる。


 アトゥームも近衛の重騎兵を前衛に進めてアイヴァンホーの重騎兵と正面から激突すべく素早く隊伍を整え始めた。


「下がりながら敵軍の動きを伝えてくれ」マリア達はアトゥームから有翼一角馬アリコーンで上空から敵兵の動きを伝える様指示を受ける。


「ボクとシェイラは――」ホークウィンドが尋ねる。


「敵騎兵の突撃を炎の息で出来るだけ止めて」ラウルが言った。


「恐らく結界が張られているだろうけど、勢いを削ぐだけで良いから」


「義兄さんは敵騎兵の勢いが落ちた所に突撃して」


「分かった」


「敵騎兵を止めたら退却に入ればいいんだな」アトゥームが確認を取る。


「僕は全体の指揮に戻るよ」


 アトゥーム達は敵の突撃を止めるべく陣を展開する――


 シルヴェーヌはそれらを見ながらアレクサンドラと転移魔法で跳んだ。


 隠した思いは欠片も見せなかった。

なんか脈絡のない話になってしまったかなあと。

シルヴェーヌをもっと前面に押し出して話を書くべきだったかも。

主役のマリアと静香がほとんど出なかったのも。

反省。

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