魔法の師〜出会い①〜
俺は日課のハイハイ&歩行訓練に加えて、腕立て伏せや腹筋などの筋力トレーニングもやるようになった。
俺は、体を鍛える訓練を終えて、いつものように城の中庭に来ていた。
俺は1歳半になり、今では火以外の属性も火と同じくらい使えるようになった。
初めの頃のファイヤーは小豆くらいの大きさだったが、今ではライターの火くらいの大きさだ!
……もう一度言おう、ライターの火の大きさだ!
他の属性も似たような感じだ。
はぁ〜もっと練習しなきゃダメなのか?
俺は気持ちを切り替え、
「あうー」
翻訳「“火”」
と唱えて、火を掌に出現させた。
出現させた火を見つめていた俺はあることを考えついた。
この火に更に魔力を込めれば、火は大きくなるんじゃないのか!?
俺は自分の考えを試すため、火に魔力を上乗せしてみた。
「う〜う〜」翻訳も同じ
「ボォーー」
やった! 上手く出来た!
いつもは、火を作って満足してたが、こんな方法があったんだな!
俺は、松明の火くらいの大きさに変化した火の出来に満足した。
「……これは一体!?」
「!?」
俺は声に驚き、後ろを振り返ったところ、シャクヤクさんが驚いた顔をして立っていた。
「……サクラ王子が魔法を使っている!? 何故もう魔法を? 確か適性属性も無かったはず!」
等と呟いて驚き震えていた。
……そういえば、今までは誰にも魔法を使ってるところは見つかってなかったなぁ〜など呑気なことを考えていた。
「サクラ王子には魔法の才能がある。」
シャクヤクさんはそう言って、俺を抱き上げて来た。
そんなに褒められると悪い気はしないなぁ。
「あ〜! う〜! だ〜!」
翻訳「これが練習の成果だ! 属性無しがなんだ! 凄いだろ!」
俺はドヤ顔を決めてみた。
「生まれて1年半でこれだけの火の魔法が使えるのなら、間違いなく火の属性があっていいはず! 何故ウツギさんの属性眼で見つけられなかったんだ?」
シャクヤクさんは、首を傾げて唸っている。
実は俺には、火の属性が有ったのかな? などと考えていると、
「もう一度ウツギさんに属性眼で見てもらおう!」
シャクヤクさんはそう言って、俺を抱いたまま中庭から駆け出した。
果たして、サクラは属性が身に付いたのか!?
次回へ続く!