山賊のアジト
カトレアが連れ去られてしまいました。
どうする......サクラ!?
カトレアが男達に連れ去られてしまった。
「くそぉー! 俺がもっと注意してれば! 近くで戦っていたら!」
俺は地面に膝をついて、地面に拳を振り下ろした。
何で離れて戦っていたんだ!
守れなかった!
……カトレア。
「サクラ! 反省している場合じゃないでしょ!」
俺はアイリスに抱き起こされた。
「でも、……どうすれば。」
どうしたらいいのか分からない。
頭が上手く回らない。
「……あの人まだ生きてる!?」
アイリスは周りを見回して、先程倒した男の内の一人が生きていることに気がついた。
「……カトレアを攫った奴の仲間か……殺す。」
俺は、カトレアを攫った奴らが許せない。
俺は剣を持って、弱っている男に近づいた。
「ちょっとサクラ! 落ち着きなさい!」
アイリスの声がするが、今の俺には目の前の男しか目に入らない。
「サクラ!」
アイリスが俺に後ろから抱きついて、俺の動きを止めた。
「邪魔するな!」
俺は、男に目を向けたままアイリスに叫んだ。
「……駄目だよサクラ。まだ大丈夫。落ち着いて。奴らは私達を売るって言ってた。まだ助けるチャンスがきっとある。だから落ち着いて。」
アイリスは涙を流しながら必死に言葉を紡いだ。
……まだ。
……大丈夫?
……助けるチャンス?
そうだ! まだ助け出せる!
「……アイリスありがとう。」
俺の言葉に、アイリスは俺を解放した。
「……よかった。いつものサクラに戻ったね。」
アイリスは俺に微笑んで応えた。
「アイリスのお陰だよ。」
俺もアイリスに微笑み、再び男へ目を向けた。
「……おい。貴様らは何者だ? 何処にカトレアを連れ去った?」
俺は凄みを効かせて男に問いただした。
「……ふん。俺達、ドクダミ山賊団に狙われたのが運の尽きだったな。拠点を話す訳ないだろ。……ガキが。」
俺は、男が言った山賊団の名前に衝撃を受けた。
……ドクダミだと!?
フリージア師匠の言っていた奴か!?
こんな遠くの国でその名を聞くなんて?
「言いなさい! 何処に連れてったのよ!」
アイリスが男に叫ぶが、男はヘラヘラと笑っていた。
「アジトの場所を吐け!」
俺は、凄みを効かせた声を出し、剣先を男の喉元に突きつけた。
「……はっ! どうせ虚仮威しだろ!」
男は冷や汗を流しながら、ぎこちない笑みを浮かべた。
「……今から貴様の指を一本ずつ斬り落とす。……何処まで耐えられるかな?」
俺の言葉に男の顔面は蒼白していった。
「……やれるもんならやってみやがれってんだ!」
俺は無詠唱で、剣に火属性を付与した。
そして、剣を上から地面に垂直に突き刺し、男の右手人差し指を斬り落とした。
「ぎゃゃゃぁぁあぁぁぁぉあ!」
火を纏った剣で斬り落とされたため、切り口が焼かれ、血の出血は少なかった。
「……早く言ったらどうだ? 出血多量で死ねないように焼いてやってるんだ。吐けなければ両手両足の指が無くなるぞ。」
「ひぃはぁはぁはぁ……イカれてんのかこのガキぃ!」
男は痛みに悶えながら、俺を睨んできた。
「…吐けよ。」
右手の残りの指を親指から一本ずつ斬り落としていった。
「あぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁあぁぁぁ」
男は激痛に耐えられず暴れ回った。
「……次は反対の手だ。」
俺が反対の手に、剣を振り下ろそうとした。
「洞窟だ! ここから、北に少し行ったところにある洞窟だよ! もう勘弁してくれ!」
男は泣きながらアジトの場所を白状した。
「嘘じゃないだろうな?」
「嘘じゃない!」
男の様子からは、本当のことを言っていると感じたが、油断は出来ない。
「お前が案内しろ。」
俺は男を無理矢理立たせ、背中に剣を突き付けてアジトまで案内させた。
男の案内で、戦場から数十分歩いたところに洞窟を見つけた。
「あれは!?」
洞窟の前には、護衛対象の商人の馬車が置かれていた。
ここで間違いない!
山賊のアジトだ!
「……ほら、あっただろ! ちゃんと案内したんだ! 見逃してくれよ。」
「一つ確認だ。出入口はここだけか?」
いくつも出入口があったら、逃げられちまう。
「|出入口はここだけだ。見てわかんだろ。」
男の態度と声の感じから、嘘は言ってなさそうだ。
後は、中に何人居るか分からないから慎重に行動するしかないか。
「……アイリス。村に戻って、警備隊に報告して人を連れて来てくれ。……警備隊は来れる人が少ないかもしれないから、ギルドにも報告して。ギルドが動いてくれなかった場合は、キャトレイさんからギルドへ緊急依頼を出してもらって。」
「わ、分かった。 ……サクラはどうするの?」
「一人は残って見張らないと、逃げられたら見つけ出せない。……頼めるかアイリス?」
「勝手に無茶しちゃ駄目だからね? すぐ戻る!」
アイリスはそう言って、直ぐに村の方へ駆け出した、
………アイリスもさっきの戦闘で魔力をかなり消費していたから、村までは時間が掛かりそうだな。
「用は済んだんだから、早く開放してくれよ。」
……五月蝿い奴だな。
「はいよ。」
俺は男の顎に拳を打ち込み、男は気絶した。
「見逃す訳ないだろ? 黙って寝てろ。」
俺は土属性の魔法で男の体を埋めて、地面から顔だけ出て居る状態にした。
……これで、起きても簡単に逃げられないだろ。
俺は、アイリスが仲間を引き連れて戻って来ることを願い、洞窟の出入口から目を離さなかった。
応援部隊は間に合うのでしょうか!?
次回をお楽しみに!




