初の護衛依頼
俺達は、Cランクに昇格するためにギルドへ来ていた。
「おっはよ〜ございま〜す。」
ギルドの扉を開けて挨拶した。
「うぃ〜す!」
「おはよ!」
「サクラくんおはよ〜!」
冒険者の先輩達や受付のアロニアさんが挨拶を返してくれた。
このギルドに初めて来てから、大分経ったから、冒険者の先輩達とも仲良くなった。
「可愛い子を二人も連れて女誑しだな。」
いつも俺のことを弄ってくる、オッサンが今日もいつものように俺を弄りに来た。
「羨ましいだろ〜。二人共美少女だからな!」
俺はいつもの決まり文句を返した。
「「〜〜」」
二人はまだ、このやり取りにならないようで顔を赤くしていた。
「アロニアさん。Cランクに昇格しようと思うんだけど、Dランクのオススメ依頼ありますか?」
最近の依頼は、ギルドに貢献するために、ギルドが処理してもらいたい依頼をアロニアさんに斡旋してもらっていた。
「そうね〜。山沿いにある西方の村までの護衛依頼があるんだけど? 道は殆ど整備されてるし、山沿いのDランクの魔物がたまに出るくらいかしら。」
成る程ね〜。
護衛依頼の経験もないし、やってみるか。
「俺はいいと思うけど、二人はどう?」
「いいよ。」
「良いわよ。」
「じゃ〜その依頼受けます!」
「ありがとね。いつも助かっちゃう。流石、わたしのサクラく〜ん!」
俺はアロニアさんに抱きつかれた。
あ〜柔らかいね。
って、胸当たってますから!
アロニアさん、大きいんだよね。
俺は頬を赤く染めていた。
「アロニアさん破廉恥です! サクラを離してください!」
アイリスが顔を赤くして、珍しく怒っている。
「サクラもニヤケ面してんじゃないわよ!」
カトレアからは、脛を蹴られた。
「いった!」
俺なんかした!?
「え〜お姉さんに、サクラくんの温もりを頂戴〜!」
アロニアさんが再び抱きつこうとして来た。
アロニアに捕まる直前に、アイリスに俺が突き飛ばされた。
あれ!?
俺が飛ばされるの?
「こんな悪女にサクラは渡さない! サクラもニヤケない!」
アイリスがアロニアさんを睨んだ後に、俺に駄目出しして来た。
いや、アロニアさん綺麗だし、仕方ないじゃないか!
アイリスとカトレアも凄い可愛いけど、まだあそこが寂し……ひぃ!
アイリスとカトレアは俺を睨んで来た。
あれ!? 訓練の時よりも鋭い殺気がするのは気のせいかな?
「今、失礼なこと思ったでしょ!?」
「目線が何処にあったかしら?」
「さ、さぁ〜。」
俺は冷や汗を滝のように流していた。
「まぁ、サクラ君とのスキンシップはこれくらいにしておくとして、この依頼はサクラ君達の他にもう一人一緒に依頼をする事になっているわ。」
アロニアさんが気まずそうな顔をした。
「もう一人? 誰ですか?」
「昔、サクラ君達が冒険者登録に来た時に、ちょっかい出して来た……オオバカよ。」
「……アロニアさん。バカじゃなくて、バコですよ。」
周りの冒険者がフォローしていた。
アロニアさん、ひでぇー。
「コホン! まぁやった行為がバカだから、この際改名してオオバカにしましょう。」
アロニアさんは開き直った。
「それで、そのオオバカさ……オオバコさんと組んで依頼をこなすんですか?」
俺も間違っちゃったよ!
わざとじゃないよ!
たぶん?
「ええ。あの一件で、オオバカはDランクに降格して、今回の依頼成功で、バカはCランクに戻れるのよ。……サクラ君達が大事にしていれば冒険者剥奪だったんだけどね。」
もうオオバカで通すんですね。
まぁ初日で大事にしたくなかったし、こんな子供に大勢の前で倒されて罰を受けたから許してあげたんだよね。
「分かりました。」
「何かトラブルになったらちゃんと報告してね。」
護衛依頼は、午後から北門に集まって出発とのことであった。
「軽くご飯食べてくる?」
「そうね。」
「行きましょう。」
俺達はガウラさんの宿屋で牛丼を食べ、北門へ向かった。
次回
護衛依頼の落とし穴
です!




