キャトレイ辺境伯からのお祝い
キャトレイ様に、Eランクに俺達が昇格したことと、魔物と遭遇し戦闘になったことを話した。
「なんだと!?」
キャトレイさんは凄い驚いていたが、アイリスとカトレアの武器がなかったと知るや、急いで武器を仕入れてくれた。
……ネペンテスとセットで。
「キャトレイ様。私も頂いてしまって、良いのでしょうか?」
アイリスはキャトレイから、片手剣(銀素材)と盾(銀素材)、ネペンテスを渡されていた。
「勿論だとも。昇格祝いだ!カトレアの面倒を見てもらっているんだしな。」
「ありがとうございます。」
アイリスはキャトレイに深くお辞儀をした。
キャトレイからカトレアには、薙刀(銀素材)、ネペンテスが手渡された。
「よし! 今日からは武器の訓練も出来るな!」
俺の言葉に、アイリスとカトレアは頷いていた。
その後は、依頼をこなす合間に、武器の訓練や魔法の修行を行っていた。
半年後、俺達は特にトラブルも無く、Dランクに昇格した。
本当は、早く魔物討伐依頼を受けたかったが、Cランクの魔物、土猪から実力不足を感じていたため、トレーニングを中心に行なっていたのだ。
その甲斐あって、アイリスは魔法衣も発動出来るようになった。
まぁまだまだ継続時間や纏う量が少ないが、同世代よりは圧倒的に上を行く実力だろう。
カトレアも魔力の圧縮と同時発動に成功し、今後の課題は、属性付与、混合と魔法衣に、なった。
Dランクになってからは、万全を期すために、依頼は月に1回の魔物討伐にして、その以外は、武器と魔法の修行に当てていた。
俺とカトレアが8歳、アイリスは12歳になった。
俺とアイリスは、当初の予定ではお金を貯めたら出て行くつもりだったが、居てもらって構わないとキャトレイ様に言われ、居候状態が続いていた。
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今日も修行に明け暮れて居た。
「行くよアイリス姉さん!」
俺はもうアイリスに駆け寄り、剣を振った。
「はぁー!」
アイリスは俺の剣の軌道を盾で逸らし、直ぐに剣で攻撃してきた。
「くっ!」
俺は態勢を崩されるも、体を回転させ、何とかアイリスの剣を弾き返した。
「……やっぱ、盾剣強いね。」
俺は冷や汗を掻いていた。
「……当たると思ったのに。」
アイリスは拗ねた声を上げた。
「盾での逸らし方が大分上達したね。最初は、普通に盾で剣を受けていたから全然反撃に手が回ってなかったけど、今じゃ軽く逸らされちゃうよ。」
アイリスの盾剣の技術はかなりのものになっていた。
その後も、俺とアイリスは打ち合いを続けた。
カトレアの薙刀も俺やアイリスよりリーチが長く、戦いずらかった。
カトレアとしては、近づかれないのが一番だけど、近づかれた時の対処も出来るようになりたいと自分なりに考えて訓練していた。
「そろそろ、Cランクに昇格しても良さそうだね。」
俺達は、後1回Dランク依頼達成でCランクに上がれるところまで来ていた。
「そうね。そろそろ、土猪にもリベンジしたいし。」
カトレアは、薬草採取時に全く戦えなかったことをずっと気にしていたようだ。
「なら、明日は軽く流して、明後日依頼を受けましょうか?」
アイリスが俺達に提案してきた。
「そうだな。」
俺はアイリスの言葉に答えた。
それにしても、出会った頃のアイリスは、可愛い子って感じだったけど、今じゃカッコイイ子だな。
剣術の腕は、日に日に上達して上が見えないね。
カトレアも成長して、スレンダー女子になったな。
女の子の薙刀って、なんかイイよね。
……俺だけなのかな?
俺達は二日後、ギルドへ向かった。




