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薬草採取クエスト

 サクラ達は、宿屋依頼達成の翌日に、ペットの散歩兼遊び相手のクエストも無事に達成した。


 そして、サクラ達はいつもの受付嬢の前に来ていた。


「今日も依頼を受けられますか?」

 受付嬢は、今日も営業スマイルで対応してくれた。


「はい。今日は薬草採取の依頼を受けようと思います。」

 俺は、事前に3人で話し合って決めた依頼をお願いした。


「畏まりました。採取してもらう薬草は、魔力草になります。量は50本です。採取場所は、この近くですと北西にある泉の近くが魔力草の群生地になっています。草が多いからすぐ分かると思います。」

 受付嬢は、丁寧に採取場所も教えてくれた。


「それと、魔力草の他にも毒草などの似ているものがあるので注意が必要なことと、その周辺には稀にですが魔物の出没が報告されていますので注意して下さい。薬草は、種類が分からなければ多めに採取して頂ければギルドで確認します。」


「分かりました。ありがとうございます。」

 俺達は、受付嬢にお礼を言ってギルドから出た。


「アイリスさんとサクラは、魔力草の見分けはつくの?」


「私は分からないな。」

アイリスは、首を横に振っていた。


「俺は、本で見たことあるけど結構似たり寄ったりな草なんだよね。」

 俺は、城に居た時に図書室で薬草関係の本も一通り目を通していた。


「そっか。とりあえず群生地に行ってみてからね。」

 カトレアの言葉を最後に、俺達は群生地に向かった。


「……ここか?」

「……たぶん?」

「……ここでしょうね。」

 俺、アイリス、カトレアは、魔力草の群生地と思われる場所に辿り着いた。


 ……辿り着いたのだが、受付嬢が言っていた通り、辺り一面、草、草、草!!


「サクラ出番よ!」

 カトレアが俺に向かってそう言った。


「サクラいっきまーす! って!? 分かるかぁー! 」

 ノってみたけど、これは無理でしょうよ!

 ナニコレだよ!?

 本で見た知識も役に立たなかった。


「……これだけ草まみれだと、知識の有る無し関係無いよね。」

 アイリスも苦笑いしていた。


「最早、大量に草持って帰るしか無いじゃん!」

 俺は空に向かって吠えた。


「……とりあえず、採取しようか?」

 アイリスに言われ、渋々3人で採取を始めた。


「そう言えば、……薬草入れる袋を持って来てる?」

 カトレアが俺とアイリスに目を向けた。


「あ!」

 アイリスはやっちゃったと分かる顔をしていた。


「それなら心配要らないよ!」

 俺は、右腕に装着していた特別製ネペンテスを掲げた。


「それってネペンテスだよね。確かにそれがあれば薬草ぐらいなら入りそうだね。……でも、サクラって何でネペンテスを持っているのよ?」

 カトレアは疑いの目を向けて来た。


「……大事な人からの貰い物なんだ。」

 俺は、シャクヤク師匠を思い出し、ネペンテスを撫でた。


「ふ〜ん。……いつか教えてよ。」

 カトレアは、空気を読んでくれたのか詮索してこなかった。


 会話が途絶え、黙々と薬草採取を行っていた。


 俺は、一つ一つ薬草を採取する際に、魔力草か見極めようと目を凝らしていた。


「!?」


 しばらく作業を続けていたら、突然手に取った薬草が毒草と()()()()()ようになっていた。


 そのまま近場の草を見ると、正面の草が魔力草、右手の草が毒草、左手の草がただの草という具合に分かるようになっていた。


「分かるぞ!!」

 俺は、アイリスとカトレアに声を掛けた。


「サクラどうしたの?」

「何が分かるのよ?」

 アイリスとカトレアが答えた。


「「!?」」

 2人は採取を中断し、サクラを見て驚いた。

 正確には、サクラの目を見て驚いたのだ。


「サクラ目が……。」

「目が光ってるわよ。」

 アイリスとカトレアに言われて、俺は気がついた。

 新しいスキルが身に付いたのだと。


「……どれが魔力草なのか見えるようになった。」

 俺の言葉に2人は驚いていた。


「……そんなことってあるの?」

 カトレアが疑問の声を上げた。


「俺のスキルの影響だと思う。……まぁ魔力草が見分けられるようになったんだし、これで無駄が省けるじゃん。」

 これって、俺のスキル神眼が進化したのかな?

 帰ったら確認しとこう。


 こうして、俺のスキルで薬草採取は思っていたより早く終わった。


「これで魔力草50本だ!」

 俺は、最後の魔力草をネペンテスに収納した。


「最初はどうなるかと思ったけど、サクラのお陰で大量に採取しないですんだね。」

 アイリスは、額の汗を拭っていた。


「これでギルドに達成報告すれば、Eランクに昇格ね。」

 カトレアも笑顔を浮かべていた。


「帰ったら、どっかで昇格祝いでもやろう。」

 初めてランクが上がるんだし、こういうのは大事だからな。


「そうね。帰り!?」

 カトレアがシルビア村の方を向いて言葉を詰まらせた。


 俺とアイリスは不思議に思い、カトレアの向いた方を見た。


「「!?」」


 そこには、明らかに普通の猪とは異なる、禍々しい猪がいた。

次回、初!魔物バトル!

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