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冒険者登録

 俺達は冒険者ギルドの扉を開けて中に入った。


 ギルドの中には、屈強そうな男性や、鎧に身を包んだ青年、杖を持った女性等が数人いた。


 ギルド内に居た冒険者達は、ギルドへ入って来た3人に目を向けていた。

 皆、不思議なものを見るような目をしていた。


「おいおい。ガキ達が何しに来たんだよ。ここは子供の来るとこじゃねぇぞ。」

 屈強そうな男性が声をサクラ達に声をかけた。


「……冒険者の登録に来ました。」

 俺は簡潔に答え、カウンターにいた女性に近づいた。


「冒険者登録の受付はこちらでいいでしょうか?」

 俺はカウンターに居た女性に声をかけた。


「はい。こちらですよ。」

 受付嬢はサクラの問いに答えた。


「3人の冒険者登録をお願いしたいのですが。何か必要な物はありますか?」

 俺は3人分の登録と必要な物を受付嬢に聞いた。


「特にありませんよ。こちらの用紙に記入して頂ければ登録出来ます。名前は必須ですが、使用武器や属性は任意です。」

 受付嬢はそう言って、用紙を1人ずつ手渡してくれた。


「ありがとうございます。」

 俺は受付嬢にお礼を言って、名前をサクラとだけ記入した。


 俺が用紙を受付嬢に渡そうとしたところ、その用紙は横から奪われた。


「おいおい、こんなガキが本当に登録するのかよ。冒険者舐めてんのか。」

 先程絡んで来た屈強な男性がサクラの用紙を奪い、そう言った。


「用紙を返してください。別に冒険者を舐めたりしてませんよ。俺達には冒険者になってやる事があるんです。」

 俺は男性を睨んでそう言った。


「っ!? このガキが! 誰にガンくれてんだよ! お前が冒険者になれるか俺がテストしてやるよ。表へ出ろ!」

 男性はそう言って、サクラの襟首を掴んで外へ連れ出した。


「ちょっと! オオバコさん乱暴はやめてください! ギルマスに言いつけますよ!」

 受付嬢がオオバコに叫ぶが、オオバコは止まらずギルドの外へサクラと共に出て行った。


「みんなも止めてよ!」

 受付嬢はギルド内に残って居た冒険者に叫んだ。


「……子供が冒険者なんてまだ早すぎるだろ。3人とも良い服着てるんだ、金のある家の出なんだろ。あいつもちょっとお仕置きするだけだろうさ。」

 冒険者の1人が代表して受付嬢に答えた。


「だからって! 子供に暴力は良くないわよ!」

 受付嬢はそう言って、ギルドの外へ向かった。


「私達も外に行きましょう。」

 アイリスは何の心配もしていない表情でカトレアにそう言った。


「アイリスはサクラが心配じゃないの?」

 カトレアはアイリスの顔を見てそう言った。


「サクラの方が強いと思うよ。」

 アイリスはそう言うとカトレアと共にギルドの外へ向かった。



 俺はオオバコに外へ連れ出されて放り投げられた。

 

「冒険者になりたいんだろ!さっさとかかって来い!」

 オオバコが俺に向かって手招きした。


 俺がギルドの扉の方へ視線を向けると、アイリス、カトレア、受付嬢、中に居た冒険者数名が出て来ていた。


「……こちらには別に戦う理由は無いのですが。」

「ごちゃごちゃ言ってねぇでかかって来い!」


 この男には何を言っても無駄なのだと悟った。


「行きますよ。」

 俺は地面を思いっきり蹴り、オオバコに詰め寄り、腹に右ストレートを打ち込んだ。


「おっと!」

 オオバコはサクラの右ストレートを手首の部分を掴んで防いだ。

 おいおい!このガキめちゃくちゃ速いじゃねぇか!

 オオバコは内心でそう思いながら、掴んだ手を上に上げてサクラを放り投げた。



 俺はオオバコに放り投げられたが、空中で体勢を整えて着地した。


「……何ださっきのへなちょこパンチは?あんなんで冒険者になれるか!」

 オオバコは冷や汗を搔きつつそう言った。


「次、行きますよ!“火球(ファイヤーボール)”」

 俺はオオバコに右の掌を向けて、火の球を放った。


「!? “土盾(スエロエスクード)”」

 オオバコは土の盾を作り出しサクラの火球を防いだ。


「こんなガキが魔法を使うとは驚いたぜ。たが、その程度か。」

 オオバコはサクラが魔法を使用したことに驚きはしたが大した威力じゃなかったと馬鹿にした。


「……少し強く行くので、全力で防いで下さいね。“風槍(ウインドランス)”!」

 俺は風魔法で槍の形を作り出し、オオバコに向けて螺旋を描いて貫通力を高めて放った。


「!? “土盾(スエロエスクード)”!」

 オオバコはサクラの魔法を危険と判断し、全力で土盾を発動した。


「馬鹿な!?」

 オオバコの土盾をサクラの風槍が貫通し、オオバコの体のすぐ横に突き刺さっていた。


「……あんた。魔法苦手なのか?大したことないな。」

 俺はオオバコの魔法を見て、オオバコは魔法が苦手なのだと判断した。


「少し痛い目見せてやろうと優しくしてやりゃ調子に乗りやがって!“ブロッサム”」

 オオバコは憤慨し、ネペンテスから大剣を取り出し、サクラに斬りかかった。


「先に抜いたのはあんただぞ。“ブロッサム”!」

 俺はネペンテスから片手剣(クリスタルソード)を取り出し、オオバコの大剣を受け止めた。


 流石にオオバコが武器で斬りかかったことで、周りの冒険者達もオオバコに止めるよう声を掛けていた。


 しかし、オオバコは聞く耳を持たず、再び攻撃してきた。


「死ねやガァキィ!“土斬り(スエロコルタール)!」

 オオバコは大剣に土属性を付与して攻撃してきた。


「やれやれ。“雷突き(サンダースラスト)”!」

 俺は、片手剣に雷属性を付与して素早くオオバコに突きを繰り出した。


「がはぁ!」

 オオバコは白目をむいて倒れた。


「……サクラって強いのね!」

 カトレアは俺の戦いを見て驚いていた。

「サクラは毎日修行してましたからね。」

 アイリスは、サクラの修行していた頃を思い出しそう答えた。


 俺は、オオバコを無視して受付嬢に声をかけることにした。


「冒険者登録お願いますね。」


雑魚キャラの冒険者オオバコの技名は、コロンビアの公用語であるスペイン語です。

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