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サクラの決意とアイリスの決意!

 キャトレイから身分や素性を隠すよう言われていたので、キャトレイの家族が来る前に俺の姿はアイリスの弟バージョンになっている。


 とりあえず自己紹介することにした。


「サクラ、6歳です。」

 俺はキャトレイの家族にお辞儀した。


「アイリス、11歳です。」

 アイリスも俺と同じようにお辞儀した。


「カトレア、6歳です。サクラ君とは同い年だね。アイリスさんとは姉弟と父上から伺っています。」

 カトレアはサクラ達に微笑んだ。


「話したように、2人はしばらくここに滞在する予定だから、何かと分からないことも多いと思う。サポートしてやってくれ。」

 キャトレイは、カトレアの肩に手を置いてそう言った。


「分かりました。アイリスさん、サクラ君。何でも聞いて下さいね。」

 簡単な自己紹介を済ませら俺達は、カトレアの案内でキャトレイ辺境伯の邸宅内を散策した。



「国王様には、魔神の復活や魔人の目的……倭国の王子の話は隠しておかないと利用されるかな?」

 部屋に残ったキャトレイは、今後の魔人対策を強化すべきと強く感じていた。



 カトレアに、邸宅内の案内を一通り受け、既に外は暗くなり始めていたことから、キャトレイ辺境伯家族とサクラ達は、一緒に夕食を取ることになった。



 夕食後に、キャトレイ辺境伯から充てがわれた部屋でサクラとアイリスは向かい合って座っていた。


「今後のことなんだけど、俺は倭国に戻らずに魔人を倒せる力を身に付けたいと思っている。」

 俺は自分の考えをアイリスに伝えた。


「……倭国に戻らないのはどうしてなの? 王都は魔人の襲撃があったけど、倭国内の他の場所は被害を殆ど受けていないのだから、サクラが戻って王様になった方がいいんじゃないかな?」

 アイリスの言うことは俺も一度は考えていた。


 ……だけど。


「それは俺も考えたんだ。父さんと母さんと過ごした大切な国を俺の力で復興したい。……でも今の俺が戻っても子供扱いで何も出来ないかも知れない。それに、国を建て直しても魔神が復活して、この世界を滅ぼされたら意味がない。……だから俺は国に帰らずに魔人を圧倒出来るぐらい強くなりたい。」

 俺はアイリスの言葉にそう答えた。


「……そっか。サクラはそう決めたんだね。なら、サクラのお姉さんである私も一緒に強くなります!」

 アイリスは、決意を固めた目でそう言った。


「……それでいいのかアイリス? お前の生きたいように生きて良いんだぞ! 無理に俺に合わせなくても。」

 俺は、アイリスが自分の意思じゃなく、同情で言ったのかも知れないと思い、そう言った。


「私の生きたいように、やりたいように、そう決めたんです。……私が一緒じゃ迷惑ですか?」

 アイリスは不安げな顔で俺を見つめた。


「全然迷惑なんかじゃないよ!? 1人じゃ心細いからね。……俺と一緒に戦ってくれるか?」


「はい。何処までも一緒です。」


 こうして俺達の魔人討伐への道のりがスタートした。

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