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キャトレイ邸〜カトレアとの出会い〜

 サクラとアイリスはキャトレイに案内され、キャトレイ邸に来ていた。


「緊張しないで楽にしてくれ。」

 サクラ達は、キャトレイに客間に通され、お互いソファーに腰掛けた。


 キャトレイ邸は贅沢をし過ぎず、質素過ぎずといった邸宅だった。


「まずは自己紹介といこうか。私はグラナダ王国のキャトレイ辺境伯だ。」

 キャトレイはサクラ達に自己紹介をした。


「俺は倭国王子テンノウ・サクラだ。倭国国王テンノウ・リュウオウと王妃テンノウ・キクの子供です。」

 サクラはキャトレイに自己紹介した。


「……では、倭国王子の君がどうしてこんな所に?」

 キャトレイは早速本題に移った。


「……倭国は魔人の襲撃を受け、魔人の所為で父さんと母さんが殺されました。……父さんは死ぬ直前に俺達を生かすために転移魔法で俺達をここへ飛ばしてくれました。」

 サクラは倭国で起こったこと、サクラ達が何故遠く離れたグラナダ王国に居るのかを説明した。


「……成る程。……大変な目に遭ったな。……何処かに行く宛はあるのか?」

 キャトレイはサクラ達を心配して尋ねた。


「宛はありません。……ただ、このまま何もしなければいずれこの世界は滅ぼされてしまう。強くなる。魔人を倒せるくらい。強く。」

 サクラは力強い目でキャトレイを見た。


「……この世界が滅ぶとは、どういう事かな?」

 キャトレイはサクラへ疑問をぶつけた。


「倭国を襲った魔人アネモネが言ったんです。魔の神、魔神を復活させる。その為に数年毎に大量の人間の血を土地に吸わせるのだと。早ければ十数年で復活するようです。」

 サクラは魔人アネモネが言っていたことをキャトレイに伝えた。


「馬鹿な!? お伽話にある魔神の復活だと!? 数年毎に魔人が襲ってくるというのか!」

 キャトレイは驚愕し、立ち上がった。


「私も魔人アネモネが言ったことを聞きました。現に倭国の数年前には魔人ジキタリスと名乗るものにより、メロヴィング王国も滅ぼされています。」

 アイリスはサクラの説明に補足した。


「確かにメロヴィング王国も魔人の襲撃を受けて多くのものが亡くなったと聞いているが……ところで君は魔人の名前をどこで? メロヴィング王国の襲撃には魔人の関与は間違い無いと言われていたが魔人の名前を聞いたのは初めてだぞ。」

 キャトレイは辺境伯として、多くの情報を得ており、そのキャトレイですら把握していないことを知っている方アイリスに興味を示した。


「私はメロヴィング王国の生き残りです。私はメロヴィング王国で魔人がジキタリスと名乗っているのを聞きました。」

 アイリスはキャトレイに答えた。


「……そうか。メロヴィング王国の君がどうして、倭国の王子と行動をして共にしているのかな?」

 キャトレイは更に質問した。


「メロヴィング王国から転移魔法で私を魔人から救ってくれた方がいます。その後、誘拐されたところをサクラ王子に助けてもらい、サクラ王子の侍従として一緒にいました。」

 アイリスは、これまでのことを簡単にキャトレイに伝えた。


「……そうか。今後の方針が決まるまではうちに泊まるといい。」

 キャトレイは2人に提案した。


「……いいのですか? こちらとしては助かりますが?」

 サクラはキャトレイに確認した。


「他国の王子を蔑ろには出来ないからな。それとその変身は継続していた方がいいだろう。倭国の王族と知られれば危険な目にあうこともあるだろう。」

 キャトレイはサクラを心配してそう言った。


「ありがとうございます。それと、キャトレイ辺境伯様、もう一度先程の観察眼で俺を見てもらえますか?」

 俺はそういうと、隠蔽のスキルを使用した。


「構わないが……何!? 一体何をしたんだ!?」

 キャトレイはサクラを見て驚いた。

 観察眼を使用しているのに、サクラの髪が金髪のままだったのだ。


「ちょっと変身にスキルを重ねてみたんです。」

 俺の思った通り、変身した後に隠蔽スキルで俺の本来の髪色の隠蔽を行ったところ、観察眼でも見破れなくなった。


「驚いたな!? そんな方法で観察眼を封じるとは。これなら倭国の王族ともバレる心配はないだろう。」

 キャトレイは感心していた。


「我が家に滞在中は、分からないことは娘のカトレアに聞くといい。顔合わせをしておこうか。」

 キャトレイはそう言って部屋から出て行った。


「キャトレイ辺境伯様はいい人そうだね。」

 サクラがアイリスに微笑んだ。


「そうですね。」

 アイリスも緊張が切れたのか肩の力を抜いた。


 コンコン


「待たせたな。こっちが妻のオルキデアで、こっちが娘のカトレアだ。」



 俺のカトレアの第1印象は、大人びてる雰囲気の子供だった。

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