武闘会参加〜トーナメント選手決勝〜
武闘会トーナメント戦、決勝戦当日。
スズ「とうとうこの日がやって参りましたぁ! 武闘会決勝戦です!」
ラン「この試合の勝者がナンバーワンです!」
スズ「ランさん、今日の見どころをお願いします!」
ラン「そうですねぇ〜。なんと言っても期待の新星ヤマト選手ですね。ブロック戦、トーナメント戦を通じて彼の戦いには多くの観客が魅力されました。」
スズ「ヤマト選手の応援団まで出来上がっていますね。観客席の一角に……全員女性ですね。」
ラン「ヤマト選手は、選手だけでなく観客席にいる女性達をも落としましたね。」
スズ「両者試合会場に上がって貰いましょう。」
ラン「南ゲートからは、期待の新星ヤマト選手入場です。」
「今までの人生でこんなに注目を浴びたことは無かったな。」
ヤマトは、南ゲートから観客席の前に姿を見せ、試合会場まで進んだ。
ファン「きゃ〜ヤマトく〜ん!」
ファン「頑張ってぇ〜!」
スズ「ヤマト選手堂々とした態度で入場して来ましたね。……頑張れ〜」
ラン「スズちゃん小声で応援してもマイクが音拾ってるからね!」
スズ「失礼しました。北ゲートからは倭国国王テンノウ・リュウオウ選手の入場です!」
リュウオウは観客席に向かって手を上げながら試合会場まで進んだ。
ラン「リュウオウ選手、余裕の現れでしょうか? 観客席に手を振っての入場です。」
スズ「決勝戦が始まろうとしています。目が離せませんね。」
「決勝戦開始となります。準備はよろしいですね。」
ルーペの言葉に両者は構えた。
「試合……開始!」
ルーペは手を振り下ろした。
「“火嵐”!」
開始直後、ヤマトは、火と風の混合魔法をリュウオウ目掛けて放った。
「“転移”!」
リュウオウは転移魔法でヤマトの後ろへ移動し、居合斬りを放とうとした。
「“土針”!」
ヤマトはリュウオウの動きを予測し、背中から土の魔法で針を作り出し、ハリネズミのようになった。
「なにっ!?」
リュウオウは咄嗟に攻撃を止め、後方へ転移した。
「今のは当たると思ったんだけどな。」
ヤマトは振り返り剣を構えた。
「……驚いたよ。よく動きを読めたな。」
リュウオウも刀を正面に構えた。
スズ「ヤマト選手の放った火の嵐をリュウオウ選手は転移魔法で見事回避! そのまま攻撃を放とうとしたリュウオウ選手をヤマト選手は土の針で防いで見せましたぁ!」
ラン「素晴らしい攻防です!」
「……まぁね。“雷形態”!」
ヤマトは雷属性を身に纏った。
「行くぞ!」
ヤマトはリュウオウへ急接近し、流れるように剣を振り続けた。
「ふっ!」
リュウオウはそれを体捌きや刀で回避した。
「なっ? 魔法衣無しで捌ききるかよ。」
ヤマトは驚きの声を上げた。
「悪くないな。いい動きだぞ!“雷光装”! 付いて来れるかな?」
リュウオウは雷と光の属性を身に纏って、ヤマトへ斬りかかった。
「くそっ!」
ヤマトはリュウオウの攻撃に応戦するもリュウオウの動きはヤマトを凌駕しており、徐々にダメージが増えていった。
「お前の実力はこんなものか?」
リュウオウは攻撃の手を緩めなかった。
「こうなりゃやるっきゃない!」
ヤマトはバックステップでリュウオウから距離を取った。
「ス〜ハ〜。“雷光形態”!」
ヤマトはリュウオウと同じく、雷と光の二属性を混合して身に纏った。
「長くは持ちそうにないな。行くぞ!」
ヤマトはリュウオウに一気に詰め寄り、縦横無尽に剣を振った。
「なっ!? 2属性の魔法衣発動も出来たのか?」
リュウオウは驚きながらも、ヤマトの攻撃を刀を使って上手く回避していた。
数十回と両者の攻防が続き、ついに……。
プスッ!
ヤマトの雷光形態が維持するだけの魔力がなくなり解けてしまった。
「はぁはぁはぁはぁ。……魔力消費が……速すぎる。」
ヤマトはそれでも剣を何とか構えていた。
「2属性の魔法衣を発動しただけでも大したものだ。最後だ。俺の奥義を見せてやる。」
リュウオウはそう言って八相の構えを取った。
「負けるか! “火刃”」
ヤマトは最後の力を振り絞り剣に火属性を付与して攻撃した。
「奥義“染井吉野”!」
リュウオウの放った奥義染井吉野の5連撃がヤマトの火刃を突き破り、ヤマトを吹き飛ばした。
「がはぁ!」
ヤマトはリュウオウの奥義に吹き飛ばされ、倒れたまま動くことが出来なかった。
「ヤマト選手ダウン! ……ヤマト選手まだやれますか?」
ルーペはヤマトの状態を確認したが続行不可能と判断した。
「勝者リュウオウ選手!」
ルーペはリュウオウに向けて手を伸ばし勝者を宣言した。
急きょで申し訳ありませんが本日の午前中、3話にタイトル《フラワーワールド》を追加し、1話と2話が若干修正しました。
今更の修正で申し訳ありません。




