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武闘会参加〜国王対フリージア

 トーナメント戦4日目。


 スズ「さぁ〜本日はトーナメント戦4日目! 武闘会もいよいよ終盤になって参りました!」


 ラン「本日は、倭国国王リュウオウ選手対倭国軍隊長フリージア選手の対決です!」


 スズ「果たして勝利を手にするのはどちらになるのか〜!」


 ラン「間も無く試合開始となります。」


 会場の上では、リュウオウとフリージアが向かい合っていた。


「国王だからと手加減するなよ。」

 国王はフリージアに笑いながら話しかけた。


「手加減しませんよ。全力で戦い……倒します!」

 フリージアは力強く宣言した。


「これより、リュウオウ選手対フリージア選手の試合を開始します。両者準備はよろしいですか?」

 ルーペが両者に開始の確認を取った。


 両者は頷き、相手へ意識を集中した。


「試合……開始!」


「“雷電衣(らいでんい)”!」

 フリージアはライラック戦と同様に開始直後から雷を纏った。


「“雷光装(らいこうそう)”!」

 リュウオウもフリージアと同時に雷と光を纏った。


 スズ「フリージア選手は前回と同じく雷を纏ったぁ!」


 ラン「対するリュウオウ選手は雷と光の2属性を纏いつたぁ!」


「……行きます!」

 フリージアはリュウオウに斬りかかった。


「来い!」

 リュウオウはフリージアを迎え撃った。


 両者の高速の斬り合いが続き、ぶつかり合う金属音と身に纏う雷の音が会場を覆った。


「“雷切(らいきり)”!」

 フリージアは超スピードでリュウオウに接近し技を放った。


「抜刀術“瞬雷(しゅんらい)”!」

 リュウオウは居合斬りでフリージアを迎え撃った。


 両者の武器がぶつかり合い、凄まじい衝撃が発生した。


 スズ「互いの技がぶつかり合い、雷と光が迸っています。」


「“五雷斬(ごらいざん)”!」

 フリージアは5つの斬撃を同時に繰り出してリュウオウを攻撃した。


「“雷光盾(らいこうのたて)”!」

 リュウオウは雷と光の2属性混合の盾を正面に展開してフリージアの攻撃を防いだ。


 ラン「フリージア選手の怒涛の攻撃ぃー!リュウオウ選手はそれを魔法盾で防ぎました!」


「……あれを防ぎますか。」

 フリージアは間合いを取って息を整えた。


「かなりの威力だな。盾が壊れるかと思ったよ。」

 リュウオウは余裕の表情を浮かべていた。


「今度はこっちから行くぞ。“雷光斬(らいこうざん)”!」

 そう言うと、リュウオウは一足でフリージアへと間合いを詰めて技を放っていた。


「なっ!? ぐはぁ!」

 フリージアはリュウオウの攻撃をまともに喰らい吹き飛ばされた。


 スズ「リュウオウ選手速い! 速すぎる! 気がついた時にはフリージア選手が吹き飛ばされていました!」


「ぅっ! ……速すぎだろ。」

 フリージアは何とか立ち上がり剣を構えた。


「ギリギリで反応出来たか。今ので終わると思ったけど。やるね。」

 リュウオウは嬉しそうにそう言った。


「ふぅー。……“雷轟(らいごう)”!!」

 フリージアはライラック戦同様に全魔力を剣に込めて、リュウオウ目掛けて振り下ろした。


「……ここで転移は失礼だな。なら、抜刀術“雷光一閃(らいこういっせん)”!」

 リュウオウも必殺の一撃でフリージアを迎え撃った。


「ッ!」

 フリージアはその場から崩れ落ちた。


 リュウオウの一撃は、フリージアの雷轟だけでなくフリージアをも斬り裂いた。


 ラン「……フリージア選手の雷轟をリュウオウ選手は斬り裂くだけでなく、フリージア選手をも斬り裂いていました!」


「はぁはぁはぁ……。」

 フリージアは倒れたまま動けなかった。


「勝者、リュウオウ選手!」

 ルーペが勝利したリュウオウの名を宣言した。


「大したものだよフリージア。これからも我が国のために頑張って欲しい。」

 リュウオウは倒れているフリージアに声を掛けた。


「……もっと精進して勝ってみせます!」


「楽しみにしているよ。」

 リュウオウは笑って会場を後にした。


 スズ「いや〜素晴らしい試合でしたね。」


 ラン「明日の決勝戦は、リュウオウ選手対ヤマト選手となりました!」


 スズ「前回優勝者のリュウオウ選手にヤマト選手はどう挑むのか! 明日が楽しみです!」




 大会後の城内。


「父さん。師匠に勝ったんですね。」

 サクラはリュウオウとキクと一緒に居た。


「父さん強いだろ。サクラの師匠のフリージアも強かったぞ! サクラもまずはフリージアを越えられるようにならないとな!」

 リュウオウは笑いながらサクラの頭に手を置いた。


「サクラもお父さんみたいに強くなるのよ。でも……女誑しなっちゃダメよ〜」

 キクはサクラの頭を撫でながら、リュウオウに鋭い目線を向けた。


「ひぃ!悪かったって何度も謝ったよね?」

 リュウオウは冷や汗を掻きながら後ずさった。


「母さん。俺は父さんより強くなります! 女の子には優しくします!」

 サクラはリュウオウを見た後にキクを見た。


「……サクラも女性で苦労しそうね。」

 キクは苦笑いしていた。


「サクラは俺を越えるか……。」

 リュウオウはサクラを見ていた。


「……そうか。サクラが俺に勝つ日が楽しみだ。」

 リュウオウは真剣な目でサクラを見た。


 サクラも真剣な目でリュウオウを見返した。


 そんな二人をキクは微笑んで見ていた。


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