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武闘会参加〜合間〜

 武闘会一回戦を無事に勝ち抜いた俺はこっそり師匠の部屋に戻っていた。


「王子、見事な試合でしたね。」

 師匠が微笑みながらそう言った。


「無事に一回戦を突破出来て良かったよ。」

 俺は師匠の部屋のソファーにどかっと座った。


「観客席等からだいぶ黄色い声援が飛んでましたね。」

 師匠はニヤニヤしながらソファーに座った。


「……応援が無いよりいいじゃ無いですか。」

 俺は頬を掻いてそっぽを向いた。


「一回勝てば、槍使いのアイビーとの試合ですね。」


「はい。一回戦では、決着がつけられなかったので今度こそ勝ちますよ。」

 俺は拳を握りしめた。


「勝算はありますか?」

 師匠が真剣な目で聞いてきた。


「ありますよ。まだ魔法衣を使ってませんし、まだ手札はありますからね。」

 俺は明日の戦いを想像していた。


「……ところで私が渡したお小遣いは役に立ったようですね。良い片手剣が買えたようで。」

 サクラは、師匠に片手剣を取り出して見せた。


「……やはりクリスタル素材ですね。……いくら払ったんですか?」

 師匠は不安そうな顔で聞いてきた。


「……100万コイン。」

 俺はボソッと答えた。


「……えっ? これが100万コイン?」

 師匠は驚きの余り、剣を落としそうになった。


「……払い過ぎでしたか? かなり良いものなので、だいぶ安く買わせて貰ったと思うのですが?」


「とんでもない! めちゃくちゃ安く買ってますよ!普通に買ったら500万コインくらいの値打ちがありますよ。」

 師匠は興奮して大声を出した。


「……良いものと出会えて良かったです。師匠のお小遣いのおかげですよ。ありがとうございます。」

 俺は師匠に深々と頭を下げた。


「コンコン!」

 師匠の部屋がノックされた。


「シャクヤク様。アイリスです。サクラ王子のお迎えに上がったのですが、よろしいでしょうか?」

 アイリスは部屋の前で返事を待った。


「やっべ!? 子供に戻るわ! 明日も同じ作戦でお願いしますよ師匠!“変身(チェンジ)”」

 サクラは急いで少年の姿からいつもの姿に戻った。


「分かりましたよ。……アイリスちゃん入って大丈夫ですよ。」

 シャクヤクはアイリスに部屋に入るよう促した。


「失礼します。」

 アイリスはサクラの前まで歩み寄った。


「サクラ王子、お食事の用意が出来ています。どうぞ。」


「分かった。ありがとうアイリス。」

 サクラはアイリスに付いて部屋から出て行った。




 サクラがシャクヤクの部屋に居た頃。

 王の間には、国王、総司令官、フリージアの3名が居た。


 王「第1ブロックのヤマトという選手をどう思う?」


 総「聞かない名前ですね。あれだけの強さならそこそこ名前が売れてそうですが、誰も知るものが居ませんでした。」


 フ「……気になることがあります。」


 王「何が気になるのだ?」


 フ「ヤマトという者の剣筋が……サクラ王子に似ています。」


 王総「「!?」」


 フ「ただ王子は子供ですし、話によるとシャクヤク様の部屋で寝ていたと聞いていますので……。」


 王「フリージアは息子に剣術を教えてくれていて、よく見ているのだろう?フリージアが似ているというなら可能性は高いな。」


 総「しかし、姿が……。」


 王総「「変化か!?」」


 フ「そこまでして武闘会に出ますでしょうか?」


 王「俺の息子だぞ!絶対出たいに決まってる!」


 総「それでは後でシャクヤクを問い詰めましょう。」


 フ「……。」


 王「では、ヤマトの件は後程確認するとして、本題だ。」


 総「……他国の刺客ですね。」


 王「一番可能性が高いのは……。」


 王総フ「「「ルピナス!」」」


 王「……やはりそうか。」


 総「上手く隠しているようですが相当な実力者ですね。」


 フ「動きに無駄がなく、足音も全くしませんでしたね。」


 総「国王様。トーナメント戦は棄権された方が……。」


 王「棄権はしない。俺は逃げないよ。大丈夫さ。毎年紛れ込んでる暗殺者はちゃんと返り討ちにしてお帰りいただいてるだろ?」


 総「確かにそうですが。万が一ということも……。」


 王「そうなったら息子に継いでもらうだけだ。」


 総フ「……。」


 総「昔から何を言っても無駄ですね。分かりました。」


 王「迷惑をかけるな。」


 総「そう思うなら少しは自重して下さいよ。」


 王「この話はここまでだ。フリージア、シャクヤクを呼んできてくれ。」


 フ「はい。」


 その後、3人に問い詰められたシャクヤクは、観念してサクラ王子のスキルや変化の特殊属性を取得したこと等を説明し、武闘会に参加していたことを認めた。


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