武闘会参加〜第1ブロック第3バトル〜
サクラはアベリアを倒して直ぐに、他の選手がサクラの方へ吹っ飛ばされてきた。
「危なっ!?」
サクラは飛んできた選手を避けると、その選手はそのまま場外に落ちていった。
「……槍使いか。」
俺の目の前には緑髪の青年が立っていた。
「僕はアイビー。相手をしてもらおうか。」
アイビーは名乗りを上げて、一気にサクラに詰め寄り、突きを繰り出してきた。
「速い!」
サクラはギリギリの所で横に回避した。
「甘い!」
アイビーはそのまま突き出した槍を横に払い、打ち付けてきた。
「くっ!」
サクラは何とかバックステップで威力を殺すことに成功していた。
「……やるじゃないか。後ろに下がってダメージを減らすとは。」
アイビーは腰を落として槍を構えた。
「これならどうする? “疾風突き”」
アイビーは槍を3回突き刺す動きをして、風魔法による風の突きを繰り出した。
「!? “土盾”」
サクラは土魔法を発動して自分の前に土の壁を作り上げて、アイビーの疾風突きを防いだ。
「なかなかやるね!」
アイビーはそう言うと、サクラへと駆け出して槍を繰り出した。
「いくぞ!」
サクラもアイビーに駆け寄り剣を繰り出した。
両者一歩も引かない戦いが数分間繰り広げられていた。
二人が槍と剣を打ち合ったその瞬間……
「「「“火球”」」」
火魔法3発が二人を襲った。
「「ぐぁ!」」
二人は戦いに集中する余り、周りの警戒を怠ってしまっていた。
「……やったか?」
そんなこと言ったら、絶対やられていないだろうと言うフラグを立てた。
「いってぇー。」
俺は横っ腹を抑えていた。
「油断してましたね。」
アイビーも何とか立ち上がった。
「「「バカなっ!」」」
三兄弟は驚き後ずさった。
「別に卑怯とは言わないけど。ムカつくね。」
サクラは三兄弟に向かって剣を構えた。
「全くだ。折角楽しんでいたというのに。」
アイビーも三兄弟に向かって槍を構えた。
「こっちは3人いるんだ! やるぞ!」
三兄弟は、剣、槍、弓を構えた。
「先に弓を潰します!」
サクラはそう言うと弓を構えていた者の正面に駆け出した。
「バカめ! 直線上に来るなど。良い的じゃないか! “火矢”」
男は弓を引いて矢の先端に火属性を付与し、発射した。
「“突風突き」
サクラは剣に風魔法を付与して、思いっきり剣先を突き出した。
サクラの技により火矢は吹き飛び、弓使いも場外に吹き飛ばされ転落した。
アイビーは、剣と槍使いの二人を上手い立ち回りをしていた。
「くそ! 仕留められないだと!」
「強い!」
二人は攻撃が決まらないことに苛立っていた。
「あなた方は大したこと無いね。」
アイビーの挑発に二人の攻撃は更に単調なものになっていった。
アイビーの槍により、二人がアイビーから距離を取ったその時、
「火嵐!」
タイミングを見計らっていたサクラは、二人がアイビーから離れた瞬間に火と風の混合魔法を発動した。
「「うわぁー!!」」
二人は火の嵐に飲み込まれ、そのまま場外に落ちていった。
スズ「第1ブロック試合終了です! 一回戦突破者は、槍使いアイビー選手と片手剣使いの美少年ヤマト選手です。」
「続きは持ち越しだね。」
サクラはアイビーに手を差し出した。
「まだ本気じゃなかったろ?」
アイビーはサクラの手を握り締めた。
こうして武闘会第1ブロックの試合が幕を閉じた。
アイビー→1月21日の誕生花
花言葉は、友情や不滅です。




