魔法講座〜属性付与・魔法衣〜
フリージア師匠との模擬戦後、シャクヤク師匠から話があるとシャクヤク師匠の部屋に連れて行かれた。
「サクラ王子。いつの間に魔法付与と魔法衣を覚えたの?」
シャクヤク師匠の目が怒っているように感じる。
「属性付与は、前から魔法なり属性を武器に付与出来ないか考えてて、図書室の本を探したらコツが載ってた。魔法を纏うやつは、半年前から練習してて、短い時間だけど、全身に纏えるようになった。」
俺は習得した経緯を話した。
「……そんなあっさりと……どちらもそんな簡単じゃないよ。因みに、属性付与する場合はその場限りですが、魔法付与のスキル持ちがスキルを用いて魔法を物に付与した場合は、物に魔法が付きます。ネペンテスがいい例ですね。」
「成る程。そう言うことなんですね。」
「属性付与も魔法衣もまだ教えるのは先のつもりでしたが、独学で覚えてしまうとは……属性付与はまだしも、魔法衣は体に負担が大きいので王子の体が成長してからのつもりでしたのに。」
「あ〜そうだったんですね。気を遣ってもらっていたのにすみません。」
俺は師匠に頭を下げた。
「まぁ無理しなければいいんですけどね。王子は魔法衣をどれくらい維持できますか?」
「短いですよ。戦闘なしで纏うだけなら30秒。動き回るなら10秒くらいですかね。」
俺は苦笑いしながら師匠に答えた。
「……成る程。この際なので、まだ教えていない混合魔法を教えます。」
「混合魔法?」
「はい。例えば、王子のファイヤーボールは火の球をイメージしていると思います。」
「そうですね。」
「火に風を合わせると更に火の力は強くなります。ですから、イメージする時には、火と風が合わさるようにイメージします。」
「やってみます。」
俺は火の竜巻をイメージした。
「“火竜巻”!」
俺のイメージ通り、火の竜巻が発動した。
イメージと違ったのはその威力だ。
「何かめっちゃ威力高いですね? 後、めっちゃ魔力持ってかれました!」
俺は肩で息をするぐらい疲れていた。
「2種類の属性同時発動は強力な分、魔力を消費するからね。と言うか、一回で成功させちゃうんだね……。」
師匠は俺が成功したことに呆れていた。
「……成る程〜。修行あるのみですね。因みに師匠は魔法衣の継続時間に、混合魔法は何種類属性を混ぜられますか?」
「私は、魔法衣なら戦闘しながら1時間に、混合は4種類出来るよ。まだまだ王子には負けませんよ。」
師匠はドヤ顔で言ってきた。
「そんな簡単に負けちゃうような人がこの国の筆頭魔法使いなら悲しくなりますよ。」
俺は師匠のドヤ顔がムカついたので言い返してやった。
「……言ってくれますね……魔法を教える前に年上を敬うことを教えましょう!」
師匠の言葉を聞いて……俺の方が歳を足したら人生の先輩なんだけどと思ってしまった。
態度に出ていたのか、俺が悲しい人を見るような目で師匠を見ていたため、何を勘違いしたのか、俺は正座させられた。
……その後、しばらく師匠の説教が続いたのだった。




