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草薙剣

 俺は城の中庭に来ていた。


 今日は、昨日スサノオ神から受け取った草薙剣の力を試すためだ。


 草薙剣の長さは長剣に分類される長さがある。

 俺の今の体では長すぎてまともに振り回すことが出来ない……このままでは。


 俺は草薙剣を手にした時に名前や能力が頭に浮かんだ。

 そして、分かったことだが草薙剣は長さを変えることが出来る。


 俺は短剣程の長さに草薙剣を短くした。


「これでいいですか?」

 アイリスが試し斬りのための俺と同じサイズの丸太を用意してくれた。


「ありがとう。アイリス。少し離れてて。」

 俺はアイリスに丸太から離れるよう告げ、丸太の前に立った。


「……はぁ!」

 俺は袈裟斬りの要領で剣を振った。


 ポトッ!

 丸太は綺麗に斜めに切断された。


「凄い!」

 アイリスは驚きながら褒めてくれた。


「切れ味は良さそうだね。剣の重さも丁度良かったかな。」

 俺は草薙剣に満足し、スサノオ神に感謝した。


 今日からは草薙剣で素振りをやろう。


 生憎、前の世界での武術は、剣道を学校の授業で習った程度だが、神様からもらった前世界の知識から色々な剣術の知識を引き出して修業すれば強くなれると考えた。


「とりあえず、やれるだけ素振りをやろう!」

 俺は黙々と素振りを始めた。


 そんな俺をアイリスは眺めていた。


「ここにいましたか。」

 しばらく素振りをしていたところ、師匠が現れ声を掛けてきた。


「あれ? 師匠どうしたんですか?」

 俺は師匠の下へ近づいた。


「スサノオ神から授った武器をよく見たいと思いまして。」


「草薙剣のことですか?」

 俺は手に持っていた草薙剣の長さを元のサイズへ戻した。


「スサノオ神から武器を賜るとは…王子には驚かされてばかりですよ。」


「……俺以外にスサノオ神から何かを賜った方はいるんですか?」


「……初代倭国国王がスサノオ神から何かを授かったという記述が残されているだけだね。それにしても、その草薙剣とやらからは、凄い力を感じるね。」


 俺以外にもスサノオ神と会話した人がいたんだな。


「そうなんですね。草薙剣は手に馴染んで体の一部のように感じます。」

 師匠は俺の言葉を聞いて羨ましそうな目を向けてきた。


「師匠は草薙剣を見に来ただけですか?」


「? おお、そうだった! これをサクラ王子に渡そうと思っていたんですよ。」

 そう言って、師匠は桜の装飾が施されたブレスレットを俺に手渡して来た。


「師匠これは?」


「サクラ王子の為に作ったネペンテスです。サクラ王子が武器を授かったので、収納出来た方がいいと思いまして。」

 俺は受け取ったブレスレットを右手に着けてみた。


 ブレスレットは俺の手首よりかなり大きかった。


「……師匠。デカイッス!ブカブカで落ちちゃいますよ!」


「そのままならね。私達で魔法を付与しています。装着と念じて下さい。」


 俺は手首にハマるよう念じてみた。


 すると先程までブカブカだったブレスレットが手首にジャストフィットした。


「これ凄いですね。ネペンテスってこんな機能もあるもんなんですね。」

 俺は右手に着けたネペンテスを見ていた。


「それは、王子の為の特別製ですよ。王妃様がデザインなされて、私の特殊属性の次元の収納魔法と変化を付与し、ネペンテスとしての収納力を通常市販されているものの数百倍にし、サイズが自由に変化させられます。また、国王様の特殊属性である時魔法を付与して収納時は時間が停止するようになっているので、食料なども収納出来ます。世界でただ一つのネペンテスです。」


 師匠の説明に俺は言葉を失った。


「……師匠ありがとうございます! 大切にします!」

 俺は師匠に深く頭を下げて感謝した。


「いえいえ。」


「父さんと母さんにもお礼を言ってくる!」

 俺は中庭から王の間に向かった。


「サクラ王子嬉しそう。」

 アイリスはサクラが走り去った方を眺めながら呟いた。


「喜んでもらえて良かったです。」

 シャクヤクもサクラが走り去った方を見ながら微笑んだ。


その後、サクラは直ぐに王の間に居た両親に感謝を伝えた。

お礼は大事ですね。

貰い物をしたら、しっかりお礼を言いましょう。

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