ノイシュバンシュタイン城〜四凶激突〜
昨日はバタバタで更新出来ませんでした(>人<;)
四凶と群がるゾンビ集団の討伐を任されたオロチ(人型)、黄金に輝く竜ファブニール、オロチの姿をしているエルドラド、一つ目巨人サイクロプス。
「俺様がドラゴンゾンビをやる。」
オロチは指を鳴らしながら、ドラゴンゾンビの前へと移動する。
「僕は亀さんにするよ。」
ファブニールは、パタパタと羽をバタつかせながらタートルゾンビへと向かう。
「俺様が虎を狩る。」
エルドラドは、オロチの真似をしながらタイガーゾンビへと近付いて行く。
「余ったクマ太郎か。」
サイクロプスは余り物のベアーゾンビへと向かった。
ドラゴンゾンビを始め、ゾンビ達は言葉を発しないが、呻き声や醜い咆哮を上げていた。
「う〜う〜あ〜あ〜五月蝿い奴らだな。“火龍の息吹”」
オロチは、息を大きく吸い込むと口から炎を吐き出し、火竜の息吹はドラゴンゾンビとその周辺に蔓延っていた下級ゾンビ達を飲み込む。
下級ゾンビ達は、オロチの一撃を受けて身体を燃やされたり消し炭となった。
「少しはスッキリしたな。」
オロチは満面の笑みを浮かべながら、残るドラゴンゾンビと火に耐性の強かったゾンビを見据える。
「ガァーー!」
ドラゴンゾンビは口を開け、オロチへと紫色のブレスを放つ。
「“水龍の咆哮”」
オロチは再び口を開き、ドラゴンゾンビのブレスへと水で作られた龍、水龍の咆哮をぶつけて相殺する。
「少しは楽しめそうだな。」
オロチは八岐大蛇本来の姿に戻り、八つの頭と八つの尾で、ドラゴンゾンビと取り巻き達へと進撃し始める。
オロチが八岐大蛇の姿になったことで、本来なら恐怖を感じることの無いゾンビ達は、オロチの力を感じて恐怖していたのだった。
ファブニールは空を飛び回り、大型の亀タートルゾンビと他のゾンビを見下ろしていた。
「あんまり近付くと危なそうだね、“黄金の風”」
ファブニールは、地上へ降りることなく空中から次々と黄金色の風を降らせ、敵を吹き飛ばす。
「う〜う〜言ってるね。悔しかったらここまでおいで。」
ファブニールは余裕を見せていたが、地上にいるタートルゾンビは、自身の硬い甲羅でファブニールの攻撃を跳ね除け、ダメージを負うことは無かった。
「むき〜! 絶対倒してやるんだから!」
ファブニールは、その後も黄金の風を地上へと降らせ続けた。
「俺様が相手だぜ腐った虎。」
エルドラドは指をクイクイさせ、タイガーゾンビを挑発する。
「ガァーー!」
タイガーゾンビは雷を身体に纏い、素早い動きでエルドラドへとタックルを仕掛ける。
「おっと!? すばしっこいな? この姿のままの方が良さそうだな。」
エルドラドはギリギリで身を躱し、身体に黄金の光を纏う。
「“黄金の大嵐”!」
エルドラドは黄金の風を身に纏い、嵐の様に戦場を駆け回る。
吹き荒れる黄金の強風に下級ゾンビ達は次々に吹き飛ばされていく。
「“黄金の螺旋撃”!」
エルドラドはタイガーゾンビに近付いた瞬間に、黄金の螺旋撃を胴体に叩き込む。
「キャウン!?」
タイガーゾンビは大きく吹き飛ばされ、呻き声を上げる。
「おらおら、こんなもんじゃねぇだろ?」
エルドラドはステップを踏み、豊満な胸を弾ませていた。
「かかって来い毛むくじゃら。」
サイクロプスは自身が作り上げた金棒を片手に持って構え、ベアーゾンビの様子を伺う。
「グァーー!」
ベアーゾンビは両の爪に炎を纏い、サイクロプスへと攻撃を仕掛ける。
「ふん! 中々力があるじゃねぇか。」
サイクロプスは金棒で炎爪を受け止めると、そのまま押し返す。
「“爆発棒”!」
サイクロプスは火属性を纏い、何度も金棒を振り、ベアーゾンビは他のゾンビを盾にすることで爆発棒を防ぐ。
「いつまで逃げられるかな?」
サイクロプスは休むことなく、金棒を振り続け次々とゾンビの数を減らしていった。
こうしてオロチ達は、次々と取り巻きのゾンビを減らし、残すは四凶のみとなる。
「ガァーー!」
ドラゴンゾンビは自身最大のブレスを放ち、八岐大蛇へと勝負を仕掛ける。
「お前の相手も飽きたな。そろそろ終わりにしてやるよ。“八龍の顎”!」
八岐大蛇は全ての頭の顎を開き、魔力を大量に練りこんだ特大魔法を放つ。
放たれた八龍の顎は、ドラゴンゾンビのブレスを軽々と飲み込み、そのままドラゴンゾンビに直撃した。
八龍の顎が直撃した場所は、巨大なクレーターと化していたのだった。
「ホント硬いってやんなっちゃうよ。こうなったら“黄金の炎”からの〜“黄金の氷結”!」
ファブニールはタートルゾンビの甲羅に超高温の黄金の炎を浴びせ、十分に熱した後に超低温の黄金の氷結を放ち、今度は一気に冷却させたのである。
これにより甲羅の強度が一気に低下し、甲羅は音を立てて崩れ落ちる。
「アーー!」
タートルゾンビは甲羅を壊された怒りから、空を飛び回るファブニールに向けて水属性のブレスを放つ。
「ザマァ見ろってんだ! そんなの当たるもんか! “黄金の蒸し焼き”」
ファブニールはタートルゾンビの射線上から回避しつつ、タートルゾンビを囲む様に炎のドームを作り上げたのである。
しばらくしてからファブニールが炎のドームを消すと、湯気を立てて真っ赤になり、ピクリとも動かなくなったタートルゾンビの姿があった。
「亀の蒸し焼き一丁あがり〜。」
ファブニールは鼻歌を歌いながら踊っていたのだった。
「痛い。」
エルドラドは、タイガーゾンビの速さに食らいついていたが、タイガーゾンビが更に速度を上げてしまい、攻撃に追いつけないでいた。
「ガァガァ!」
タイガーゾンビは大量の雷を身体から迸らせ、超高速でエルドラドへと突撃を仕掛ける。
「……調子に乗るなよ。“黄金の壁”!」
エルドラドは自身の前に黄金の壁を作り出し、その壁目掛けてタイガーゾンビは衝突した。
辺りには激しい音が鳴り響き、タイガーゾンビはズルズルと地面に滑り落ち、その頭はペチャンコに潰れていた。
「ふん。速すぎるのも考えものだな。急には止まれないだろ。」
エルドラドは、憐れむ目でタイガーゾンビを見下ろしていたのだった。
「行くぞ毛むくじゃら! “破壊の一撃”!」
サイクロプスは両の手で金棒を頭上に構え、魔力を金棒に注ぎ込み、最大限の力で振り下ろす。
「グァーー!」
ベアーゾンビはサイクロプスの攻撃に合わせる様に、巨大な炎を片手に集めて金棒に叩きつける。
両者の攻撃がぶつかり合うが、サイクロプスの一撃はベアーゾンビの攻撃を押し切り、ベアーゾンビへと直撃し、ベアーゾンビは地面に叩き潰されたのだった。
こうしてオロチ達と四凶の戦闘は、オロチ達の圧勝で幕を閉じ、その瞬間にサクラ達の戦場から轟音と眩い光が溢れ出したのだった。




