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ノイシュバンシュタイン城〜吸血鬼バトル1〜

いよいよ、吸血鬼シャガとのバトルに突入します!

 ノイシュバンシュタイン城の前にて、スナップは護衛のムスカリと共に、部隊の勝利報告を待ちわびていた。


「遅い。まだ終わらんのか!」


「まだそれ程時間は経っていませんよ。」

 一刻も早くこの場から離れたいスナップは、早く部隊が吸血鬼を仕留めて帰還しないかと、苛々を募らせる。


 すると、ノイシュバンシュタイン城の正門が音を立ててながら開き始める。


「やっと帰って来たか!?」


「早過ぎませんか?」

 スナップは部隊が出て来たということは、無事に吸血鬼を討伐し終えたのだと判断し、正門へと駆け寄る。


 ムスカリは、部隊が戻るには早過ぎではないかと疑問を持ちながらも、スナップと共に正門へと駆け寄った。


「「!?」」

 スナップはムスカリの足が止まる。


 それもその筈、正門から現れたのはスナップ達の部隊では無かったからだ。


 スナップとムスカリは、1度目にしている為、見間違えることは無い。


 筋骨隆々の身体に、紫色の皮膚に鋭い犬歯。


「まだ外にゴミ虫が残っていたかというか!」

 吸血鬼シャガは、一歩、また一歩とスナップ達へと近づく。


「……ムスカリ、俺様が逃げる時間を稼げ!」


「む、無茶言わないで下さい!」


「貴様は俺様の護衛だろうが! 命令だ。戦え!」

 スナップは自分の命を守る為に、ムスカリに命を捨てろと命じたのである。


 これにはムスカリも反論するのだが、ここでスナップを見捨てて自分が生き延びても、戻ってから殺されるか指名手配されて、一生日陰者である。


「……くっ。分かりました。」

 ムスカリは渋々、吸血鬼との戦いを了承し、槍を構える。


「俺様とやろうってのか? 面白い。掛かって来い!」

 吸血鬼シャガが腰を落とした瞬間に、スナップはシャガとは反対方向に向かって走り出す。


「は? 逃すかよ。」

 吸血鬼シャガは、一瞬スナップの逃走を理解出来なかった。


 吸血鬼シャガは、地面を力強く蹴り飛ばし、一瞬でスナップの前へと移動して見せた。


「しまった!?」


「な!? は、速い!」

 ムスカリはあっさり吸血鬼に抜かれたことを反省し、スナップはいきなり目の前に現れた吸血鬼に驚かされた。


「逃すわけないだろ。」

 吸血鬼シャガは獰猛な笑みを浮かべながら、スナップを見下ろす。


「ち、ちくしょう! “炎の(フランメ)大過(マールシュトローム)”」

 スナップは吸血鬼シャガに両手を向けて、火属性と風属性による、炎の大過を放つ。


 スナップから放たれた炎の大過は、高音を発し、唸りを上げながら吸血鬼シャガに差し迫る。


「うおっ!?」

 炎の大過が吸血鬼シャガを飲み込んだ。


「ふっ、ふはははははははは! 見たか俺様の力を! 貴様など俺様の敵では無い!」

 スナップは、自身の大技が見事に吸血鬼シャガに命中したことで、テンションを上げていた。


「さ、さすがスナップ様。」

 ムスカリは、スナップは中身はクソでも実力は本物だと改めて認識した。



「……少しはやるじゃねぇか? 少し傷が付いたぞ。」

 炎の大過が収まると、そこには殆ど傷を負っていない吸血鬼シャガの姿があった。


「馬鹿な!?」

 スナップは、あまりの衝撃に後退り腰を抜かす。


「今度はこっちの番だな?」

 吸血鬼シャガの殴打や蹴りが次々とスナップに叩き込まれる。


 吸血鬼シャガは、スナップを痛めつけるのを楽しんでいた。


「がはぁ!? ム、ムスカリ、助け、ろ。」

 スナップは、やられながらもムスカリに助けを求める。


「む、無理だ。俺はまだ死にたく無い!」

 ムスカリは、スナップを見捨てて逃げ出す。


「き、貴様!」

 スナップは地面に這い蹲りながらも、ムスカリに恨みの篭った目を向ける。


「ぎゃーー!?」

 スナップの目には、地面から飛び出した無数の暗い棘に、ムスカリが串刺しにされる姿が映し出された。


「これで残りは貴様だけだな? 死ね。」

 吸血鬼シャガがムスカリを仕留め、最後となるスナップにトドメの一撃を放とうとしていた。


「“炎の一撃(フランメシュラーク)”!」

 炎の弾丸と化して戦場に突如現れた、ストックの炎の一撃が、吸血鬼シャガの一撃を弾き返した。


「……まだゴミ虫が残っていたか。」

 吸血鬼シャガは、トドメを邪魔されたことで怒りを露わにしている。


「だ、誰だか知らんが良くやった。俺様の逃げる時間を稼げ! 貴様は死んでも構わん! 俺様は偉い、俺様の代わりはいないのだ!」

 スナップは、このチャンスを逃すまいと必死にストックへと命令する。


「……お前は両親に似て、屑に育ったんだな。俺はアイツらに捨てられて本当に良かったよ。」


「何のことだ?」

 ストックは憐れむような目をスナップへと送り、スナップを無視して吸血鬼シャガへと向かい合う。


 少し遅れて、サクラ、アイリス、カトレア、アカンサスも辿り着いた。


「貴様らゴミ虫数人増えたところで、俺様の敵では無い!」

 吸血鬼シャガが闇属性を身体から溢れさせ、自身の力を見せつける。


「ゴミ虫かどうか試してみろよ。それに、まだいるぜ?」

 サクラ達の側に、オロチ、ファブニール、エルドラド、サイクロプスが姿を現わす。


「何だと!? くそっ! 俺様はこんなところでやられる訳にはいかない! 出でよ我が配下の四凶達よ!」

 吸血鬼シャガが呼び出したのは、腐敗した身体を持つもの達、ドラゴンゾンビ、タイガーゾンビ、ベアーゾンビ、タートルゾンビである。


 ドラゴンゾンビ達の討伐ランクは、Sランクに指定される程の強力な個体である。


 更に多くの下級、中級のゾンビ種達もノイシュバンシュタイン城から湧いてくる。


「オロチ達は、ドラゴンゾンビらを頼む!吸血鬼は俺達で倒す!」

 サクラの号令により、吸血鬼とのバトルが始まろうとしていた。

サクラ達は、吸血鬼シャガと四凶を倒すことが出来るのか?

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