ハプスブルク王国〜バイエルン村〜
昨日は、更新出来ずすみませんでしたm(_ _)m
ほぼゼロ睡眠のため、執筆出来ませんでした(>人<;)
今回からストック編に突入します!
ミノア王国での激闘を制したサクラ達は、アカンサスの家族に挨拶を交わし、次の目的地であるハプスブルク王国へ向けて、移動を開始した。
「ハプスブルク王国は、ストックの出身地だったよな? どんなところなんだ?」
サクラはストックへ目を向け、これから向かう国について尋ねる。
「……。」
ストックは何処か上の空であり、サクラに返事をせずに呆けていた。
「ちょっと、ストック聞いてるの?」
アカンサスは肘でストックの脇腹を小突き、ストックの顔を覗き込む。
「え? ああ……何だっけ?」
ストックは小突かれたことで意識を覚醒させられると、目の前にアカンサスの顔があったことに驚き、話を聞いていなかった為、問い返した。
「調子悪いのか?」
サクラはストックの様子が変な事が気になり、横へと並んだ。
「大丈夫大丈夫。」
ストックは笑顔で応える。
「ハプスブルク王国ってどんなところなんだって聞いたんだけど?」
サクラはストックが空元気なのが気になったが、本人が大丈夫と言っているので、問い詰めるのを止めて、再び質問することにしたのだ。
「あんま良い国じゃないよ。特に王都に居る貴族は、領民に重い税を課して私腹を肥やしてる最低な国だ。まぁ観光するには良い所だよ。緑豊かな所だし、ワインとフランクフルトは絶品だ。」
ストックは初めは暗い顔をしながら小さい声で答え、最後の方は声を明るくして笑顔になっていた。
「そうなのか。……そんな貴族居なくなれば良いのにな。」
「……そうだな。」
「……ストックはハプスブルク王国の何処で過ごしていたんだ?」
ストックに国や貴族の話はあまり良い思い出がないようなので、サクラは話題を変えることにした。
「ん? バイエルン村って田舎村だよ。」
「何処ら辺にあるんだ?」
「ここから西に行ったところだ。」
「寄って行こうぜ!」
「良いのか? 王都はここから北側だぞ。」
ストックは故郷に顔を出したいと思ったが、わざわざコースから外れた所にある、自分の故郷にみんなを連れて行くのは申し訳ないと思った。
「まだ王都に行くには早いからな。ストックの故郷も見てみたいし。」
「私も見てみたい!」
サクラの案にアカンサスも乗っかり、他のみんなもストックの故郷に寄ろうと賛成してくれたので、一同はストックの故郷であるバイエルン村を目指したのである。
それから二日後に、サクラ達はストックの故郷であるバイエルン村へと辿り着いた。
「へぇ〜、空気も良いし、緑豊かな良い所だな!」
「……懐かしいな。」
サクラ達は、周囲を物珍しそうに見ながら村の中を歩く。
ストックを先頭にして村の中を突き進み、ストックは一軒の民家の前で立ち止まった。
「ちょっと待ってて。」
ストックはサクラ達へ一声告げると、民家の玄関を開けて、中へと入って行った。
ストックは家の中に入ると、迷う事なくリビングへと通じる扉を開けた。
「ただいま。」
「「ストック!?」」
ストックがリビングで寛いでいた、60代の男性と女性に声を掛けると、二人は驚いた表情を浮かべた。
「マティオラさん、ラセイタさん。お久しぶりです。」
ストックがマティオラと呼んだのが筋骨隆々の身体つきをした男性で、ラセイタと呼んだのはエプロン姿の女性である。
「おかえりなさい。」
「どうしたんだストック? 学校はどうした?」
ラセイタは優しくストックへ言葉を送り、マティオラはいきなりストックが現れた為、どうしたのか気になっていた。
「学校の行事みたいなもんで、各国を旅行中ってところだよ。」
ストックは簡単に、ここに居ることの説明をした。
「そうか。ゆっくりして行け。」
「みんなも家に招待していいかな?」
「学校の友達? じゃあお茶菓子用意するわね。」
ストックは二人から了承を得ると、サクラ達の元へ戻り、みんなを中へ案内した。
「ストックがいつもお世話になっています。私はマティオラです。」
「ストックと仲良くしてくれてありがとうございます。私はラセイタです。」
サクラ達は家の中へ案内され、マティオラさんとラセイタさんから自己紹介を受けたので、各々自己紹介したのである。
「マティオラさん達は、ストックの両親?」
アカンサスは、マティオラとラセイタの言動に違和感を感じ、ストックに二人が両親なのか質問したのである。
「……両親だよ。俺ちょっと部屋行ってくるわ。」
ストックは足早にリビングから出て行った。
サクラ達がストックを見送ると、マティオラが口を開く。
「私達は、ストックの生みの親では無いのよ。」
「まぁ小さい頃から一緒に過ごしているがな。」
マティオラとラセイタは、心苦しそうにサクラ達へ教えてくれた。
「えっと、ストックの御両親は?」
アカンサスが聞いていいものか悩んだが、ストックのことをもっとよく知りたい気持ちの方が大きく、マティオラとラセイタに尋ねたのだ。
「……ストックの両親は王都にいる。詳しくは本人の口から聞いてもらえるかな。」
「……そうですか。分かりました!」
マティオラは、申し訳なさそうな表情を浮かべながらアカンサスの問いに答え、アカンサスはその答えに納得していた。
その頃、懐かしい自宅のベッドの上に寝転んだストックは、昔のことを思い出していたのだった。
ストックの過去とは!?




