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旗取りゲーム〜最終バトル後編〜

最終バトル

セリ元帥VSサクラ&アイリス

 カトレアとクローバーが中将との戦闘に突入した頃、サクラとアイリスもセリ元帥との戦闘に突入していた。


「行くぞ! “火風雷形態(スリーフォーム)”!」


「“雷光(エクレール)(アルミーニュ)”!」

 サクラとアイリスは魔法衣を身に纏い、高速でセリ元帥目掛けて突き進む。


「“水天の鎧(ネロ・ウラノス)”!」

 セリ元帥は水属性と風属性を身体に纏い、迎撃態勢に入った。


「来い! “氷河空斬(パゲトン・ウラノス)”!」

 セリ元帥は武器に水属性と風属性を付与し、氷の斬撃を放つ。


「“炎の刃(フレイムブレード)”!」


「“炎の盾(フラムブクリエ)”!」

 サクラは草薙剣に炎を纏い氷河空斬を斬り伏せ、アイリスはマルスの盾に炎を纏って防ぐ。


 サクラとアイリスは、武器の届く間合いに入り、セリ元帥を挟む様に位置どり、攻め立てる。


「“雷炎突き(サンダーブラスト)”!」


「“雷光断(エクレールクーペ)”!」

 サクラとアイリスは同時攻撃を放つが……。


「“防御円(キュクロス)”! はぁ! “超突風(プエノー)”!」

 セリ元帥は巧みに武器を操り、サクラとアイリスの武器を弾き返し、更に超突風のカウンターを放ったのである。


「俺とアイリスの攻撃を捌ききるのか。」


「流石に強いね。」

 サクラとアイリスは、セリ元帥を強敵と認め、気合いを入れ直して、再びセリ元帥に攻撃を仕掛ける。


 セリ元帥も二人の実力がこれ程とは思っていなかった。


「……これ程の力が有ったとはな。うちの大将達に匹敵する。」


「そっちの大将なら倒し終えたぞ。後は貴方を倒せばこちらの完全勝利だ!」


「私達を甘く見過ぎですよ。」


「何だと!? アイツらめ。……だが、貴様らはここで終わりだ!」


 言葉を交わしながらも、サクラとアイリス、セリ元帥の戦いは続いており、2対1でありながら、サクラとアイリスは押し切れないでいた。


「完全勝利とほざいていたが、こんなものか?」


「……強い。」


「ペチュニアさん並みです。」

 セリ元帥はSランクだが、限りなくSSランクに近い実力を有しており、未だ戦場で戦う猛者であり、サクラとアイリスにとっては格上の相手だった。


「時間も残り少ないな。終わらせてやる。」

 セリ元帥はサクラとアイリスが敵の主力と見て、二人を倒せば自軍の勝利だと確信していた。


 何故なら、サクラとアイリス以外にも実力者や戦える者が残っていれば、この最終決戦の場に現れる筈だからだ。


 この二人を倒し、攻めて来た者達を殲滅してから、敵陣の旗を奪おうと考えたのである。


「終わりだ! “銀の世界(アルギュロス)”!」

 セリ元帥は光属性、水属性、風属性を武器に付与して、斬撃を放つ。


 放たれた斬撃は、突風を巻き起こし、小さな氷の結晶が冷たく光輝きながら、サクラとアイリスに迫る。


「不味い!? “風炎結界(フェーンバリア)”!」

 サクラは直ぐに風属性と火属性の結界を張り、魔力を大量に上乗せして、セリ元帥の銀の世界を防ぐことに成功したが、サクラの展開した炎の結界は音を立てて崩れ去った。


「よかっ!? なっ!?」

 サクラがセリ元帥の銀の世界を防いだことを喜んだ瞬間に目にしたのは、セリ元帥が二撃目を放ち終えた姿だった。


「サクラは私が守る! “灼熱の盾(アルダン・ブクリエ)”!」

 アイリスは、セリ元帥が一撃目から二撃目を放つ動きをしていたことに気が付き、直ぐ様マルスの盾に火属性を付与して、サクラの前に飛び出したのである。


「アイリス!? くそっ!」

 サクラが叫び声を上げながら、アイリスに手を伸ばすが、セリ元帥の銀の世界がアイリスの灼熱の盾と衝突し、周囲に激しい余波が飛び散る。


 銀の世界の猛威が止み、アイリスは自身の立っていた位置からかなり後退させられ、大量の汗を流しながら肩で息をしている状況だった。


「アイリス大丈夫か!?」


「はぁはぁはぁはぁ、だ、大丈夫だよ。サクラも怪我は、無い?」

 サクラがアイリスに駆け寄り声を掛けると、アイリスは自身のことよりサクラの身を案じていた。


「ああ、アイリスのお陰で無事だよ。……ありがとう。少し休んでてくれ。」


「……うん。」

 サクラはアイリスの頭に手を乗せて、優しく声を掛けると、怒りの眼差しでセリ元帥を睨み付けた。


「アレを喰らってまだ戦えるのか。だが、フラフラじゃないか?」


「“五行形態(ファイブフォーム)”!」

 サクラは火水風雷土の五属性を身体と草薙剣に纏い、

 地面を強く踏み込み、セリ元帥の元へと一気に駆け出した。


「“最高の鎧(イペロコロス)”!」

 サクラの五行形態を見たセリ元帥は、自身も水風光の三属性を身に纏いう。


 二人の攻防は凄まじく、超高速での戦闘が繰り広げられる。


「はぁーー!」


「おおーー!」

 互いの武器ぐ何度もぶつかり合い、その度に轟音が鳴り響く。


 二人のせめぎ合いが暫く続き、サクラの残り魔力が少なくなり、五行形態を維持出来なくなる。


「そこだーー!」

 セリ元帥の一撃を草薙剣で受けたサクラは、アイリスの近くまで吹き飛ばされ、五行形態が解除された。


「サクラ!?」

 アイリスはサクラの元へと駆け寄ると、サクラを抱き起こす。


「つぅ〜。ヤバイな。魔力が残り少ない。」

 サクラは自身の身体に、残りの魔力が少ないことを感じていた。


「今度は私が。」

 アイリスがセリ元帥に一歩を踏み出すと、サクラがアイリスの手を引いた。


「セリ元帥の魔力もかなり少ない筈だ。あっちも魔法衣を維持出来てない。次で決めるぞ!」


「分かった。」

 サクラとアイリスは、セリ元帥と向かい合う。


「ふぅ〜。ここまでやるとは予想外だった。次で楽にしてやる。」

 セリ元帥はサクラ達の力を認め、最強の技でトドメを刺す為に、残りの魔力を掻き集める。


「最後だ! “銀の世界(アルギュロス)”!」

 再びセリ元帥は銀の世界を放つが、今度は二撃目を放つつもりは無く、一撃に全てを掛けて放った為、自身の勝利を確信していた。


「やるぞアイリス!」

「行くよサクラ!」


「「“星火燎原(せいかりょうげん)”!!」」

 サクラとアイリスは互いの手を繋ぎ、空いている手をセリ元帥に翳し、残りの魔力全部を注ぎ込み合体魔法を放つ。


 アイリスは残りの魔力全てを光属性で放ち、サクラは全ての魔力を火属性で放ち、二人の光と火が混ざり合う。


 二人の手から放たれようとしていた光は、夜空にある星の様に小さかったが、放たれた後に徐々に強大になり、真っ赤な炎を纏った光は、まるで太陽の様に見え、岩山を焼き焦がしながら突き進む。


「「いっけーー!!」」

 サクラとアイリスが願いを込めて叫びを上げ、星火燎原は、銀の世界を跳ね除ける。


「馬鹿な!? くそっ!」

 セリ元帥の所で星火燎原が大爆発を起こした。


 大爆発により、砂埃が辺り一帯に充満し、セリ元帥の姿を確認出来なかった。



「「……。」」


「だ、大丈夫かな?」


「……やり過ぎた。」

 二人はセリ元帥に勝ちたい気持ちが強く、自分達の魔法がこれ程になるとは思ってもいなかった。


 サクラ達アイリスがあたふたしていると、聞き慣れた声が聞こえて来た。


「お前らやり過ぎだ!」

 サクラとアイリスが声の方に目を向けると、ハルジオン先生だけでなく、ネモフィラ先生やケイトウ国王、救護班の人達の姿があった。


「ハルジオン先生!?」


「俺らが来てなかったら、セリ元帥が危なかったぞ。」

 ハルジオン先生が言い終えると、砂埃が晴れてセリ元帥の姿を確認することが出来た。


「まさかセリ元帥もやられるとはな。見下してすまなかったな。」


「いえ。セリ元帥の力は素晴らしいものでした。ただ、魔人を倒す為には今のままではいられませんね。」


「そうだな。」

 ケイトウ国王は自身の自惚れを反省した。



「よくやったぞ!」

「お疲れ様。」

 ハルジオン先生とネモフィラ先生から労いの言葉を受け、サクラとアイリスは笑顔で頷き合う。


 こうして旗取りゲームは、サクラ達チームの完全勝利で幕を下ろし、サクラの狙い通り、ケイトウ国王とセリ元帥、大将らは心を入れ替えて、訓練に励む様になったのだった。


やっと、アカンサス編を終えられました(^◇^;)

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