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旗取りゲーム〜最終バトル前編〜

前編は中将との戦い。

後編でセリ元帥との戦いとなります。

 サクラの作戦は、グズマニア大将、ブルースター大将、タンジー大将との戦闘で疲労している、ストック、アカンサス、リンドウとウメ、ボタンとデイジーには、周りの敵兵排除を指示した。


 カトレアとクローバーについては、疲労はあるが他のメンバーより軽いため、中将との戦闘を任せ、殆ど疲労の無いサクラとアイリスでセリ元帥を倒すと決めたのである。


 予定通り、一斉に敵本陣に攻撃を開始したサクラ、アイリス、カトレア、クローバーは敵兵を一気に駆け抜けて、仲間に敵兵を任せ、セリ元帥と中将を目指した。



「見えた! カトレア、クローバー! 横の中将は任せたぞ!」


「頑張って!」


「任せて下さい!」


「私達が加勢するまで、負けるんじゃないわよ。」

 サクラ、アイリス、クローバー、カトレアは言葉を交わし終えると、更に加速して、セリ元帥と中将へと突撃したのだった。


「ふん。2対1なら勝てるとでも? ミノア王国軍元帥の力を甘く見るなよ!」


「手加減はしません!」

 セリ元帥は上下に刃物が付けられ、中央部が持ち手になっている変わった武器を構え、中将は短槍と盾を構えて迎え撃つ。




「やぁーー! “炎の一閃(リアマフラッシュ)”!」

 カトレアは火属性と光属性を身に纏い、更にマリアの薙刀に火属性を付与した一閃を中将に繰り出す。


「“土盾(ゲー・アスピダ)”!? これは、中々威力がありますね。」

 中将は盾に土属性を付与し、カトレアの炎の一閃を防いだが、自身が思っていたよりもカトレアの一撃が強力だったことに驚いていた。


「それはどうも。」


「“風突撃(ヴァンアソー)”! 」


「“土柱(キーオーン)”! 危ない危ない。」

 クローバーは間を置かずに、自身に風属性を纏い、盾に風属性を付与して突撃したのだが、中将は足下の土を柱の様に伸ばし、クローバーの突撃を回避してみせた。


「次はこちらから行きますよ! “炎の槍(フロガロンヒ)”!」

 中将が短槍に火属性を纏い、クローバーに鋭い突きを放つ。


「“風岩の盾(エメロード)”! よし!」

 クローバーは直ぐにタイタンの盾に風属性と土属性を付与し、中将の炎の一閃を防ぐ。


「まだまだ! “炎の盾(フロガアスピダ)”」

 中将は空かさず短槍を引っ込め、反対の手に持つ盾に火属性を付与し、油断したクローバーへと突撃を繰り出す。


「うわぁ!?」

 クローバーはバランスを崩して転倒してしまい、好機と見た中将が、今度は盾を下げて短槍で突き刺そうとした。


「終わりだ!」


「“輝閃(ブリジャル)”!」

 中将の短槍をカトレアが光属性を付与した一撃で弾き返し、クローバーのピンチを切り抜ける。


 カトレアの邪魔が入った中将は、一先ず間合いを取り、その間にクローバーとカトレアも態勢を立て直した。


「ありがとう助かったよ。」


「いいのよ。それより、かなり強いわね。他のとこの中将とは段違いよ。」


「確かに。でも、大将クラスよりは下ですね。」


「残り時間も短いし、次で決めるわよ。」


 カトレアとクローバーは、大技を放つ為の準備に取り掛かる。


「受けて立とう。」

 中将も自身の大技で、カトレアとクローバーを仕留めるつもりでいた。


「“業火隕石(メテオロリティス)”!」

 中将は、自身の大半の魔力を消費する程の火属性と土属性を合わせた大技を放つ。


 巨大な岩が激しい炎を纏いながら、高速でカトレアとクローバーへ迫る。


「「“火樹銀花(かじゅぎんか)”!!」」

 クローバーが銀白色の輝きを放つタイタンと同様の硬質性を持つ巨大な塊を作り出し、カトレアが真っ赤に燃える炎でその塊を包み込み、中将の放った業火隕石に向けて、放つ。


 奇しくも似たような技同士がぶつかり合う。


 激しい衝突音と振動が辺りに伝わり、徐々に中将の放った業火隕石の形が崩れ始める。


「何だと!?」

 中将が自身の大技が押し負けていると感じた時、遂に中将の魔法は、カトレアとクローバーの火樹銀花に破壊される。


「くそっ! “溶岩の壁(ラヴァ・トイコス)”!」

 中将は残りの魔力を全て注ぎ込み、火属性と土属性の壁を自身の前に展開する。




 ドガァーーン!!



 火樹銀花と溶岩の壁がぶつかり、再び辺りに轟音が鳴り響くと共に、銀白色の塊は炎を帯びたまま細かく飛び散り、花火の様な光景が広がる。



 視界の晴れた先には、粉々に砕け散った火樹銀花と仰向けに倒れる中将の姿があった。


「……もう動けないな。」

 中将は溶岩の壁により、火樹銀花の直撃を防げたが、ダメージが大きく、全ての魔力を消費していた為、戦闘不能の状態となっていた。




「ふぅ〜。お疲れ様。」


「はぁはぁはぁ。お、お疲れ。」

 カトレアとクローバーはお互いを労い、カトレアが手を差し出すと、両膝に手をついて呼吸を整えていたクローバーは、カトレアの手を握り返した。


「サクラとアイリスの加勢に行くわよ。」


「そうですね。」

 カトレアとクローバーがサクラ達の戦場に目を向けようとした。


 その瞬間、サクラ達の戦場から轟音と振動が伝わる。


「急ぐわよ!」


「了解です!」

 カトレアとクローバーは、サクラ達の下へと走り出したのだった。



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