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ミノア王国〜旗取りゲーム〜

遅くなりましたが本日分です(^◇^;)

 サクラ達は、ミノア王国国王との面会の日を迎え、王城へと足を運んでいた。


「よーーし。全員揃ってるな。」

 余談ではあるが、サクラ達はメンバーの故郷に立ち寄ったりしながら、目的地を目指しているが、クラスメイト達は寄り道や危険な道は通らずに、目的地目指して移動しているのだ。


「そろそろ予定の時間ですね。」

 ネモフィラ先生の言葉を受けて、サクラ達一同は王の間へ移動を開始したのである。


 煌びやかな椅子には、豪華な衣装を纏ったダンディーな赤色のモヒカンをしたオジ様が腰を下ろしていた。


 玉座の前で全員が跪き、ハルジオン先生が口上を述べた。


「うむ。儂がミノア王国の国王、ケイトウである。」

 ケイトウ国王は、サクラ達の訪問を面倒と思っており、見下すような目をサクラ達に向けていた。


 ハルジオン先生とネモフィラ先生が魔人の襲撃、魔神の復活、魔人崇拝教団の存在について、ケイトウ国王に申し立てた。


「ふむ。……魔人の脅威か。しかし、お主ら学校の者らが魔人を倒せたのであれば、我が国の軍なら余裕で倒せただろう。どんな魔人が来ても我が国の軍なら魔人など脅威では無いな。」

 ケイトウ国王は、自軍に絶大な自信を持っており、サクラ達の力をバカにしていたのである。


「お言葉ですが、魔人の力は危険です! 甘く見てはいけません! 過去の魔人襲撃では我々人間は負け続けていたのですよ。」

 ハルジオン先生は、国王に対して失礼であることは百も承知であるが、言わずにはいられなかった。


「たかだか学校の教師風情が偉そうに。そこまで言うなら、さぞお主らの生徒は優秀なのだろうな。」

 ケイトウ国王は、ハルジオン先生の言葉に更に機嫌を悪くしていた。


「私の生徒達は優秀です!」

 ハルジオン先生は、ケイトウ国王の言動が頭に来ていた為、ムキになって言い返した。


「そこまで言うなら、その力見せてもらおうか。」

 ケイトウ国王は、不敵な笑みを浮かべて玉座の横に立っていた、50歳くらいの屈強な身体付きをした薄緑色の髪と瞳をした男性に目配せした。


「なにを?」

 ハルジオン先生は不安な顔を浮かべる。


「ここからは俺が説明する。俺はミノア王国軍元帥のセリだ。我が軍とそちらの生徒200人で試合をさせてもらう。」

 セリと名乗った者は、ミノア王国軍のトップであり、ケイトウ国王と同じようにサクラ達を見下した目で見ていた。


「試合?」

 サクラもこの場のやり取りに不安を募らせていた。


「試合の内容は、タンジー大将からしてもらう。」

 セリ元帥は自身の横に立つ、黄色の短髪と黄色の瞳をした30歳代の男性に目を向けた。


「ミノア王国軍大将のタンジーです。私から今回の試合のルールを説明させていただきます。試合内容は、旗取りゲームです。人数は200対200。会場はミロス島の裏手にある離れ小島全域です。試合時間は一時間です。武器と魔法あり。殺すのは無し。戦闘不能になった者は、島の中央で試合終了を待つか、救護班が駆けつけることになっています。各チームに20本の旗を配ります。本陣には大旗を設置して下さい。残った旗は別々に設置してもいいですし、全て本陣に設置してもいいです。旗は必ず地面に突き立てて下さい。大旗は10点、その他の旗は1点となります。相手の旗を奪い、自身の本陣に持ち帰り、地面に突き立てれば点数となります。全ての旗を奪うか、試合終了時に点数の多いチームが勝利となります。」

 タンジー大将には、ケイトウ国王やセリ元帥のようなサクラ達を見下すような態度は見られなかった。


 タンジー大将は丁寧にサクラ達に、旗取りゲームのルールを説明したのである。


 この旗取りゲームには、個の力だけでなく、チームプレーや戦術が重要であり、魔人と戦う上で必要な能力を高められるものだった。


 サクラ達は直ぐに、この旗取りゲームの難しさを理解したが、クラスメイトの大半は、「旗を取ればいいのか?》「そんなに難しくなさそうだね。」などとお気楽な考えの者が多かった。


「試合開始は明日の正午とする。現地集合だ。負けるからって逃げ出すなよ。」」

 セリ元帥の馬鹿にした言葉を最後に、サクラ達は王城を後にした。


 サクラ達一同は、明日の試合に向けての作戦会議をするために、広場へと移動したのである。


「なんなんだこの国は!?」

 広場に着くなり、ハルジオン先生は先程の王の間でのやり取りに対する愚痴をこぼした。


「落ち着いて下さい、ハルジオン先生。生徒の前ですよ。」


「分かっちゃいるが、あの見下すような態度。……許せん。」

 ネモフィラ先生がハルジオン先生を宥めようとするが、ハルジオン先生の怒りは収まりそうにない。


 生徒達も馬鹿にされた態度には気が付いていた為、ハルジオン先生と同じ気持ちだった。


「……ハルジオン先生。」

 サクラはハルジオン先生に近付き、手を差し出したのである。


「サクラ?」


「この国の軍の奴らに、俺達の力を見せつけてやりましょう!」

 サクラの差し出した手を、ハルジオン先生は握り返し二人は力強い握手を交わした。


「いいかお前ら! 絶対に勝て! お前らの力で奴らを蹴散らせ!」


「おおーー!」

 ハルジオン先生の大声に呼応するように、クラスメイト達は、拳を天に突き上げて大声を上げた。


 この後、サクラとデイジー主導で明日の作戦会議が行われたのだった。

ケイトウ=花言葉 おしゃれ、気取り、風変わり

誕生花 8月24.29日.9月5日。


セリ=花言葉 清廉で高潔

誕生花 1月7日.1月11日。


タンジー=花言葉 あなたとの戦いを宣言する、抵抗

誕生花 8月12日.11月7日。

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