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鍛治神ガイアを納得させろ!

お昼食べてて投稿忘れてました(^◇^;)

 アカンサスは、家に戻ると食卓でフラッペを飲んでいたハアザミに事の経緯を説明した。


「そんなことがあったのか。なら、儂の仕事場で作ると良い。」

 ハアザミは、飲んでいたフラッペを卓上に置き、真剣な表情をしていた。


 ハアザミに案内され、サクラ達はハアザミの仕事場へ向かったのである。


「道具や材料は好きに使って良いぞ。……ガイア様の期待に応えるんだぞ。」

 ハアザミは助言や補助をせずに、場所や物を提供して

 家に帰ってしまった。


「なぁお前の爺ちゃん、世界でもトップクラスの鍛治職人なら、手伝ってもらった方がいいんじゃねぇのか?」

 ストックがハアザミが出て行った扉を見ながら、アカンサスへと声を掛けた。


 ストックの言うことは最もであり、アカンサスの技術は、ハアザミにまだまだ追い付いてはいない。


「それじゃダメ。これは私がやらなきゃダメなんだよ。優秀な鍛治職人は、物を見れば誰が作った物かなんて直ぐに分かるものなのよ。ハアザミ爺ちゃんに手伝ってもらったら、絶対ガイア様にも分かるわ。」

 アカンサスは、この試練は自身の力で乗り越えなければならないものだと感じ取っていた。


「みんなは、暇になっちゃうだろうから観光してて。」

 アカンサスは、笑顔でサクラ達に振り返った。


「……う〜ん。分かった。後でご飯持って来ようか?」

 アカンサスが鍛治に集中出来るように、サクラ達はここから出ることにしたのだ。


「ありがとう! 助かるわ。」

 アカンサスは返事をすると、直ぐに道具を集めだしていた。


 一人、部屋に残ったアカンサスは、黙々と鍛治神ガイアを納得させられる品を作り上げようと作業に集中した。



 作業場には、かなりの熱気と金属の臭いが充満していた。


 アカンサスは身体中から汗を流し、必死にガイア神に認められる品を作ろうと頑張っていたのである。


「……出来た。」

 アカンサスは、自身で使う武器である斧を作り上げたのだ。


 アカンサスの作り上げた斧は、断ち切るようの物ではなく、完全に叩き潰す仕様であり、今まで使用していた斧よりも最高品質の高級な材料を使用しており、格段に威力や強度が上がった物が出来上がった。


「……なんだろう。これじゃダメな気がする。」

 アカンサスは出来上がった斧を壁に立てかけて、再び製作に取り掛かった。


 間違いなくアカンサスが作り上げた斧は、店頭に並んでいれば最高額の武器として売りに出される様な物である。


 しかし、アカンサスはこの斧では満足いかず、その後も延々と製作に没頭する。



 暫くして、ミロス島の観光をしていたサクラ達がアカンサスのご飯を買って戻って来たのだった。


「お疲れ様。頑張ってるな。お!? この斧凄いな!」

 サクラ達はアカンサスに労いの言葉を掛け、サクラは壁に立てかけてあった斧を目にして感想を漏らした。


「差し入れありがとね。う〜ん。その斧はかなり頑張って作ったんだけど、これじゃダメな気がするのよ。」

 アカンサスは、サクラ達が持って来た飲み物を飲みながら、一旦休憩を取った。


「そうかのか? まだやるんのか?」


「ごめんね。遅くまでやってると思うから、観光終わったら、うちで休んでて。」

 サクラの言葉にアカンサスは答え、制作の続きに取り掛かろうと動き始めた。


 サクラがみんなの顔を見合わせて、どうするか悩んでいるとストックが口を開いた。


「仲間が頑張ってるんだから、一緒に頑張るのが仲間だろ? ここにいて何か手伝えることもあるだろうし、邪魔じゃ無かったらここに居てもいいか?」


「え? ……ありがとう。でもこの部屋、暑いし、金属臭いし。」

 ストックの言葉に、アカンサスはかなり嬉しかったが、気が引けていたのである。


「そんなん気にならねぇよ。んで、何を作ろうか決まってんのか?」


「……そっか。斧は一本作ったけど、まだ決まってないのよね。」


「うーん。なら、俺の防具作ってくれよ! ボロボロなんだよ。」

 ストックの問いに、まだ考え中だったアカンサスが答えた為、ストックはボロボロになった防具をアカンサスに作ってもらおうと考えたのだ。


「……ストックの防具を? 私が?」

 アカンサスは、ストックの防具を自分で作り上げてみたい気持ちに駆られた。


「ああそうだ! ダメか?」

 アカンサスが直ぐに了承しなかった為、ストックは流石に無理かと諦めようとした。


「うんうん。全然オッケーだよ。宜しくね。」

 アカンサスは、笑顔でストックに答えた。


 こうして、アカンサスはストックの防具を作り始めることとなる。


 ストックや他のメンバーも道具や材料を運んだり、出来ることを手伝った。


 恐らくこの中でアカンサスは、誰よりもストックの戦闘を見てきた。


 剣などよりも、更に相手の懐まで近付く戦闘スタイル。


 故にアカンサスはストックの防具で大切なものは、軽くて丈夫であり、戦闘の妨げにならないことだと分かっていた。


 アカンサスは、ストックの命を守りたいと、想いを込めながらストックの防具を完成させたのだった。


「……完成よ。身に付けてみて。」

 アカンサスからストックへと防具が手渡された。


「スッゲェーーいいよ! 軽いし、動きの邪魔にならない!」


「良かった。強度も前の物より、かなり上がってるわよ。」

 ストックが気に入ってくれたことで、アカンサスも満足した。


「なぁアカンサス。鍛治神ガイア様に見せる品は、どうするんだ?」


「大丈夫よ。今の私に出来る最高の物が出来たから。今から行ってもいいかな?」

 ストックの問いにアカンサスは答え、もう日も暮れる頃だが、このまま鍛治神ガイアのところへ行ってもいいかサクラ達に尋ねたのだ。


「勿論。」


「ありがとう。」

 サクラ達が頷くと、アカンサスは制作して立てかけて置いた斧を手に持った。


「アカンサスなら、絶対大丈夫だ。こんな凄い防具作れんだからよ。その斧だってきっとガイア様に認めてもらえる。」


「ありがとうストック。」

 ストックの言葉に、アカンサスは頬を赤く染めて照れながらも、御礼を口にした。


「お、おう。は、早く行こうぜ!」

 ストックは、アカンサスの様子に胸がドキッとしてしまい、動揺してしまった。


 こうしてアカンサスは作り上げた物を、鍛治神ガイア様に見てもらうために、再びフランクティ洞窟へと向かったのだった。

次回、アカンサスは鍛治神ガイアを納得させられるのか!?

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