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異世界転生

「オギャーオギャー!」


「……無事に産まれてくれたか。キクお疲れ様。」

 豪華な和装に身を包んだ、桜色の短髪をした、黒い瞳の20歳くらいの男性が安堵した様子で言葉を発した。


「リュウオウ様、キク様。元気な男の子ですよ。おめでとうございます。」

 高齢の女性が、仰向けの黄色い髪に、黄色の瞳をした20歳くらいの女性に、喜びの言葉を掛けた。


「元気に産まれてきてくれてありがとう。サクラ。」

 仰向けになって、出産を終えた女性が、微笑みながら産まれた我が子を見ていた。



 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 ……ここはどこだ?


 俺は確か、電車に飛び込もうとした女の子を助けに入って…


「気が付いたかなぁ?」

 俺の前には、神々しい雰囲気のある美人な女性が背中に翼を生やして立っていた。


「……ここどこですか? あなたは誰ですか? 俺って今どーなってるんですか?」

 俺は目の前の美人な女性に、今の状況を尋ねた。


「私はあなたのいた世界を管理している神です。あなたは死ぬはずだった女の子を助けて、変わりに死んでしまったんですよ。」

 神様は俺の質問に答えてくれた。


 俺は、やっぱり死んでしまったのか。


  目の前の人は、雰囲気通り神様なんだな〜と考え、次の質問をすることにした。


「あの子は助かりましたか?」

 神様は俺の質問に対し、

「あなたのおかげで無事に生きていますよ。」

 と微笑んで答えてくれた。

 あの子が無事なら、俺の死も無駄じゃなかったと思えた。


「俺はこの後、天国か地獄に行くんですか?」

 ……いや、聞いといてなんだが、地獄に落ちるようなことはやってない筈だ……気に食わない上司のお茶出しの時に、出涸らしの茶(でがらしのちゃ)を出したり、汚い雑巾で机を拭いてあげたりしたが、そんな事で地獄に落とされたら悲しすぎるだろ。

 ……今のは墓場まで持って行くつもりだったから、無事に持って来れたのか?


「基本的に亡くなった方は、天国か地獄に行きますね。で・す・が、あなたの様に他人の命を助けて命を落とした者には、別の選択肢が与えられます。別の世界に転生し、第2の人生を歩まれますか?」

 俺は神様の言葉に驚いた。

 天国に行くどころか、転生させてくれるんですか!?


「生き返れるんですか?」

 俺の言葉に神様は、

「あなたが居た世界に生き返ることは出来ませんが、別の世界で1から生きていくことが出来ます。」


 俺はその言葉に迷うことなく

「別の世界に行きます!」

 と、言葉を返した。


「……早い返事ですね。それではあなたには、別の世界に転生してもらいます。その世界では魔法があり、魔物もいますので、あなたの居た世界とは大分異なります。あなたの世界で言うファンタジーの世界ですね。」

 ゲームの世界みたいなもんかと俺は考えた。


「今回は特別に、可能な範囲で一つ願いを叶えましょう。」

 神様が胸を張って、俺にそんなことを言ってきた。


 同僚との会話を思い出し、よく読んでいた小説でもありがちなパターンだと感じながら、俺は神様に対して、

「俺の居た世界の知識を全部、頭に入れてもらえますか?」

 同僚と話をしていた通り、頭が良くなる程度でも良かったが、どうせ神様から貰えるなら少し欲張ってもいいと思い、神様にお願いしてみた。


「可能ですが知識でいいんですか? 魔物のいる世界なので、知識よりも強い体や高い魔力などを望むと思いましたが?」

 神様は不思議そうな顔をしていた。


「知識でお願いします。体や魔力は自分で鍛えようと思います。死んでしまったので、前の世界の知識は今から増やせないし、生き返った世界で使える知識もあると思うので。」

 俺は神様にそう答えた。


「……分かりました。それでは、あなたには元いた世界の知識を与え、転生させます。第2の人生を有意義に過ごして下さい。」

 神様のその言葉を最後に、俺の意識は遠のいて行った。


「天王桜さん、あなたが次の世界、フラワーワールドでどう生きていくのか楽しみです。」

 神様が微笑んでいた。



 そして、冒頭に戻り、俺は……オギャーオギャーと新たな世界で産声を上げた。

異世界に転生しました。

主人公の選んだ、知識の活躍はやってくるのでしょうか?

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