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アカンサスの実家〜料理の腕前〜

昨日は、本作最高の3737PVとなりました(๑╹ω╹๑ )!?


ありがとうございます(>人<;)

 食堂へと戻ったサクラ達の目の前の食卓には、所狭しと、色取り取りの料理が並べられていた。


 スープ、焼かれた魚、野菜の盛り合わせ、刺身、海鮮サラダ、鳥の丸焼き、串焼き、ムサカ等が目に着いた。


「ごめんなさいね。これで足りるかしら?」

 スピノサスは、片手を顔に当てて不安げな表情を浮かべた。


「こんなに沢山、ありがとうございます。」

 サクラ達は、アカンサスの母スピノサスに頭を下げた。


「みんなが手伝ってくれたから、張り切っちゃった。」

 スピノサスは、照れながら笑顔になった。


「おおーー。豪華な夕食だな。さぁさぁみんな席に着いてくれ。」

 ハアザミがサクラ達を席へと誘導した。


「いただきます。 美味い!」

 サクラは、食卓に並べられたムサカに手を伸ばした。


 ムサカは、オリーブオイルで炒めたジャガイモにトマトソースをかけ、煮詰めた挽肉を重ね、牛乳やバターなどで作ったホワイトソースをかけてこんがりと焼き上げる料理だ。


「それ、私が作ったやつよ。口に合ったみたいで良かったわ。」

 アカンサスが照れており、アイリスとカトレアは自分の作った料理をサクラが食べるのを期待して見ていた。


「これって、なんて料理?」

 サクラは、これと似た料理の知識はあるが、料理名が違う可能性もあるため、アカンサスに確認したのだ。


「それはムサカよ。この国の伝統的な料理よ。」

 アカンサスの言葉に、サクラは料理名が前の世界と同じだなぁと感じていた。


「おっ!? この串焼き美味いぞ。」


「俺も食べてみよっと。おおーー美味いな。」

 サクラがストックに勧められた串焼きは、鶏肉や豚肉、魚を炭焼きしたものだ。


「それは私が作ったものよ。」

 カトレアが自慢気に胸を張っていた。


「作り方教わったのか?」


「ええ。スピノサスさんに教わったわ。スヴラキという料理らしいわよ。」

 カトレアは昔から料理が苦手だった。

 サクラと出会って料理を上手くなるようにと頑張っていたのだが、あまり成長は見られなかった。

 今回美味く出来たのは、この料理が切った具材を串で刺して焼くというシンプルなものだったからだろう。


「オイラも食べてみるッス! ……ゴホォゴホォ!」

 リンドウは、串焼きを一口齧るといきなりむせ返って、水を一気飲みしたのだ。


「どうしたリンドウ?」


「こ、これめっちゃ塩っぱいッス!」

 リンドウは、涙目になりながら食べかけの串焼きをサクラに手渡した。


「……ゴホォゴホォ!」

 サクラも一口でむせ返ってしまい、水を一気飲みした。


「……え〜と、もしかしたら、ちょっと塩が多くかかったやつもあったかしら。」

 カトレアは苦笑いを浮かべながら、指で頬を掻いていた。


 サクラは、申し訳無いが、こんな簡単な料理も危険な食べ物へと変えてしまうカトレアに恐怖したということは内緒の話だ。


「うめぇなコレ!」

 オロチの声に目を向けると、オロチの手にはスヴラキが握られており、その串には、周りは焦げているが殆ど中が焼けていない肉が刺さっていた。


「なぁ、それ生焼けじゃないか?」


「ん? この食感がいいんだよ。わかんねぇかなぁ。」

 オロチは笑顔で残りの生焼けの肉を平らげていたのだった。


「わ、分かる人には私の料理の素晴らしさが分かるのよ!」


「……カトレア。それは無理があるぞ。」

 カトレアは、オロチが気に入ったのをいいことに自分の料理の腕が良いように発言したが、サクラに切って捨てられた。


「ん〜、これはとっても美味しいね。」

 デイジーは、パイ生地のスイーツを食して感想を漏らした。


「良い香りがするな。うん、美味い!」

 サクラは、デイジーが食べていたパイ生地のスイーツを食べると、あまりの旨さに舌鼓を打った。


 パイ生地には、ピスタチオやアーモンド、ナッツが入っており、更にシロップが味を引き立てていた。


「サクラが気に入ってくれて良かった。」

 アイリスはホッと胸を撫で下ろした。


「これもスピノサスさんに教わったのか?」


「うん。バクラヴァって言う料理らしいよ。」

 アイリスは、昔から料理が得意であり、サクラが披露した前の世界の料理は一通りマスターしており、料理の腕前はかなりのものである。


「ねぇねぇ、この野菜、見事に繋がってますよ。」

 クローバーがフォークを持ち上げると、器から野菜が上に伸びて行った。


「……きっと、離れたくなかったアルね。」


「そんな訳あるかーー!」

 ボタンのボケにサクラは思いっきり突っ込んでしまった。


「昔からこうなるアルよ。」


「でも、盛り付けは凄い綺麗だね。」

 ボタンが落ち込んでいたところを、デイジーがフォローし、ボタンに笑顔が戻った。


 サクラは、目の前のスープを一口食べた。


「こ、これは!?」

 サクラの口にしたスープには、野菜と魚から取った出汁に、塩とオリーブオイル、レモン汁を加えたシンプルなものであったが、身体に取り込んだ瞬間に、全身を駆け巡るような感覚に襲われた。


「……私が作った。どうかな?」

 ウメは自信なさげな表情をして、サクラを見ていた。


「スッゲー美味いよ! ウメは料理上手なんだな!」


「オイラも飲んでみるッス。う、美味いッス! いくらでも飲めるッス!」

 リンドウもウメのスープに大満足していた。


「……プサロスーパ、教えてもらったの。」


「ウメは昔から料理が得意だったアルよ。」

 姉のボタンとは違い、ウメには料理の才能があったようだ。


 サクラが、ウメのプサロスーパをかなり気に入っていたことに気が付いたアイリスは、夕食後にウメからレシピを教えてもらったのだった。


 こうして、和気藹々(わきあいあい)とした夕食は暫く続いたのだった。

次もアカンサスのお家話です( ^ω^ )

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