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シルビア村の攻防〜カトレア対オオバコ〜

本日、17万PV突破しました(^人^)

いつもありがとうございます!

 オオバコの重さのある大剣による一撃を、カトレアは薙刀で直接受けてしまっては、薙刀が破壊される虞れがある為、薙刀での受け流しや、直接回避でオオバコの攻撃を凌いでいた。


「……大剣なのに、攻撃の間の隙が無い。」

 カトレアは、オオバコが攻撃の挙動に入ってからの反撃や攻撃と攻撃の間を狙って攻撃を繰り出そうとしていたが、オオバコの攻撃速度が早く、中々攻撃を加える事が出来ないでいたのだ。


「オラオラどうしたぁ? こんなもんか!」

 オオバコは、これだけ攻撃を繰り出しても攻撃が命中しないことに苛立っていたため、カトレアを煽って、集中力を乱そうと考えたのである。


「この馬鹿力! “火一閃(フエゴフラッシュ)”!」

 カトレアは薙刀に火属性を付与して一閃を繰り出した。


「…… 。」

 カトレアの火一閃がオオバコの腹部を切り裂き、胴体の中程で止まった。


「え?」

 カトレアの火一閃がヒットしたオオバコの身体が、色を失って土色に変わったのである。


「“土斬(スエロコルタール)”!」

 オオバコだった形をしたものの後ろから、オオバコ本人が大剣に土属性を付与した斬撃を放ち、土もろともカトレアを攻撃した。


「くぅ!」

 カトレアは、薙刀から手を離して直ぐに後方に飛び退いた為、オオバコの土斬を喰らわずに済んだ。


  「あれを避けるとは、やるじゃねぇか。」

 オオバコは大剣を肩に担ぎ、オオバコだったものに刺さったままの薙刀へ目を向けた。


「当たった筈なのに。何よそれ?」

 カトレアは、自身の火一閃を回避した、オオバコだったものに目を向けて声を発した。


「俺様の土属性身代わり魔法、“土人形(スエロムニェーカ)”だ。土斬(スエロコルタール)”! これで、お前の武器は無くなった。素手で俺様に勝てるかな? 」

 オオバコは、魔力を多く練り込んだ土斬をカトレアの武器である薙刀に叩きつけて、粉砕したのである。


「……くっ。」

 カトレアは、先程壊された薙刀以外にストックは無いため、完全に武器を失ってしまったのだ。


「全く。ガキの分際でクリスタル製の武器とは、金持ちは実力が無くても良いもん持ってるな。」

 オオバコは、馬鹿にしたようにカトレアを見ていた。


「俺も金持ちになりたいもんだぜ。ここの大仏には黄金が眠ると噂が有ったから小さくして盗んだは良いが、何をしても壊せねぇし、何の役にもたたねぇぜ。」

 オオバコは、腰につけていた布袋から小さな大仏を取り出し、地面に放り投げた。


「それはパチャママ神様の大仏!? 貴方なんてことを!」

 カトレアはオオバコが、シルビア村が崇めるパチャママ神様の大仏を投げたため、怒りを露わにした。


「黄金がねぇなら、こんなの崇めても仕方ねぇだろ? 寝っ転がったまま、元のサイズに戻してやるよ。」

 オオバコは自身の変化属性を発動し、小さくしていたパチャママ神の大仏を元のサイズに戻したのである。


 サイズが元に戻ったパチャママ神の大仏は、オオバコに投げられて横向きだったため、そのままの姿で元のサイズに戻ってしまった。


「パチャママ神様!? 許さない! “火炎砲弾(リアマオーブス)”!」

 カトレアはオオバコに両手をかざし、魔力を多く練り上げて火炎砲弾を放った。


「喰らうかよ! “土の巨人(スエロヒガンテ)(エスパーダ)”!」

 オオバコは、大剣に土属性を付与して、巨大な土の剣でカトレアの放った火炎砲弾を叩き潰した。


 オオバコはカトレアに近付き、次々と攻撃を繰り出し、薙刀を失ったカトレアは、徐々に追い込まれて行った。


「くっ。このままじゃ。」

 カトレアは火と光属性を纏って、体術で応戦していたか、オオバコは土属性を纏い、オオバコの防御力の前にカトレアの攻撃は殆どダメージを与えられないでいた。


 《カトレアよ。聞こえるかの?》


「誰?」

 カトレアは、オオバコの攻撃を凌ぎながら声の主を探した。


 《儂は、パチャママじゃよ。》


「パチャママ神様!?」

 カトレアはオオバコから距離を取って、パチャママ神の大仏へ目を向けた。


「?」

 オオバコはカトレアの目が自分では無く、パチャママ神に向いていることを不思議に感じた。


 《頭で念じれば会話出来るぞ。だいぶ苦戦しておるようじゃの?》


 《すみません。武器を壊されてしまいました。》

 カトレアは、不甲斐ないと言った表情を浮かべた。


 《成る程の。……今のお主なら問題無しじゃな。》


 《問題無しとは?》


 《儂からお主に力を授けよう。マリアの薙刀と言ってな、特殊能力としてもう一本の薙刀を精製出来るのじゃ。どうじゃ凄いじゃろ!》


 《……パチャママ神様、武器は大変有り難いのですが、薙刀を精製しても流石に二本の薙刀は使いこなせませんわ。》

 カトレアは嬉しさの反面、少し困った顔をしていた。


 《その心配はいらん。お主にはエルドラドを授けよう。エルドラドは定まった形の無い存在だ。その為、エルドラドは主人の姿を真似る事が出来る。エルドラドは主人と同一の力を備える。エルドラドに一本渡せば、お主の力は二倍になると言う訳じゃよ。》


 《それは凄いですわ。》

 カトレアは、パチャママ神の話に驚いていた。


 《頑張るんじゃぞ!》


 カトレアの目の前に、刃の部分が黄金に輝き、持ち手の部分が漆黒の薙刀が出現した。


「す、凄い!」

 カトレアは、マリアの薙刀を手に取り、神々しい力を感じたのである。


 更に、黄金の輝きを放つ火の玉の様なものがカトレアの周りを浮遊していた。


「これが、エルドラド?」

 黄金の輝きを放つエルドラドは、カトレアの身体の中へと入って行った。


「……不思議な感じね。」

 カトレアは、エルドラドが体内に入ったことで、自身の魔力が爆発的に膨れた上がったのを感じ取った。


「な、何が起きてやがる!? なんだその武器は?」

 オオバコは、突如現れた薙刀に驚いていた。


「パチャママ神様のお力ですわ。覚悟はいいかしら?」

 カトレアの横に、カトレアの姿をしたエルドラドが現れ、マリアの薙刀を一本ずつ手にしていた。


「武器を手にしたくらいで偉そうに!? どうせ横の奴は偽物だろうが! “土の巨人(スエロヒガンテ)(エスパーダ)”!」

 オオバコは、再び大技を放った。


「行くわよ! “炎の十字架(リアマ ラ クルース)”!」

 カトレアとエルドラドは、マリアの薙刀に火属性を付与し、巨大な炎を纏った薙刀がオオバコの放った土の巨人剣を打ち破った。


「バ、バカな!?」

 オオバコは、自身の大技を破られたことに衝撃を受けていた。


「これで決めるわ! “黄金の一閃(オーロ・フラッシュ)”! 」

 カトレアとエルドラドは、火属性と光属性をマリアの薙刀に付与し、マリアの薙刀の刃部分が更に黄金の輝きを強め、オオバコの身体を切り裂いた。


「……。」

 オオバコはカトレアのエルドラドの攻撃により、吹き飛ばされ、仰向けに倒れて動かなくなった。


「パチャママ神様、ありがとうございます。」

 カトレアは横たわったままの、パチャママ神の大仏に頭を下げたのだった。


次回は、サクラとゲウムの戦いです!

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