弟子は何処に〜師匠サイド〜
コンコンコン!
「どうぞ。」
私はノックに返事をして、入室を促した。
「失礼します!」
慌てた様子の兵士が私の部屋に入って来た。
「……どうかしましたか?」
嫌な予感がする。
「……現在サクラ王子の所在が不明となっております。」
私は兵士の言葉に耳を疑った。
「……どういう事ですか? ……いつもの様に城内を動き回っているのでは?」
「既に城内は隈なく捜索済みです。それでも……サクラ王子を発見できません。」
兵士は私の質問に答えた。
「……最後の目撃はいつですか?」
「昨夜の就寝時が最後でした。」
……この状況でサクラ王子が見つからないとなると……誘拐か!?
だとすれば誰が……城門には門番がいる…外部からの侵入の可能性は低い……内部の犯行の可能性が高い……だとすれば内部でサクラ王子を誘拐して、メリットのある者……!?
まさか……ゲッケイジュ様か!?あの方ならサクラ王子を誘拐するだけの動機がある。
「分かりました。国王様は?」
「城の者を集めるように言われております。」
「では、私も国王の元へ行きましょう。」
私の弟子に手を出した者は、私の手で捕まえてみせます。
……国外に連れ去られている可能性もありますね。
念のためギルドマスターのスターチスに協力を要請しておきましょう。
次話まで王国サイドです。




