シルビア村の攻防〜西地区3〜
本日は2話更新しました( ^ω^ )
「おっ! 間に合ったな。」
カルミアが刀を手に持ち、後ろから声を掛けて来た。
「なんだ? 仲間か?」
ストックはカルミアを知らない為、不思議そうな顔をしていた。
「さっきここにいた子を、中央まで連れて行くのを頼んだのよ。」
アカンサスがストックに答えた。
「そっか。サンキューな。」
ストックは直ぐに山賊達に向き直り、戦闘に意識を集中した。
「カルミアも来たことだし、行くぞ!」
「おう!」
冒険者らが前に飛び出した。
「……さよなら。“暗黒空斬”!」
カルミアは風と闇属性による斬撃を4つ、冒険者らに放った。
「え?」
「伏せろーー!」
アカンサスは驚き、ストックは冒険者らに叫んだ。
ポトッ、バタン、ドサ。
冒険者らの首が切断され、3人の命を奪った。
「ど、どうし、て?」
冒険者パーティーのリーダーだった男は、ストックの叫びに辛うじて反応出来たが、重傷を負っていた。
「あ? どうしてかって? そんなの決まってんだろ? 俺は向こう側の人間だ。」
カルミアは、生き残った男に近付き、刀を胸部へ突き刺してトドメを刺した。
「カルミアがいるんじゃ、俺らはお楽しみの続きと行こうか。」
ノゲシ達は、再び拘束しているオロチの下へと向かった。
「あんた敵だったのね!」
アカンサスは武器を構えて、睨み付けた?
「まぁな。コイツらはこの村ではトップクラスの冒険者だったんだが、油断し過ぎだな。簡単に殺せた。」
カルミアは、薄気味悪い笑みを浮かべていた。
「なんて奴! ん!? あんたに預けた女の子はどうしたのよ!」
アカンサスは、引き渡した女の子の安否が心配になった。
「あ〜、ガキならまだ殺してねぇよ。あそこに張り付けて来たがな。」
カルミアが示す方へ目を向けると、建物の壁に先程の女の子が張り付けられていたのである。
「なんてことすんのよ! 許さない! “土棘”!」
アカンサスは、ハンマーを地面に打ち付け、そこから地面から棘が無数に飛び出してカルミアを襲った。
「“飛翔”」
カルミアは風属性を発動して、空中へ回避し、土の棘を回避した。
「逃がすかーー! “金属の塔”!」
アカンサスは金属の塔を下から作り出し、空中に逃げたカルミアへ追撃を放った。
「そんな攻撃当たらないよ。」
カルミアは軽々と回避して、馬鹿にしたような顔をアカンサスに向けていた。
「“爆発”、“衝撃の拳”」
ストックは更に火の魔法衣を強化し、一瞬でカルミアの背後を取ると、衝撃属性を加えた一撃を叩きつけたのである。
「がはっ!」
カルミアは地面に叩きつけられて辺りに土煙が舞い上がった。
「アカンサスは、山賊達を頼む。アイツは俺がやる。」
ストックは、アカンサスに声を掛けると返事も聞かずに、カルミアへと向かって行った。
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「……さぁてお楽しみと行こうか。」
ノゲシ達は、オロチの顎を持ち上げてニヤけていた。
「ふっ。やっと放置プレイが終わったのか。そろそろ身体を動かしたいと思っていたところだ。」
オロチは拘束されているにも関わらず、余裕な態度を取っていた。
「おっ!? ノリがいいじゃねぇか。たっぷり可愛がってやる。」
ノゲシがオロチの胸に手を伸ばした時、地鳴りが鳴り響いたのである。
「なんだ!?」
「すげぇ揺れてるぞ!」
「おい! 女の足下に亀裂が入ってるぞ!」
ノゲシ達は直ぐ様オロチから距離を開けて、武器を構えた。
「たっぷり可愛がってやるぞ!……この俺様がな!」
オロチは人化を解いて、本来の姿である八岐大蛇になったのである。
「ギャオーー!」
足下の地面を粉々にしながら、オロチは本来の姿に戻り咆哮を上げた。
「「「えぇーー!?」」」
ノゲシ達は口を大きく開けながら、オロチの巨体を見上げたのだった。
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アカンサスは、山賊達から多数の魔法を放たれていた。
「撃ち続けろ! さっきの奴同様に、コイツも接近タイプだ!」
山賊達は、アカンサスの武器がハンマーと知り、ストック同様に遠距離からの攻撃を行ったのである。
「うざったいわね!」
アカンサスは敵の魔法を躱しながら、魔力を練っていた。
「これでも喰らいなさい! “重力場” !」
アカンサスは残っている山賊達目掛けて、重力属性の魔法を発動し、重力を増加させたのである。
この魔法は一帯に発動し続けて効果が現れるものであることから、常に多くの魔力を消費することとなる。
「ぐぅ!?」
「か、身体が!」
山賊達は地面に這い蹲りながらも、なんとか重力場から逃げ出そうとしていた。
「潰れろーー!」
アカンサスは更に重力を増加させ、耐えきれなくなった山賊達は意識を手放したのだった。
「ふぅ。“金属の檻”!」
アカンサスは、山賊達が目を覚ましても直ぐに逃げられないように、金属属性で檻を作り出し、山賊達を閉じ込めたのである。
「オロチ姉の方は、どうなったかな?」
アカンサスがオロチへ目を向けると、オロチが本来の姿でノゲシ達を口に咥えているところだった。
西地区が長めになってます(^◇^;)




