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シルビア村の攻防〜南地区1〜

更新が遅れて申し訳ないです(>人<;)

 南地区の担当になった、デイジー、リンドウ、クローバーの前には、約20名に及ぶ山賊達が押し寄せていたのである。


「ん〜。なんかいるな〜? 俺らの襲撃情報が漏れていたのか?」

 山賊達の後方にいる、大柄の男がデイジー達の様子から、襲撃情報が漏れていたと考えた。


「ホウセンカさん、それならもっと大勢いるのでは?」

 横に並んでいた細身の男が、大柄の男(ホウセンカ)に答えた。


「ツマベニの言う通りでっぜ。3人だけの上に、ガキでっせ。」

 小太りの男が細身の男(ツマベニ)に同意し、ニヤニヤしながらデイジー達を見据えていた。


「ツマベニとホネヌキの言う通りだな。さっさと蹴散らして、村を襲うぞ。」

 この部隊は、ホウセンカ、ツマベニ、ホネヌキの3人を主力として編成されている。


「おめぇら、相手はガキ3人だ! さっさと片付けろ!」


「へい!」

 ホウセンカの指示を受けた山賊の下っ端9人がデイジー達に向かった。


「他の奴らは好き放題暴れて来い!」


「へい!」

 ホウセンカは残りの山賊達に指示を出し、指示を受けた山賊達は、デイジー達を避けるように村へ向かおうとした。


「させません! タイタン!」

 クローバーは、タイタンを村へ向かおうとしていた山賊達の前に召喚したのである。


「うわぁーー!」

「なんだコイツは!?」

「どうすりゃいいんだよ!?」

「に、逃げるか?」


 突然目の前にタイタンが現れた為、山賊達は慌てふためいた。


「何だと!? ……あれは、もしや。」

 ホウセンカは、タイタンの姿を見て驚愕していた。


「どうしたんですか? あのゴーレムが何かあるんですか?」


「ゴーレムなら、何度もやり合ってますから楽勝でっせ。」

 ツマベニとホネヌキは、タイタンの力を理解出来ていなかった。


「……銀白色の姿、ゴーレム、名前がタイタン。……まさか!? 大昔に居たって言う、SSランクの魔物か!」

 ホウセンカは現状とクローバーの言葉から、自身の記憶を掘り起こして答えに辿り着いたのである。


「「SSランク!?」」

 ホウセンカの言葉に、ツマベニとホネヌキは目を見開いた。


「色が同じだけか、色を塗ったんじゃないですか?」


「そんなのを手懐けられる奴なんていねぇでっせ。」

 ツマベニとホネヌキは、そんな強力な魔物だとは信じられず、可能性を口にした。


「まあ、その可能性もあるか。だがアイツらじゃ一瞬でやられる。この場を逃げたら頭に殺される。……おめぇら逃げねぇで戦え! 逃げたら俺が殺すぞ

 ホウセンカは、山賊達をタイタンに突っ込むよう命じたのだ。


「ち、ちくしょー!」

「こんなのに勝てんのかよ!?」

「兎に角、やらなきゃ俺らは殺されるんだ!」

 山賊達は、ホウセンカの言葉で逃げ場を失い、タイタンとの戦いを決意したのである。



「タイタン! 一人も村へ行かせてはいけません!」


「了解した!」

 クローバーはタイタンに声を掛け、タイタンは低い声でそれに答え、拳を振り上げた。



「あちらは、タイタンに任せれば大丈夫でしょう。あの3人は、目の前の連中より強そうだからこの方達には早々に倒れてもらいましょう。」

 デイジーは、目の前の山賊達に目を向けて言葉を発し、リンドウとクローバーも同じ考えである。


「こ、こいつら強いんじゃねぇか?」

「確かに、ヤバそうだな?」

「だが、俺達も後がねぇぞ?」

「こっちの方が人数が多いんだ! やるぞ!」


 デイジー達の前に来た山賊達は、タイタンの出現に、デイジー達を実力者なのではないかと考えたが、どの道逃げられない為、武器を手にデイジー達に攻撃を開始した。


「一斉に魔法を放て!」


「「“(かみなり)”」」

「「“(かぜ)”」」

「「“岩石(ロック)”」」

「「“(フエゴ)”」」

「“(ヒュドール)”」

 山賊達の内の一人が声を張り上げて、それに従って各々が得意な属性の魔法を一斉に放った。



「クロの後ろへ! “巨大な(ジガンテスク)(プクリエ)”!」

 クローバーの言葉に、リンドウとデイジーは、素早く反応してクローバーの後ろへ移動し、クローバーは、タイタンの盾を巨大化させたのである。


 プスッ

 プスッ

 プスッ

 プスッ

 プスッ


 山賊達は碌な訓練をした事はなく、訓練を積んで来たデイジー達との力の差は明らかだった。


 その為、山賊達の放った魔法はクローバーの盾に当たると直ぐに霧散した。


「な、何だこの盾は!?」

「俺らの魔法でビクともしねぇだと!」


 山賊達がクローバーの盾の力に驚いて隙だらけであった。


「爆ぜろ! “爆発する矢(エスプロジオーネ)”!」

 クローバーの後ろから素早く横移動したデイジーは、山賊達が固まっている箇所目掛けて爆発する矢を放った。


「ん? 矢が来るぞ!?」

「に、にげ!?」


 ドガァーーン!!


 山賊達は、デイジーの攻撃に吹き飛ばされた。


「まだまだッス! “水波(すいは)”!」

 リンドウが天逆鉾を横薙ぎに払うと、大量の水が放たれ、山賊達を押し流した。


「仕上げです。“岩の牢屋(ロックプリズン)”!」

 流されて気絶している山賊達を、岩の牢屋で一箇所に閉じ込めたのである。


「……こいつら戦い慣れてやがるな。」

 ホウセンカは、デイジー達がここまで戦えるとは考えていなかった。


「やるでっせ。」

 ホネヌキは、相手が強者と知って闘志を燃やしていた。


「他の地区に応援を求めますか?」

 ツマベニは、現状がかなり不味いものと認識して案を出した。


「そんな暇はなさそうだ。 おいおめぇら! バラバラに散れ! 纏まってたら直ぐにやられるぞ!」

 ホウセンカは、タイタンに挑ませた山賊達に指示を出した。


「ホ、ホウセンカさんは俺達を見捨ててないぞ! 言われた通りにするんだ!」


 一見すると部下の為に適切な指示を出しているように感じるが、実際は自分達がデイジー達と戦う際に、タイタンの相手は無理と考え、少しでも時間を稼ぐ為の指示であったが、部下達はそのことを理解出来ていなかった。



「俺ら、ドクダミ山賊団を舐めるなよ!」

 ホウセンカ、ツマベニ、ホネヌキは、武器を構えてデイジー達に向かい合ったのだった。


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