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シルビア村の攻防

いつも読んでいただいてありがとうございます(>人<;)

 サクラ達は、山賊討伐及びパチャママ神様の仏像奪還を目的に、山賊達のアジトがある裏山に赴いたのだが、山賊達の大多数がシルビア村の襲撃に向かっていることを知り、転移でキャトレイ辺境伯の私室へと転移したのである。


 キャトレイ辺境伯の私室には、キャトレイ辺境伯の他に、入口脇に使用人が控えていた。


「キャトレイさん大変です! 山賊達が村へ向かって来ています!」

 サクラは、キャトレイ辺境伯へ直ぐに山賊達の件を伝えた。


「何だって!? どういう事なんだ?」

 キャトレイ辺境伯は椅子から立ち上がり、驚いた顔を浮かべた。


「俺達がアジトへ着いた時には、山賊達は数十人しか居ませんでした。山賊達は四方からシルビア村を襲うと! 村外への避難は間に合わないと思うので、出来れば中央への避難勧告を出して下さい! 俺達は、ギルドへ行って応援を要請します! それと、アジトに有った盗品は回収して来ましたが、仏像は見当たりませんでした。」

 サクラは、山賊達の襲撃や村人の避難指示、冒険者への要請、盗品回収について口早に説明したのである。


「なんて事だ!? だが、事前に襲撃が知れて良かった。直ぐに防災無線を流そう!」

 キャトレイ辺境伯は、サクラが発案した村の防災無線を直ぐに使うように使用人に指示を出した。


「お願いします! 俺達は四方に散るぞ! 北は俺とカトレア、東はアイリスとウメとボタン、南はデイジーとリンドウとクロ、西はオロチとストックとアカンサスだ。俺とカトレアは、冒険者ギルドに立ち寄り、各方面に人出しを依頼して直ぐに北に向かう。」

 サクラは素早く人員配置の指示を出し、行動を開始した。



 ウ〜ウ〜


 《緊急事態! 緊急事態! 現在、この村に山賊達が迫っています! 山賊達は四方からこの村に攻め込んで来る模様です! 直ちに村の中心部に避難して下さい! 繰り返します……。》


 村の防災無線を活用して、避難勧告が流され始める村の中をサクラとカトレアは冒険者ギルドへ向かって急いでいた。


 長年見慣れた冒険者ギルドに辿り着いたサクラとカトレアは、入り口の扉を勢い良く開け放った。


「緊急事態です! ギルマスに取り次いで下さい!」

 俺は、時間的余裕がないので、冒険者ギルドに入るなり、大声を上げた。


「あっ!? サクラ君にカトレアちゃん久しぶり。今の防災無線は本当なの? 避難訓練?」

 昔からここで受付嬢をしている、アロニアがサクラへ話し掛けて来た。


「お久しぶりですアロニアさん。これは訓練じゃありません! ギルマスは?」

 冒険者達を指揮してもらうなら、ギルマスに頼むのが一番良い為、ギルマスに話を通したかったのである。


「防災無線は聞いたよサクラ。どうするつもりだ?」

 ギルマスのクフェアがギルマスの部屋から、受付前に姿を現した。


「山賊達は、四方から攻めてくるそうです。俺の仲間に各地へ行って貰いました。ここの冒険者を指揮して各地へ回して下さい。戦闘が苦手なものは、避難誘導をさせて下さい!」

 俺は簡潔にクフェアさんへの頼みごとを説明した。


「分かった! 直ぐに手配する!」

 クフェアは、アロニアと共に残っている冒険者を纏め、直ぐに配置についての話し合いを始めたのである。


「俺とカトレアは、北門へ向かいます!」

 俺は行き先を告げて、直ぐに北門へと向かった。




 〜東地区〜


「ここで迎え撃つわよ。」

 アイリスは、武器を手にして前を見据えた。


「来たアル!」

 ボタンは、肉眼で山賊達の姿を捉えた。


「……縛りあげてあげる。」

 ウメは鎖を両手で持ち、山賊達を縛りあげるイメージを膨らませた。




 〜南地区〜


「村の南端は、この辺なのかな?」

 デイジーは、屋敷を出る前にキャトレイ辺境伯から手渡された地図を広げて、迎撃ポイントの確認をした。


「ここで合ってそうッスね。」

 リンドウは、目の前から侵攻してくる山賊達の姿を捉えていた。


「守り抜きます!」

 クローバーは言葉を発して、自分自身を鼓舞していた。




 〜西地区〜


「ここでいいのか?」

 ストックは、地図と周りを見比べるが、イマイチ理解出来ないでいた。


「ちょっとーー!? 貸してみなさいよ! って、ズレてるじゃなーーい!? もっと北寄りでしょうが!」

 アカンサスは、地図を奪い取り、直ぐに正しい方角をしめした。



「俺様はよく分からんから、さっさと案内しろよ。」

 オロチは、ストックとアカンサスに任せっきりであった。



 〜北地区〜


「あっ!? ガウラさんにルナリアさん、アヤメちゃん!」

 俺は中心部に向かって走っているガウラさん達を見かけた。


 ガウラさん達は、俺達がこの村で最初に受けた依頼の宿屋の主人とその家族だ。


「おーー!? サクラ君久しぶりだね! さっきの放送聞いたよ。大丈夫だろうか。」

 ガウラは心配そうな顔をしていた。


「大丈夫だよお父さん! サク兄が山賊なんか直ぐにやっつけちゃうよ!」

 アヤメは、サクラのことを兄の様に慕っており、ガウラに笑顔を向けた。


「そうね。でもサクラ君、カトレアちゃん。無理はしちゃダメよ。」

 ルナリアは、サクラとカトレア、アイリスを自分の子供の様に心配していた。


「みんなことは必ず守ってみせます。」

「私達の仲間も一緒に戦ってくれています。」

 サクラのカトレアは、ガウラ達に笑顔で答え、北地区の配置箇所へと足を速めた。


「俺達はここだな。」

 目的地に辿り着いたサクラとカトレアは、遠くに山賊の姿を認めた。


「やるわよ。」

 カトレアは薙刀を取り出し、表情を引き締めた。


 こうして各地で山賊との戦闘が幕を開けようとしていたのである。


サクラ達は、ドクダミ山賊団を退けることが出来るのだろうか?

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