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嵌められた!?

遅くなりましたが、本日分です(>人<;)

 パキラをシルビア村に送ったサクラは、アイリス達と無事に合流し、アジトへ向けて進行を開始した。


「サクラとパキラさんは、顔見知りだったのね。」

 アイリスが疑いの目をサクラに向けた。


「し、知り合いって言ったって、十数年前に剣を買っただけだよ?」

 まさか、こんな所で再開するとは思っても見なかったけど。


「それにしては、パキラさんは……。やっぱ何でもない。」

 アイリスはパキラが恋敵になると予感したが、サクラに対してパキラが気があるようだと伝えるのは、危険だと判断したのである。


「何か気になるけど、まぁいっか。」

 深く聞いて痛い目になるのは避けないとな。


「アジトはもう直ぐのはずよ。その話はまた後にしましょう。」

 カトレアの注意に、サクラとアイリスは反省し、周囲に気を配り始めた。


「今回は、洞窟内で生き埋めにはなりたくないな。」

 俺は、カトレアと以前から生き埋めにされかけたことを思い出して口にした。


「そうね。あれは流石に死ぬかと思ったわ。」

 カトレアに取っても、嫌な思い出だが、サクラにピンチを救ってもらった時でもあり、何とも言えない思い出となっている。


「俺なら転移で出られるし、俺が囮になって洞窟の外に誘き出して叩くか。」

 俺は、生き埋めにならない為の方法を伝えた。


「……そうだね。それで行けそうかいサクラ?」

 デイジーは、サクラに危険が大きいと思ったが、現状一番良い方法だと思えた。


「大丈夫だよ。」


「しっ! 見えたぞ。見張りも二人いるな。」

 ストックが先頭を歩いていた為、いち早く山賊に気付き、みんなに注意することが出来た。


 見張りの山賊は、洞窟の両脇に位置していた。


「僕の出番だね。僕が見張りをやっつけるよ。“稲妻の矢(フォルゴレ)”!」

 デイジーはクロノスの弓を構え、二本の矢に同時に稲妻を付与して見張りに放った。


「がぁ!?」

「ぎゃ!?」


 デイジーの放った矢は見事に見張りに命中して、気絶させることに成功したのである。


「ナイスだ! デイジー!」

 かなり距離があったが見事に命中させた。


「取り敢えず、中の様子を見て来るから、みんなは洞窟を囲むように配置しててくれ。リンドウとストックは、倒れた山賊を見えない位置まで引きずってくれ。」

 俺はみんなに指示を出し、倒れている見張り役の内、片方に変身した。


 サクラはみんなが配置についたか見回した。


 《行ってくる。》

 サクラは、信頼の絆を使ってみんなに念話を送り、洞窟内へと進んで行ったのである。




 サクラが歩いている洞窟内は、それなりの大きさの道幅があり、戦闘になっても十分なスペースがあった。


 洞窟内の壁側には、所々に照明が取り付けられており、洞窟内を照らしていた。


 暫く、薄暗い洞窟を進んで行くと、複数の男の声が聞こえて来た。


(何人居るんだ?)

 俺は、声のする方を見つからないように覗き込んだ。




「いや〜、暇だ〜。」

「暇だな〜。」

「俺らも行きたかったな。」

「仕方ねぇだろ。お頭に居残りって言われちまったんだからよ。」

「あ〜女抱きたかったぜ!」

「俺は殺したかったな。」

「ここに来る度胸のある奴なんていねぇんだし、俺らも行くか?」

「今から()()()()()に行っても、お楽しみは終わってんだろ? 居残りすっぽかしたら俺ら殺されるぞ。」

「でも、さっき俺らと同じ残留組も数十人出て行ったじゃねぇか?」

「アイツらは新入りだから、お頭達の恐ろしさを知らねぇんだよ。殺されるか重い罰を受けるだろうな。」

「そう言えば、村を四方向から攻めるんだったか? お頭と三強が向かったんだ。村もこれでお終いだろうぜ。」



(な、なんだって!? こんな所で時間を掛ける訳には行かない!)

 サクラは、山賊達の会話からシルビア村に山賊達の主力部隊が向かったことを知ったのである。


「た、大変だ!? 外に冒険者達が来ている! 一人殺された! 手を貸してくれ!」

 サクラは山賊姿のまま、会話していた山賊達の前に姿を現した。


「何だと!?」

「おいおい、マジかよ。」

「逃げるか?」

「ここの物を持ち逃げすれば、暫くは遊んで暮らせるな。」

「んなことしたら、お頭に殺されるって! 敵は何人だ?」


 山賊達は慌てふためいていたが、一人だけ冷静に対応していた。


「……女3人だ。他に姿は見えなかった。間違いない。」

 俺は山賊達に、冒険者は少数で女と嘘をついたのだ。


 何故、女3人と言ったのかというと、山賊達は全部で8名いた為、変身しているサクラを足して9人となり、3対1で戦えると思わせる為であり、更に女と言えば、油断して外へ連れ出し易いと考えたためだ。


「……それなら問題ないな。やるぞお前ら、女を取っ捕まえれば、楽しいことが出来るぞ!」

 一人の山賊の言葉に、山賊達は目の色を変えて武器を手に持ち出した。


 《緊急事態だ! 山賊達は、シルビア村を襲いに行ったようだ! ここにいるのは山賊達8名のみ。コイツらを片付けて直ぐに転移で戻るぞ! 今、山賊達を洞窟の外へ誘き出している。出て来たところを一気に叩け!》

 信頼の絆は、本当に便利だ。

 声に出さなくても相手に伝えられるから、隣に敵がいてもバレることがない。


 山賊達は、武器を片手にどんどん出入口へと向かって行った。


 サクラはこの隙に、山賊達が盗んで集めた品を全てネペンテスに収納し、洞窟の出入口と向かった。


 こうして、サクラに騙されたとも知らずに山賊達は、洞窟から飛び出したのである。


「は、嵌められたのか!? ぐぅ!」

 そして山賊達は、出た先で待ち受けていたアイリス達に一瞬で気絶させられたのである。


「シルビア村に早く戻らないと!」

 カトレアは、山賊達が向かったと聞き、早く父親の居るシルビア村に戻りたいと焦っていた。


「待たせた! 直ぐに転移する!」

 俺は直ぐに転移魔法を発動して、シルビア村まで飛んだのだった。

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