我が子は何処に〜王妃サイド〜
コンコン!
私の部屋にどなたか来たようです。
「王妃様! 失礼します!」
侍女の様子は何処か落ち着きがないように感じられた。
目線は私を見た後に、直ぐに室内に何かないか探しているような。
「……何かありましたか?」
私は部屋に入って来た侍女に声を掛けた。
「……サクラ王子はこちらにおいでかと思い伺いましたが……。」
侍女は落ち込んだ様に肩を落とした。
「サクラは朝から見ていませんね。いつもの中庭にはいないかしら?」
私はいつもサクラが昼寝をしている中庭にいるのだろうと考えた。
「……既に中庭は確認済みです。城の中を隈なく探していますが発見出来ていません。目撃も昨日の寝る前が最後になります。」
私は侍女の話を聞いて混乱した。
「……何処かに隠れているのかしら?」
私はまだサクラが城の何処かにいるかも知れないと思いたかった。
「……隠れている可能性もゼロではありません。しかし、朝からずっと皆で探して全く情報がありません。……考えたくはありませんが、連れ去られた可能性が高いかと。」
侍女は私が考えたくない可能性が高いと言ってきた。
「そんな!? サクラぁ! いやぁ〜!」
私は泣き崩れ、その場から動くことが出来なかった。
「っ!? 王妃様!!」
侍女は直ぐに私に駆け寄って来た。
「今、別の者が国王にも状況を伝えに言っています。絶対にサクラ王子を見つけましょう!」
侍女に支えられ私は何とか立ち上がった。
「……そうね。私が泣いてちゃダメよね。ありがとう。」
私は侍女に感謝を述べ、夫のところへ歩き出した。
サクラ、直ぐに見つけてあげるからね!
次回は師匠サイドです。




