モフモフのファブニール
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フローラ神様からアイリスは、アレスの剣とマルスの盾と言う武器に加えて、ドラゴンの幼体、ファブニールを授かった。
俺達はフローラ神様へのご報告を終えて、トロワさんの宿屋へと戻ったのである。
「……てなことがあったんだ。」
俺はみんなを集めて、今回の襲撃騒動から終結に至ったこと、アイリスがフローラ神様からアレスの剣とマルスの盾、ドラゴンの幼体ファブニールを授かったことを説明した。
「そんなことがあったのか。」
デイジー以外のみんなも同じように事の顛末を聞いて納得していた。
「じーー。」
女性陣一同は、みんなファブニールに目を向けていた。
ファブニールには、小さな雛の様な見た目をしており、小さい上に毛がフサフサしており、触り心地は最高なのだ。
「抱かせて〜。」
カトレアもいつものクールな様子はなく、ファブニールをモフモフしていた。
「次は私アル!」
「ダメ! 次は私!」
ボタンが次にモフモフしようとするも、滅多に直ぐに言葉を発さない、ウメが割って入った。
「私は最後でいいかな。」
争い事に巻き込まれない様にアカンサスは、最後にモフモフすると言った。
しかし、本当の狙いは、最後に抱けば次を気にせずに長く触れ合えると考えた上での発言であり、意外にアカンサスは策士だったのである。
こうしてファブニールは、女性陣のたらい回しに遭っていたが、「クァ〜」と愛くるしい鳴き声を上げていた。
時折、ファブニールの様子を見ていた男性陣はそれを見て、ファブニールに嫉妬の目を向けていたが、そこには触れないでおこう。
「そう言えば、クローバーのタイタンと、アイリスのファブニールに俺の契約魔法を掛けておくか? 信頼の絆は、タイタンやファブニールには入らないだろうから、強化した契約魔法を掛けておけば言葉も交わせるようになるし、位置情報もお互い分かるようになるから便利だぞ。」
俺の契約魔法も進化している。
クローバーとアイリスは、俺の契約魔法に同意してくれたので、俺は主従契約を発動した。
クローバーは左手の甲に、四葉のクローバーの紋章を入れた。
アイリスは、左手の甲に盾と剣の紋章を入れた。
「よし。契約魔法完了だ。」
「クローバー、よろしく。」
タイタンは堅苦しい挨拶をクローバーと交わしていた。
「よろしくお願いします。」
クローバーとタイタンはお互いに頭を下げていた。
「よろしくね。ファブニール。」
アイリスは、ファブニールを掌に乗せて笑顔で挨拶した。
「よろしくね。アイリスっち。因みに、僕はメスだからね。」
ファブニールの爆弾発言に、一同は固まってしまった。
「え? 本当に?」
アイリスはフローラ神様から、ファブニールという名前を聞いていたため、名前から勝手にオスだと思い込んでいたため、ファブニールの言葉を素直に受け止められなかったのである。
「本当だよ〜。人化も出来るよ。」
そう言うと、ファブニールの身体が光に包まれて、6歳くらいの体型で、長い黄金の髪に黄金の瞳をした可愛らしい顔をした少女が現れた。
「どうかな?」
ファブニールは、可愛らしく小首を傾げていた。
「ファ〜ちゃん、すっごく可愛いよ!」
アイリスは、ファブニールのことをファ〜ちゃんと呼び、抱き締めていた。
みんなもファブニールの可愛さにメロメロになっていた。
「みんなよろしくね。」
ファブニールは、可愛らしくウインクした。
こうして、サクラ達に新たに可愛い仲間が加わったのである。
翌日は、アイリスを王女として公表する準備が行われ、いよいよアイリスが王女として公表される日を迎えた。
「アイリス王女のご登場です!」
司会の者がマイクを使用し、王城一帯に声が響いた。
アイリスは純白のドレスを身に纏い、とても美しく神々しく見えた。
アイリスが国民の前に姿を見せると大歓声が巻き起こった。
「皆さん、初めまして! 私はクロヴィス・アポロの娘、クロヴィス・アイリスです! この国を良くするための大臣や軍のタップらによる不正があったことを先ずはお詫びします。魔人襲撃という大きな被害から立ち直ったこの国で、今回のようなことがあり、本当に申し訳ありません。今後はイリス女王を中心に、この国をより良くして行きます! ですから、みなさん、イリス女王を信じて、力を貸して下さい!」
アイリスは、自身の音属性を使用して王都中に声を響かせた。
アイリスが先程述べたことは、ニベアや大臣らの会話を王都中に発した為、国中に広まっている内容である。
その後、より詳しく調査が行われ、相当な金を懐に入れていたり、邪魔な人間を排除していたことが判明したため、国民に知らせたのだ。
アイリスの演説が終わると、割れんばかりの歓声が起こり、アイリス王女の公表式典は幕を下ろした。
「どうだったかな?」
アイリスは胸に手を当てて、不安げな表情でサクラに感想を求めた。
「とっても良かったよ。……その姿も、その、凄く綺麗だ。」
サクラは顔を赤くしながらも、アイリスに本心を伝えた。
「ん!? あ、ありがとう、」
アイリスも頬を赤らめながら、サクラへ笑顔を向けたのだった。




