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イリスの覚悟

 俺とアイリスが、今回の襲撃の黒幕と思われる者、クロヴィス・ニベアの名前を口にした。


「そ、そんな! お母様がそんなことする筈ありません! 何かの間違いです!」

 イリス女王は、サクラとアイリスの言葉を受け入れることが出来なかった。


「信じたくない気持ちは分かるが、間違いないことだ。」

 俺は、母親を疑いたくない気持ちは理解出来るが、俺が見たことと、アイリスの話から、間違いなくこの件に関わっている。


「り、理由は何ですか!? お母様がアイリスを襲わせる理由はない筈です!」

 イリス女王は、どんな理由が母ニベアにあるのか想像もつかなかった。


「理由は本人から聞かないと分からないが、可能性が高いのは、アイリスが亡くなったクロヴィス・アポロ国王の娘と知っているか、アイリスの容姿を見てアイリスが国王の娘と気が付いたのか、アイリスがこの国の女王の座を狙っていると考えて殺そうとしたってところだろうな。」

 俺は、一番可能性の高い理由を説明した。


「ま、まさか、そんなことって。」

 イリス女王は、その可能性を否定したかったが、母親ニベアの国や金に対する執着は、常軌を逸しているとイリス女王自信も感じていたのである。


「これからどうすんだ? タラタラやってんなら、俺様がその黒幕を殺して来るぞ。」

 オロチは、国のことや他人のことなんてどうでもいいと考えているが、サクラやアイリス達のことは気に入っているので、アイリスが今回襲撃されたことを根に持っているため、さっさと黒幕を殺しに行きたいのだ。


「ひぃ!」

 イリス女王は、オロチの殺気に当てられて腰を抜かしてしまった。


「まだ待つんだオロチ。今お前がイリスの母親を殺してみろ、それこそアイリスが国を乗っ取ろうとしていたと思われて、捕まって殺されるぞ。」

 俺はオロチを落ち着かせて、証拠も無しに動くのは危険だと説明した。


「だったら、俺様が殺す前にさっさと黒幕を何とかするんだな。」

 オロチは殺気を抑えて、ベッドに腰を下ろした。


「サクラ、何か良い案はあるのかしら?」

 カトレアは、ニベアが黒幕という証拠をどうやって掴めば良いのか案が浮かばなかった。


「そうだな。次にアイリスが襲撃された時に、襲撃者を捕まえて黒幕を吐かせたいが、口を割るかどうか。」

 俺自身、襲撃者とニベアの繋がりをどう暴けばいいのか妙案は浮かばないでいた。


「……わ、私がやります。」

 イリス女王が声を上げた。


「イリスが? どうするって言うの?」

 アイリスは、イリスがどうやって襲撃者と黒幕の繋がりを暴けるのか考えられなかったのである。


「私には、色彩属性があります。透明化して、お母様の部屋に潜り込みます。」

 イリス女王は、決意を固めた眼をして、サクラ達に答えたのだ。


「……この間の魔法か。」

 俺は、確かにあの魔法ならニベアの悪巧みを近くで聞くことが出来ると思った。


「私は部外者な気がしますが、一応言わせてもらうと、それで近付いて情報を得ても、その話を皆んなが信じてくれるかしら?」

 この騒動に関係の無い者の意見として、ネモフィラ先生が意見を出した。


「それもそうですね。」

 ネモフィラ先生に言ってもらわなかったら、気が付かなかった。


「イリスが協力してくれれば、何とかなるんじゃ無いかしら? 母親が腹違いの国王の娘を殺すよう命じていたと。」

 カトレアは、イリス女王に目を向けて発言した。


「……もし、お母様がそんなことをしていたなら、私が許しません!」

 イリス女王も決意を固めたようだ。


「しかし、問題もあるな。イリスの言うように、ニベアが国を操っているのなら、イリスの発言を握りつぶす事も容易い筈だ。」

 今迄も女王のイリスに何もさせていないことを考えると、そうなる可能性が高過ぎる。


「そ、そんな。」

 イリス女王自信もそうなる可能性が高いと感じてしまっていた。


「ねぇイリス。貴女の透明化する魔法って、私にも使える?」

 アイリスは、イリスの魔法を他人にも使えるのか確認した。


「私と手を繋いでいる間は透明化出来ますが、まさか、私と一緒に?」

 イリス女王は、アイリスの質問に答えた。


「私に考えがあるの。」

 アイリスは、自信に満ちた表情をしていた。


「俺も一緒に行く。戦闘になる場合も考えられるからな。」

 俺の言葉に、アイリスとイリスは頷いて応えた。


 こうしてサクラとアイリスとイリスの三人は、ニベアが襲撃の黒幕かどうかの調査に乗り出したのだった。

本日もありがとうございました(^人^)

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