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お風呂でドタバタ? No.1

0時から日本戦。

ガンバレ日本!

 隠れ里レイアに到着した俺達の眼前には、大きな木で出来た門がそびえ立っていた。


「デカイ門ッスね。」

 リンドウが門を見上げながら口を開く。


「確かに、隠れ里って割には大きくて、隠れてる感じはしないね。」

 デイジーもイメージしていた隠れ里と違ったため、驚いていた。


「なぁクロ、どうやって入るんだ?」

 サクラは、入り口らしいものが見当たらないため、クローバーに里への入り方を聞いたのである。


「暗号型転移装置があるんだよ。」

 クローバーは、そう言うと門へと片手を触れた。


「クロに触って無いと転移出来ないから、肩とか腕に捕まって下さい。」

 クロの言葉に従って、俺達はクロの肩や腕に捕まった。


「行きます。……レイア様の下へ導きたまえ。」

 クロの言葉が言い終わると、視界がガラリと変わり、俺達は隠れ里の中へ転移していた。


 里の中は、舗装されていない道を行き交う人々や畑仕事をしている者、店先で客を呼び込んでいる者など、活気に満ちている。


「取り敢えず、クロの家なら部屋が余ってるのでそこで休みましょう。」

 サクラ達は、クローバーの提案に従い、クローバーの家に泊めてもらえるか、クローバーの家に向かった。


「あら、クローバーじゃない!? 学校はどうしたの?」

 クローバーに、40歳くらいの細身の女性が話し掛けて来た。


「ただいま。今は学校の旅行で各国を回ってるところなんだ。この近くを通りかかったから、今日はここで休もうと思って来たんだ。みんなも泊めて良いよね?」

 クローバーは、母親に簡単に事情を説明して、俺達の宿泊についても聞いてくれた。


「そうなのね。クローバーの友達なら大歓迎よ。中にパパが居るから挨拶して来なさい。」

 クローバーの母親にサクラ達は挨拶を交わして、クローバーの家に入り、里長であるクローバーの父親へ挨拶に向かった。


「おお、クローバー久しぶりだな。友達も連れて来たのか?」

 40代のかなり恰幅の良い緑髪の男性がニコニコしていた。


「父さん、お久しぶりです。学校の旅行で王都へ向かう途中でして、一日ここに泊まりたいと考えています。」


「構わんぞ。みんなで温泉にでも行って、疲れを癒してくると良い。」

 クローバーの父親は、快くサクラ達を受け入れてくれ、温泉に入るよう進めたのである。


 俺達は、クロの母親に案内され、広い部屋に通された。


「?」

 疑問に思ったのは、俺だけじゃない。

 みんな首を傾げたり、周りを見回したりしていた。


「か、母さん?」

 クローバーは、動揺を隠せず母親を見た。


「ごめんなさいねぇ〜。今は他の部屋も使っていて、この部屋だけなのよ〜。広いからみんなでワイワイ出来るでしょ?」

 クローバーの母親はそう言うと、サッといなくなっていたのである。


「まぁ野宿の時もみんなで寝てるようなもんだしな。」

 俺の意見にみんなも同意し、取り敢えず温泉に行くことになった。


 そして、俺達は問題にぶち当たった。


「工事中で、混浴しかやってないぃーー!?」

 まさかの工事休業で、混浴しか営業していないとのこと。


「すいません。休業に当たるとは考えてませんでした。」

 クロの所為では無いので、仕方がない。


「混浴タイムだーー!」

 ストックのテンションはマックス状態だった。


「混浴だから、全裸は禁止です。数年前に発売され始めた水着かタオルを巻いて入るんですよ。」

 クロの説明に、ストックのテンションはかなり下がっていた。


「混浴なら当然よね。」

 カトレアは、クローバーの説明を当たり前と答えた。


「まだだーー! タオルならポロリやチラリがある筈だ!」

 ストックはめげない!


「「「「「サイテー。」」」」」

 女性陣からは非難殺到である。


「俺様の裸も見たいのか?」

 オロチは、ストックに見えるように服を引っ張って、谷間をアピールして見せた。


「勿論であります!」

 ストックは即座に敬礼して答えていた。


「アホ言ってんじゃねぇよ。」

 俺はオロチの頭にチョップを喰らわせ、オロチは頭を抑えて俺を睨みつけて来た。


「でも困ったアルね。水着の待ち合わせなんて無いアルよ。タオルを巻いて入るのはちょっと恥ずかしいアルね。」

 ボタンも今回はふざけたことを言わず、真面目なことを言っていた。


「あ〜。俺が水着ならそれなりに持ってるから、好きなのをあげるよ。」

 サクラは、ネペンテスからシートを取り出し、その上に大量の水着を並べた。


「おーー! 凄いアル! こんなに沢山あるなんてびっくりアル! 店並の品揃えアルよ!」

 ボタンは、並べられた水着の数に興奮して、色々と手に取って体に合わせて始めた。


「……女性物がこんなにあるなんて、サクラってもしかしてヘンタ「言わせねぇよぉ!」」

 ウメがあまりの女性物の水着の数に、サクラを変態と呼ぼうとしたのを、サクラは必死にウメの口を押さえた。


「サクラが水着の開発者よ。」

 アイリスの言葉に一同はサクラへと驚愕の目を向けた。


「そう言うこと。色んな所に商品を広めるためにかなりストックしてあるんだよ。」

 変態の疑惑を何とか解消出来た俺は一安心した。


 この後、みんなで気に入った水着を選び混浴へと向かったのだった。



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