表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
162/241

倭国再建

倭国再建計画のお話です。

 ザクロが国王になったが、サクラにはザクロへ全てを押し付けるつもりは無かった。


「ザクロに全ての負担はさせないよ。」

 俺は、まず現在の倭国の状況を把握するために、大臣や貴族、専門家を集めた。

 各大臣達から資料を請求し、更に各地域の貴族から直接話を聞いて、現状の問題点や改善した方が良い点について意見を求めた。


 この時は勿論俺だけでなく、ザクロも同伴してもらった。


 俺が全てを指揮してしまったら、ザクロへの信頼や支持を得られないかも知れないためだ。


「……やはり重税に苦しんでいる地域が多いな。」

 ザクロは、以前調べた資料から分かってはいたが、これ程多くの地域が被害を受けているとは知らなかった。


「確かにこのままじゃ不味いな。直ぐに税を見直して、今迄多く納めていた分を返却し、謝罪しないとだな。」

 このままでは民が命を落とすか、暴動が起きるような危険な状態である。


「そうだな。国にある金は……これは!?」

 ザクロは、現在の倭国にあるお金を見て驚愕の声を上げた。


「どうした? おいおい、これはヤバイだろ。」

 俺はザクロが見ていて資料を覗き見ると、倭国のお財布事情は火の車状態だった。


「これでは重税地域に回せる資金が全く足りない。」

 ザクロは、今迄国民の税で暴利を貪っていた父ゲッケイジュを恨んだ。


「これで良く国が保ったもんだな。しかし、困ったな。」

 ザクロの言うように、このままでは資金が全く足りない状況だった。


「物資を回そうにも、国で保管している物資もそれ程多くは無い。その場凌ぎにしかならないな。」

 ザクロは国の保管庫の資料を手に取り、物資の少なさに落胆した。


「こっちの資料を見ると、殆どの地域でここ数年は作物も不良だな。」

 このままでは、数年と持たずに倭国は滅亡の一途を辿っていただろう。


「……誰か案のある者はいるか?」

 俺は各大臣や貴族、専門家にアイデアを求めた。


「……。」

 皆、打開策となるアイデアを思いつかないのか黙り込んでいた。


「取り敢えず、俺の手持ちの金を各地に配分して、「いやいや、個人の手持ちじゃ足りないだろ?」」

 俺が手元の金を提供すると言い出したら、ザクロが割って入った。


「結構あるぞ? 小さい頃から稼いで来たからな。」

 俺はキャトレイ辺境伯のところで、前の世界の知識を駆使したチートで荒稼ぎしていたのだ。


「だからって、現状を何とか出来る程じゃ無いだろう?」

 ザクロは俺の言葉を信じようとしなかった。


「まぁ金だけじゃその場凌ぎになるだろうから、農業や工業、色々と発展させようと思う。」

 俺の言葉に、ザクロだけじゃなく大臣達や貴族、専門家は首を傾げていた。


「サクラ王子、お言葉ですが、そんな簡単に農業や工業は発展しません? 何かアイデアでもお持ちなのですか?」

 インテリ眼鏡の専門家が発言した。


「アイデアなら、沢山あるから心配するな。後で、関係各所の者達と意見交換して進めて行こう。」

 前の世界の知識に、この世界の魔法が加われば色々な事が可能になる。


 農業の水やりだって、魔法で水が簡単にあげられるし、衣服のデザインも売れるだろうし、家屋の作り方や特産品や名物料理を作って販売など、やれる事は沢山ありそうだ。

 この世界には、前の世界の著作権なんて通じないからな。


「わ、分かりました。」

 俺に質問したインテリ眼鏡は、俺の答えにそれ以上追求して来なかった。


「会議はここまで一旦お開きにするか?」

 俺は現状を概ね把握出来たので、後のことはザクロともう一度話し合い、検討することにした。


「今日の会議を終える。お疲れ様でした。」

 ザクロは、皆に労いの言葉を掛け、サクラと共に退室した。


 こうしてサクラのアイデアというか、神様から貰った前の世界の知識を駆使しての倭国再建計画がスタートし、倭国の国力はグングン成長して新生倭国と呼ばれる様になるのだが、それはこれから数年後のことである。

次回は、考え中です。


別作品投稿しました。

まだ2話目ですが、ファンタジー系となります。

良かったら覗いて下さい(*⁰▿⁰*)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ