倭国の国王様〜ローリエ登場〜
投稿時間にバラつきがあって、ごめんなさいm(_ _)m
俺達のチームは、倭国に到着してハルジオン先生やクラスメイトと合流し、宿泊施設で一日を過ごし、今日は国王様と面会の予定である。
「倭国国王、ローリエってどんな人なんだろうな?」
俺はみんなで城へ歩いている最中に、アイリスへ声を掛けた。
「リュウオウ様の兄弟らしいですが、そんな話聞いたことありませんからね。」
アイリスも城で勤めていた時に、ローリエの噂すら聞いたことが無いので、不思議に思っていたようだ。
「俺も父さんから聞いたことがないからな。兄弟っつたら、ゲッケイジュくらいしか知らないな。」
ゲッケイジュは、思い出すだけでもムカつく野郎だったな。
あいつはどうなったんだろうな。
「サクラを売り飛ばそうとしたクズでしたね。……生きていたら息の根を。」
アイリスから殺気が漏れ、最後の方は聞かなかったことにしよう。
アイリスと話をしていたら、城の門まで辿り着いた。
「世界冒険者騎士養成学校の者です。本日は、国王様へのご挨拶に伺いました。」
ハルジオン先生が門番へ声を掛けた。
「お待ちしておりました。今門を開けますので。」
門番は直ぐに門を開けて、俺達を倒してくれた。
ストック「すげぇー城だな!」
クローバー「ここが倭国の城ですか。」
デイジー「立派だな。」
ボタン「大っきいアルな。」
ウメ「……庭も素敵。」
アカンサス「私もお城に暮らしてみたい。」
カトレア「ここがサクラの過ごした場所なのね。(小声)」
リンドウ「昔と雰囲気が変わったッスね。」
各々感想を口にしていた。
俺自身、昔の城との違いに驚いていた。
昔はほんわかした空気があり、自然な感じの城だったのだが、今は成金城のように感じる。
「……何これ?」
アイリスも城の変わりように驚いていた。
「お前らしっかり付いて来いよ。」
ハルジオン先生が案内の兵士の後に続き、俺達は王の間を目指した。
「こちらが王の間です。」
案内の兵士が俺達に振り返り声を掛けた。
「ありがとうございます。お前ら、くれぐれも粗相の無いように。」
ハルジオン先生が俺達に注意を促して、先に王の間へ入室した。
玉座には、桜色の髪と目をした、30歳くらいの男性が座っていた。
……この人が国王? 父さんの隠された弟? 確かに似ている気がするけど、何か違和感があるような。
俺は、よく分からないが国王に違和感を感じていた。
ハルジオン先生が片膝を付いたため、俺達も同じ様に跪いた。
「よく参られた。世界の芽達よ。私が倭国国王のローリエだ。先刻は、魔人の襲撃で苦労したことと思うが、よくぞ生き残った。此度の魔人討伐は、世界に多くの希望をもたらしたことだろう。今回は、短い期間だが倭国の兵士と実りある訓練をしてもらいたい。」
国王が俺達に言葉を送った。
俺達学生は、世界の芽と表現されている。
学校で、芽から大輪の花に育ってもらいたいとの期待からこう呼ばれるようになったそうだ。
「お心遣いに感謝します。」
ハルジオン先生は、頭を下げて答えた。
「城で食事の用意をさせているので、それまで訓練場で兵達の訓練を見学して待っていてくれ。……ザクロは、この場に残ってくれ。」
国王の言葉を受けて、俺達は、国王の息子のザクロを残して王の間から退室した。
「こっちへ来い、ザクロ。」
ローリエは、ザクロを手招きした。
「はい。父上。」
ザクロは、ローリエへと近付いた。
「……上手く魔法が効いている様だな。もう良い。お前も訓練場へ向かえ。」
ローリエは、精神魔法がしっかり掛かっているか確認する為だけにザクロを残したのだった。
「はい。父上。」
ザクロは、返事をして王の間から退室した。
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俺達が訓練場に着くと、多くの兵が訓練していた。
「やっぱ国の中枢にいる兵士は強そうだな。」
「カッコいい〜。」
「まぁピンキリじゃね? 俺達くらいの人もチラホラいるみたいだし。あそこの人なんかヒョロヒョロじゃん。」
「バカか? お前の見てる人は、どう見ても魔法タイプだろ。」
兵士達の訓練を見て、みんな思い思いの事を喋っていた。
「見るのも勉強だ。まぁ、明日は合同訓練だがな!」
ハルジオン先生がみんなへ声を掛けた。
あれ? あそこで訓練しているのは、フリージア師匠が居ない時に俺に剣の訓練をしてくれてた、サザンカさんだ。
俺が5歳の頃に、サザンカさんは18歳だったから、今は28歳かな?
サザンカさんは、赤い短髪に黄色の目の屈強な女性だ。
俺がサザンカさんを見ていたら、目があった気がした。
「はあーー! まだまだ反応が遅いぞ! ん?」
サザンカは、対戦相手を吹き飛ばし、その先に居たサクラと目があった。
サザンカは、目をパチクリさせたかと思うと、サクラへ歩き出した。
サザンカは次第に走り出して、サクラに向かって来た。
あれ? 何でこっちに来るんだ?
「サクラーー!」
サザンカは、サクラへと抱き着いた。
「はぁ!?」
俺は、サザンカさんにいきなり抱きつかれて混乱していた。
「生きてたんだな! 私はあんたが死んだものかと、良かった生きててくれて。」
サザンカは、泣き出していた。
「……ぐ、ぐるじぃ。」
サザンカの胸に顔が埋まっていて、窒息死しそうになってしまった。
「おう、悪い悪い。」
サザンカさんの胸から解放された俺は、呼吸を整えた。
「サ、サクラ君の知り合い?」
近くにいたネモフィラ先生が不思議そうな顔で聞いて来た。
サザンカさんとここで話をしていたら、正体がバレそうだな。
「あ〜。昔、俺が住んでた村が襲われた時に、お世話になったことがあるんですよ。」
俺は、会話に嘘と本当のことを混ぜて答えた。
「ん?」
サザンカさんは、不思議そうな顔をしていた。
「そうだったんですね。」
ネモフィラ先生は、俺の答えに納得した様で、他の生徒の方へ歩いて行った。
「どういうことだ?」
サザンカさんが俺に尋ねてきた。
「お久しぶりです。……今は正体を隠していますので、また後で説明します。」
俺は、周りにアイリスとカトレアしかいない事を確認して、サザンカさんに後で状況を説明すると伝えた。
サザンカさんとは、長いこと一緒に訓練していたので、信頼出来る人だと知っている。
「分かったよ。こっちの別嬪さん2人は、サクラのこれか? なんか殺気放ってないか?」
サザンカさんはそう言って小指を立てていたが、顔は強張っていた。
「大切な人ですよ。」
俺はサザンカさんに言葉を返した。
サクラの言葉に、アイリスとカトレアは顔を真っ赤にしていた。
「ふ〜ん。今日の夕方前にでもサクラの泊まってる宿に顔を出すよ。」
サザンカさんは、顔をニヤニヤさせて答えた。
「分かりました。……あの、父さんと母さんのお墓はどちらにありますか?」
俺は、父さんと母さんの墓参りをしようとサザンカさんに場所を聞いた。
「リュウオウ様とキク様のお墓なら、裏のスサノオ神様の神社に。代々王族の眠られているお墓に。」
サザンカさんは、丁寧に説明してくれた。
「ありがとうございます。……シャクヤク師匠とフリージア師匠のお墓はありますか?」
俺は師匠達が亡くなっている情報は入手していた。
師匠達のお墓にもしっかり報告したい。
「お二方のお墓は他の兵士同様、広場の英雄の墓に。」
サザンカさんも二人のことを思い出して、悲しそうな顔をした。
「ありがとうございます。花を買って向かいたいと思います。」
俺はサザンカさんにお礼を言った。
後で花を買って、お供えしようと俺は考えた。
「そうしてあげて下さい。」
サザンカさんは、優しく微笑んで訓練へ戻って行った。
その後、俺達は食事会に向かった。
この食事会がきっかけで、俺の今後が大きく変わるのだった。
ちょこっとオマケ
「サクラーー!」
サザンカさんの巨乳にサクラの顔が包み込まれた。
「昔より更に大きくなってる!? 」
サクラは手をばたつかせて、弾みでサザンカの胸を鷲掴みにした。
「んっ。昔っから変わらないなぁ〜。ホント胸好きだよね。」
サザンカは頬を紅潮させて、サクラの頭を更に胸に押し付けた。
「ん〜。息が出来ない! でも、幸せだ。」
サクラは胸を揉み続けた。
ゴンッ!
バシッ!
「イテェー!」
俺は後頭部に強い衝撃を受けて、至福の時を終えた。
俺が後ろを見ると、アイリスとカトレアが鬼と化していた。
あっ!? 魔人より怖い。
この後、俺は殺された方がマシな程痛めつけられた。




