それぞれの戦い No.2
リンドウの戦いに注目です!
「よくもストックを! 許さないッス!」
リンドウは、ボスゴブリンに対して、天逆鉾を縦横無尽に振り回し果敢に攻めていた。
「ギィギィーー!」
ボスゴブリンは、Aランクと指定されるだけあって、リンドウの攻撃を片手剣で防いでいた。
それでもリンドウが単独で戦えているのは、最初のアタックとサクラの猛毒による影響で、ボスゴブリンが本調子ではないからである。
「負けないッス! “氷嵐”」
リンドウは、水と風が属性の混合魔法を発動した。
「ギギィーー!」
ボスゴブリンは、巨大な土の盾を魔法で発動してリンドウの氷嵐を防いだ。
「まだまだッス! “螺旋突き”」
リンドウは、自身の貫通スキルにプラスして、天逆鉾に風を螺旋状に纏い貫通力を高めて土の盾に攻撃を繰り出した。
ドガァーーン!
リンドウの繰り出しだ螺旋突きは、見事にボスゴブリンの土の盾を貫通し、ボスゴブリンの左腕を貫通した。
「ギィギィーー!」
ボスゴブリンは、悲鳴を上げて土の盾を解除して後退した。
「やったッス!」
リンドウは、ボスゴブリンにダメージを与えたが油断することなくボスゴブリンを見据えた。
「ギィーー!」
ボスゴブリンは、大量の魔力を練り出して片手剣に付与し、地面に突き刺した。
ボスゴブリンが突き刺した片手剣により、地面から土の棘が大量に発生してリンドウに襲いかかった。
「“飛翔”! 危ねぇッス!」
リンドウは、急いで風を体に纏って空へ退避した。
風属性を付与して空を飛ぶ事は可能だが、コントロールがかなり難しく、使えるのは実力者か風との相性がかなり高いことが求められる。
「ギー!」
リンドウからは、ボスゴブリンが笑っているように見えた。
実際、ボスゴブリンは笑っていた。
《なんで笑ってんスか?》
リンドウは、空からボスゴブリンを見て不思議に思った。
空に逃げたからあの土の棘は届かないッス。
「ッガハ!?」
リンドウの腹部を土の棘が貫いた。
《あり得ないッス!? 何で?》
リンドウは腹部を貫かれ、意識が朦朧としながらも原因を探った。
《土の棘が伸びてるッス!? 全部同じ高さの棘だったから油断したッス!》
地面には大量の土の棘が出来上がっていたが、その内の一本、リンドウが腹部を貫かれた土の棘だけが他とは比べ物にならない高さとなっていた。
「ギィギィーー!」
ボスゴブリンは、トドメとばかりに片手剣をリンドウに向けて雷魔法を放った。
《……死ぬッス。》
リンドウは、腹部を貫かれて身動きが取れず、死を覚悟した。
「“爆発矢”!」
リンドウを貫いていた土の棘が中腹で破壊され、ボスゴブリンの雷をリンドウは回避した。
「格好つけて負けそうになるんじゃない! 一人じゃ無いんだぞ!」
デイジーは、リンドウに悪態をつきながらもリンドウに回復魔法を使用した。
「……格好悪いッスね。」
リンドウはデイジーの回復を受けて、何とか意識を保っていた。
「全くだ! だが、お陰でストックの一命は取り留めたぞ。」
リンドウが一人でボスゴブリンを抑えたお陰で、デイジーはストックの回復に専念することが出来、結果としてストックの命を救った。
「奴は?」
リンドウは、ボスゴブリンが襲ってこないことを疑問に感じた。
「今は他のチームが何とか戦ってくれている。だが、みんな連戦で消耗しきっている。」
デイジーは、回復の手を休める事なく状況を説明した。
「みんなに助けられたッスね。……ふ〜。行ってくるッス。」
リンドウは、デイジーの手を掴み回復を中断させて、立ち上がった。
「おい!? まだ動く……。」
デイジーは、リンドウを止めようとしたがリンドウの眼を見て止めることを止めた。
「ギィギィーー!」
ボスゴブリンは、片手剣に炎を纏い、生徒達を薙ぎ払った。
「「「「うわぁーー!」」」」
生徒達は、ボスゴブリンの攻撃に耐え切れずに吹き飛ばされ、立ち上がれなかった。
「ギィギィーー!」
ボスゴブリンは、残りの後衛をしていた生徒達に目を向けて片手剣を振り上げた。
「「「ひぃ!?」」」
後衛の生徒達は、ボスゴブリンの威圧に耐えられずに固まってしまっていた。
「くたばれッス! “カグツチ”!」
リンドウは、この瞬間に天逆鉾の能力を発現させた。
天逆鉾は巨大な炎を纏った状態となり、リンドウは思いっきりボスゴブリン目掛けて投擲した。
投げられた天逆鉾は、炎により加速し、一瞬でボスゴブリンに到達して、ボスゴブリンを消し去った。
「勝ったッス!」
リンドウは、その場に倒れ伏した。
リンドウは見事に勝利を収めました♪(v^_^)v




