表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
138/241

緊急事態!!

本日も覗いてくださり、ありがとうございます!

「ウーウーウー!」

 不快な音が寮内に鳴り響いていた。


「な、何だ!?」


「うわっ!? びっくりしたッス!」


「この音って?」


「緊急事態のサイレン?」


 ストック、リンドウ、クローバー、デイジーも布団から飛び起きた。


 外が真っ暗の真夜中に、大音量のサイレンによって、俺達は起こされた。


「何が起きたんだ?」

 特に状況説明も無く、どうして良いのか判断出来ないでいた。



「緊急事態です! 魔物の大群が学校を取り囲んでいる状況です! 各自戦闘準備を始めて下さい!これから配置について連絡します! 時計の針で配置を指示ますので、よく聞いていて下さい! 北を12月として、12時に3ーA、1時に1ーA、2時に2ーA、3時に3ーB、4時に1ーB、5時に2ーB、6時に3ーC、7時に1ーC、8時に2ーC、9時に3ーD、10時に1ーD、11時に2ーD、中央に1ーE、2ーE、3ーEは配置し、中央は劣勢箇所の応援を願います!」

 ペチュニアさんの声が寮内に響いていた。


 学校を中心に()()の陣形を取って、魔物の大群を迎え撃つようだ。


 日本の戦でも使われていた陣形で、現在取り囲まれているので仕方が無いが、戦力が分散されてしまうので、何処かに強力な魔物がいた場合は、突破されるリスクがある。


 中心地には戦闘を得意とせず、店を営んでいる者も多く居住しているため、突破される訳にはいかない。


 学校は、広大な土地を有しており、学校を取り囲まれているという情報が入ったということ事は、各地に配置されている警備兵とのやり取りで把握出来たのだろう。


 また、配置についても1年の両サイドに上級生が配置される形を取っており、サポート出来る環境を作っていた。



 俺達は戦闘準備をするよう言われた段階で、直ぐに戦闘準備を始めていたので、直ぐに部屋から飛び出して、配置箇所である1時の方角へ向かった。


 寮を出る段階で、アイリス達とも合流出来た。


「サクラ! 魔物の大群が攻めてきたって事は!?」

 アイリスは真剣な表情をしていた。


「魔人の襲撃の可能性があるな。」

 俺はアイリスと同じ考えだった。


「戦闘要員ばかりの学校を襲うなんて馬鹿な魔人だな。」

 ストックは、学校を襲撃することを馬鹿にした。


「そうでもないわよ。学校の生徒は、確かに戦闘力は市民より格段に上だけど、国の騎士団や冒険者には劣る者が多いわ。国よりも倒し易く、未来の英雄を今の内に倒そうって考えなら、ここを襲撃するのはかなり有効よ。」

 カトレアは、この襲撃の目的と思われることを予想した。


「確かにその考えは否定出来ないね。この学校がある我が国は、まだ魔人の襲撃を受けていないからね。」

 デイジーもカトレアの意見に賛同した。


「私達勝てるのかな?」

 アカンサスは、自信なさげに声を零した。


「やるしかないッスね!」

 リンドウは、天逆鉾を握り締めた。


「クロがみんなを守る!」

 クローバーもやる気を見せていた。


「こんなところで死ねないアル。」

「……勝つ。」

 ボタンとウメもやる気になっていた。


 俺はオロチを召喚し、簡単に事情を説明した。


「仕方ねぇな。後で良い酒買ってくれよな。」

 オロチは褒美を要求したが、やる気はあるようだ。


 しばらくすると俺達は、ハルジオン先生とネモフィラ先生を見つけた。


「おう。サクラのチームは揃ってるな。聞いてると思うが、魔物の大群が攻めて来ている。うちのクラスはこの10人1チームのチーム毎に動き、魔物の殲滅に当たる! 強力な魔物で討伐不可若しくは負傷が激しい場合は、直ちに撤退し、報告するように! ネモフィラ先生は、この場に待機し本隊への報告及び負傷者の救護に当たってもらう。この場から俺らの受け持ちは、左右15度ずつの合計30度だから、各チーム3度のエリアが迎撃エリアだ。中央から分かりやすいように空間魔法で3度毎に360度、線を入れてもらった。その線を目安に戦ってくれ。サクラのチームは、うちのクラスで断トツ一位のチームだ。受け持ちエリアの中央に配置して、余力があれば周りのサポートも頼むと思うが、基本的には援護が必要そうなところには俺が行く。」

 ハルジオン先生の説明に、みんな返事をして俺達の受け持ちである中央に位置した。



 その後も続々とクラスメイトが合流し、俺達の配置が完了したところで、地響きと魔物の咆哮が鳴り響き、砂煙が舞い上がっていた。


 皆、魔物の大群が迫って来ていると認識し、極度の緊張が場を満たしていた。



「アイリス!」

 このまま戦闘になったら、いつも通りの力を発揮出来そうになかったから、俺はアイリスに声を掛けた。


「“戦闘(バタイユ)(シャンソン)”!」

 アイリスは音属性を発動し、みんなが聴こえるまで音量を上げた。


 今回の戦闘曲は歌がなく、メロディーが場に広がり、それに伴いみんなの緊張が和らぎ、士気を向上させた。


 ……よし。迎撃準備は出来た。やってやる!

次話からバトルやります。


明日から、別作品をゆっくり更新予定です。

そちらも読んでいただけたら幸いです(^人^)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ