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メイド&執事喫茶開店

昨日はお休みして申し訳ありません。

 文化祭の準備が順調に進み、当日を迎えた。


 お化け屋敷、飲食店、演劇、武器屋、魔法具屋、薬草屋、ストレス発散屋、クイズ屋、魔法射撃屋、迷路、サバイバルゲームなど多種多様な店が参加していた。


 うちのクラスの中では、ザクロと手下二人だけが文化祭に不参加となった。


「おーーし。みんな集まれ!」

 門番姿のハルジオン先生がみんなに声を掛けた。

 ハルジオン先生の姿は、兜、鎧、盾、大剣を身に付けており、完全に戦闘スタイルだ。


「売上一位取るぞーー!」


「「オオーー!」」

 ハルジオン先生は、やる気満々だ。

 みんなもメイド姿に執事姿で拳を上に掲げた。


「わ、私も頑張ります。」

 ネモフィラ先生は、猫耳と尻尾を付けて可愛らしい感じに仕上がっていた。


「……先生可愛い。」


「いつもと違っていい!」


 男性陣から高評価を受けていた。


「か、からかわないで下さい!」

 ネモフィラ先生は、顔を真っ赤にして怒っていた。

 ……いいね。


 俺達は、予め決めていた役割に就いた。


「よってらっしゃい、見てらっしゃいッス!」

 リンドウ、その呼び掛けは、八百屋みたいだぞ!


「可愛い子がいっぱいアルよ! 可愛いメイドがご奉仕するアルね!」

 ボタン、風俗みたいなキャッチになってないか?


「……寄って下さい。」

 ウメ、声が小さい! お客さんに聞こえないよ!


「寄った寄った!」

 ストック、何の店かわかんねぇよ!


「そこのお美しいお嬢さん方、メイド&執事喫茶に是非お越し下さい!」

 クローバー? キャラ違くないか?


「いらっしゃいませーー!可愛いメイドとカッコいい執事が接客しまーーす! 来店したお客様には、国王様に王妃様、王子様や王女様に変身していただけまーす!」

 アカンサスが一番マトモだーー!


 他の呼び込み部隊は、それなりの呼び込み台詞だった。


 呼び込み部隊の頑張りで、客もかなり集まって来ていた。



「お帰りなさいませ、王女様。」

 ハルジオン先生もノリノリで門番をこなしていた。


「お? 君可愛いねぇ〜俺らと一緒に文化祭回ろうぜ!」

 ネモフィラ先生が、ハルジオン先生の横でナンパされていた。


 チャラ男に腕を掴まれ、連れて行かれそうになっていた。


 先生なんだから、大丈夫だろうと思っていたけど、まさかの展開で、メイド服の影響なのか普通の女の子の様に抵抗出来ないでいた。


 ……マジかよ。


「早く来いよ。俺と良いことしようぜ。」

 チャラ男が更に腕を引っ張った。


「い、痛いです。」

 ネモフィラ先生は目に涙を浮かべていた。


「唆られるねぇ〜! ってぇーー!?」

 チャラ男はだらし無い表情から一転して、苦痛の声をあげた。


 ハルジオン先生がチャラ男の腕を握り潰していた。


「うちのメイドに、手を出すなぁーー!」

 ハルジオン先生の凄まじい握力によって、男の手がネモフィラ先生から離れた。


「チッ! 邪魔すんじゃねぇぞオッサン! あがぁっ!?」

 チャラ男が暴言を吐いたが、ハルジオン先生は片手でチャラ男の頭を掴み、体を持ち上げてしまった。


「マナーの悪いお客さんはお断りです!」

 ハルジオン先生は、窓からチャラ男を放り投げた。

 チャラ男、生きていられるのか? まぁネモフィラ先生に手を出した罰だな。




「「おおーー!」」

 店内から歓声が上がっていた。


 店内を見ると、アイリスとカトレアが接客しており、男性客の殆どが二人に釘付けだった。


 確かに二人の姿は、見るものを魅了するだけの美しさを備えていた。


 男性陣は、店から出たくないのか、何度も注文してアイリスとカトレアを眺め続けていた。


 先程、男性陣の殆どと説明したが、残りの男性は、ネモフィラ先生を筆頭とした、ロリ系やドジっ娘系が人気を集めていた。



 俺も接客に参加したところ、女性客からの指名が多く、あっちこっち忙しく動き回った。


 何度か、文化祭を一緒に回りたいと誘いを受けたが、丁重にお断りしていた。


 現在のところ、メイド、執事、料理の美味さで人気を集めているが、中間発表の段階では、魔法具屋、武器屋が1、2位で、次いでストレス発散屋、俺達のクラスは4位になるそうだ。


 ストレス発散屋は、偵察の任務を与えていた者から聞いたところ、お客さんに日頃のストレスを解消させるために、思いっきり殴られるというものだ。

 ……これが3位になるのか。


 昼になり、順次休憩をしていた俺達のクラスに文化祭役員の人が訪れて来た。


「演奏や歌をホールで行なっています。飛び入り参加オーケーですよ〜! どなたか参加しませんか〜?」

 演奏や歌をいきなりやれってのは無理が……あ!?


「アイリス姉さんが参加します!」

 俺は勝手にアイリスの参加発言をした。


 横で休憩していたアイリスが、俺の旗に驚いていた。


「え、えーー!? 私参加するって言ってないよ!」

 アイリスは、俺の両肩を揺さぶり猛反対して来た。


「いや、アイリス姉さんの歌は最高だよ! 絶対歌った方がいいって! ……歌嫌いなの?」

 良くアイリスが歌を口ずさんでいたのを聞いていた俺は、アイリスの歌の上手さをしっている。

 歌はないなんて勿体無い!


「き、嫌いじゃないけど。でも……みんなの前で歌うのはちょっと恥ずかしいというか。」

 戦闘時のアイリスとは比べ物にならないくらい、乙女の態度をしていて可愛らしかった。


「……俺は、アイリス姉さんの歌聴きたいな。」

 俺の言葉と瞳で攻め立てた。


「さ、サクラがそう言うなら出てみようかな。」

 アイリスは、頬を赤く染めながらも了承してくれた。


「じゃあ、行くか!」

 俺の掛け声を機に、みんなでホールへ向かった。

次回、歌姫降臨?

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