文化祭準備
文化祭、皆さんは何をやりましたか?
サクラのクラスは何になるんでしょうか?
学校は、訓練も確実に行われていたが文化祭ムードが漂って来ていた。
「文化祭の出し物をそろそろ決めないといけないんだが、案のある奴はいるか? 当日は毎年各国から多くの来場者が訪れている! 売上一位のクラスには学校長から特別旅行がプレゼントされることになっている!」
ハルジオン先生がみんなを見渡して意見を求めていた。
皆、仲のいい人通しで話をしているが誰も立案しようとはしなかった。
……200人クラスに旅行のプレゼントって、学校長は太っ腹だな。
「何でもいいんだぞ? お化け屋敷、飲食店、武器屋、腕相撲、柔道、相撲、レスリングどうする?」
ハルジオン先生の案に、みんなの顔は引きつっていた。
最初の二つ以外、方向性が偏り過ぎだろ! まともじゃないよ!
「お化け屋敷にする?」
「脅かす時に触っちゃう?」
「先生〜犯罪者予備軍がいま〜す!」
「ちょーー!」
「飲食店でもいいんじゃない?」
「飲食店って、何の店だよ!」
「カフェ的な?」
「どんなカフェだよ!」
「はだ…かぁ…エプ……ぐはぁ!」
「先生〜モウ・ソウ君が危ないので沈めました〜!」
みんなが発言しているが中々決まらない。
てか、モウ・ソウ君って名前の奴は、危険な頭してんな!
「カフェにするなら、メイド喫茶とか?」
話がカフェに向かっていたので、俺がボソッと呟くと、男性陣の多くの目が怪しく光を放った。
……なんか嫌な予感。
「……サクラお前って奴は!」
「神!?」
「サクラ君が望むならご奉仕しちゃう!」
「……サクラってメイド好きなの?」
男性陣の多くからは神扱いされ、目がハートになっている女性に見つめられ、アイリスは真剣な目で俺を見ていた。
「メイド喫茶にしよう!」
「女性はみんなメイドさんだーー!」
「何で私達だけメイドになるのよ!」
「そうよそうよ!」
「男性陣も執事になりなさい!」
「「おおーー! ナイスアイデア!」」
「な、なんだ、と!」
「……このクラスにも王子や王女がいるけど、メイドや執事になってもいいの?」
「僕は面白そうだからいいよ。」
「私もいいアルね!」
「……やってみたい。」
何だか盛り上がってるが、もうメイド・執事喫茶で決まりなのか?
デイジー達は嫌がってないが、ザクロは全く会話に参加していなかった。
「じゃぁうちのクラスは、喫茶店で良いんだな?」
ハルジオン先生がみんなに確認し、みんなは頷いて応えていた。
「それじゃあ、メイド喫茶と言い出したサクラ君が中心になって纏めて下さい! 何かあれば先生達も協力しますから言ってください。」
……なんてこった! ネモフィラ先生が俺に全てを押し付けて来た! 先生達は早く決まって良かったって顔をしていた。
「……分かりました。クラス毎の出し物なので、ネモフィラ先生も勿論メイド服ですし、ハルジオン先生には、……門番の格好をして頂きます。」
俺の言葉に先生二人の笑顔が消えた。
「さ、サクラ君!? 先生達はいいのよ? 生徒の行事なのよ!」
ネモフィラ先生は慌てていた。
「え? みんなどう思う?」
俺はみんなの力を借りることにした。
「勿論、先生達も参加ですよね。」
「そうだそうだ!」
「先生のメイド姿!? が、我慢できな…ん〜…!」
「発言が一々危ない奴め! 俺の沈黙魔法で黙ってろ!」
「先生も含めて、うちのクラスですよ!」
みんなの声にネモフィラ先生は後退り、諦めた顔をしていた。
「フッ。 完璧な門番をしてやろう! 何を隠そう門番歴10年の俺の実力を見せてやる!」
ハルジオン先生は、門番の経験が長いようで、かなり乗り気だったようだ。
「期待してますよ先生! お客さんは折角だし、俺の変身魔法で王子と王女に変身させようと思うんだけど、どう思う?」
お客さんも王子や王女になればより一層満足出来ると思うんだけどな。
「いいなそれ!」
「面白そうッス!」
「いい案アルね。」
「私が王女になって、執事のサクラ君にあんなことやこんなことを……。きゃーー!」
「あんた心の声出てるわよ。」
「衣装はどうする?」
みんなも賛同してくれたようで良かった。
「俺は変化属性あるから、布とデザインがあればいけるかな。他にも衣装作り出来そうな人はいる?」
流石に一人じゃ大変だからな〜。てか、魔法あるから便利だなこの世界は。
この後、変化属性や複製属性など数人が名乗りを上げ、デザインについては王族、貴族、商家と集まっているので、衣装のデザインを考えるのが好きな男女が立候補した。
「衣装以外の分担としては、部屋の飾り付け、飲み物確保、軽食を作る人に分かれるか。」
飾り付けチームは、衣装作製や料理が苦手な者が率先して行うことになり、当日はウエイター役や客引き等の役をお願いした。
飲み物確保チームは、各国の来場者に対応出来るよう、各国の飲み物をジュース、コーヒー、紅茶、酒と多めに確保することになった。
料理チームは、王族メニューにすると料金が高すぎるため、各国の名物に俺の知識から、デザートをいくつか選んで料理チームに提供することにした。
こうして、文化祭に向けて準備が進められて行った。
次回、文化祭開催予定です。




