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生徒会のお仕事

9万PVに辿り着きました。

皆様のおかげです。

ありがとうございます(^人^)

 俺とアイリスとカトレアは、ダリア生徒会長から生徒会の者と分かるように、生徒会役員のみが付けているバッジを貰い、制服に取り付けた。


「あれ? サクラ達は、生徒会に入ったのか?」

 俺達が教室に戻ると、デイジーがバッジに気が付いたのか声を掛けてきた。


「まぁね。」

 俺の返事に、クラスメイトの視線が集まり、俺達の周りに人集りが出来た。


「すげぇな!」


「なんかあったら頼むぞ生徒会!」


「キャーーサクラく〜ん!」


「アイリス様カッコイイ!」


「カトレアお姉様!」


「ダリア様と一緒なんて! この罪人が!」


 クラスメイトから賞賛と……よく分からない言葉が送られた。



「おい! 隣のクラスで魔法の撃ち合いの喧嘩が始まってるぞ!」

 クラスに駆け込んで来た者が大声を上げた。


「おっ! いきなり生徒会の出番だな! 頑張れ生徒会!」

 クラスメイト達からの言葉を受け、俺とアイリスとカトレアは、喧嘩をしているクラスへ向かった。


「どうするのサクラ?」

 隣のクラスへ向かう途中で、アイリスが声を掛けて来た。


「取り敢えず、喧嘩を止めて喧嘩の原因を聞くしかないだろ。」

 俺は簡単に答え、足を早めた。


 クラスの中では、男の放つ火と女の放つ水の魔法が飛び交い、周りの生徒は隅に避けて、喧嘩を煽っていたり傍観していたりと様々であったが、喧嘩を止めようとしている者はいなかった。


「俺が男を、アイリス姉さんは女を、カトレアは流れ弾があったら対応して。」

 俺は、アイリスとカトレアに指示を出して直ぐに男の前に移動した。


「生徒会の者だ! 喧嘩を止めるんだ!」

 俺は、男の前に立ち声を上げた。


「はっ! 生徒会がなんだ! あの女が悪いんだ! 俺様の女にしてやるって言ってるのに断りやがって!」

 男は、魔法を放つ事を一旦止め、喧嘩の原因を口にしたい。


「え?」

 俺は、喧嘩の原因がくだらな過ぎて変な声を出してしまった。


「お!? お前も分かるか! 全く俺様が声を掛けてやったのに失礼な女なんだ! 俺様の国であれば死刑に当たる! よって、俺様が死刑を与える!」

 男は、自分の考えを力説していた。


「あんたばっかじゃないの! ふざけたことばっか言ってんじゃないわよ! 誰があんたなんかの女になるか!」

 女の方は、男の説明に対して怒鳴り散らした。


「馬鹿だと!? 王子である俺様に向かって何て口の利き方をしている! これだから平民は! 顔は良くても頭は空っぽだな!」

 男は、馬鹿にされたことに憤慨して女を馬鹿にした。


「何ですって!? あんたなんか王子ってだけで、見た目は不細工だし、性格も最悪ね!」

 女は更に言い返した。


「……もう許さん! 死ねぇーー!」

 男は、火属性の魔法球を3つ作り出して放った。


「あんたが消えなさい!」

 女は、水属性の魔法球を3つ作り出して放った。


「「いい加減にしろ(て)!」」

 俺とアイリスは、二人の間に入り魔法障壁を展開して、二人の魔法球をかき消した。


「お前は、何しにここに来たんだ! 王子だからなんだ!? ここでは、王子なんて関係ない! 女作りたいんだったら他所でやれ! それからそこのあんたも、こんなくだらない事で魔法を簡単に人に向けて撃つな!」

 俺の説教に、女は俯いて反省している様子に見えたが、男は怒りの矛先を俺に向けて来た。


「ふざけるなよ! 俺様は王子だぞ! 何だその態度は! 無礼であるぞ!」

 男は、わなわなと体を震わせながら言葉を発した。


「あいつ、さっきから王子王子って連呼してるけど、確か小さい国だったよな?」


「そうだな。小さい男だ。」


「だいたいあの見た目で、俺様の女とか気持ち悪いな。」


 クラスに居た、野次馬達がボソボソと会話していた。


「周りで見ていた連中も、同じクラスの奴らが揉めてたら止めろよ!」

 俺は、周りで見ていただけの連中に対して怒鳴りつけた。


「え? 何で俺ら怒られてんの?」


「意味わかんねぇ。」


「巻き込まれたくないし。」


「関係ないもんね。」


 野次馬達は、我関せずと言った言葉を発し、全く自分達に非が無いと言った態度を取った。


「……お前らみたいなのとはパーティを組みたく無いね。……ギルド単位での魔物との戦闘で、目の前で殺られそうな奴がいても、お前らはそうやって見捨てる人間だな。」

 俺は、野次馬達に対して、更に言葉を送った。


「いや、流石にその状況なら助かるよな?」


「それとこれとは違うだろ。」


「いきなり出てきて、偉そうに。」


「やっちまうか?」

 野次馬達の数名が、俺の言葉に頭に来たのか、俺に近づいて来た。


 ここには、こんな奴らが多いのか? こんな奴らとは一緒に戦いたくないな。

 俺に攻撃を放とうと、馬鹿な王子と野次馬が俺を取り囲んだ。


「そこまでにしなさい!」


 凛と澄んだ声に、その場のみんなが動きを止め、声の方へ視線を向けると、ダリア生徒会長が居た。


「校内で喧嘩は禁止です。守れない様であれば相応の罰を受けていただきます。既に魔法を撃ち合っていた両名には追って罰を伝えます。」

 ダリア生徒会長の言葉に周りの野次馬は静まり返り、喧嘩していた女は再び俯いていた。


「学校の生徒会長が何だと言うのだ! 何様だ!」

 男は、ダリア生徒会長に叫んだ。


「黙りなさい! 喧嘩の原因を作った貴方には厳罰を与えます!」

 ダリア生徒会長の威圧感に男は耐えられず、尻餅をついて言葉も出なかった。


「サクラ君、アイリスさん、カトレアさん。ご苦労様です。これからもよろしくお願いしますね。」

 ダリア生徒会長は、俺達にお礼を言って立ち去った。


 こうして、俺達の初めての生徒会の仕事を終えた。

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