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生徒会長からのお誘い

入学式以来の生徒会長登場です。

 日々の授業は充実しており、着々とみんなの実力は向上して行った。


 俺もシャクヤク師匠とフリージア師匠と父さんに魔法と剣を教わって以来、冒険者の先輩達からもちょいちょい教わったりしていたが、教師陣のランクは皆A以上あり、長年研鑽を続けて来ただけあって、かなりの技術である。


 そんなある日、いつも通りクラスで先生を待っていると生徒の騒ぎ声が聞こえて来た。


「どうしてここに?」

「可愛い〜!」

「抱きしめたい〜!」

「目が離せない!」


 クラスメイトの視線の先に目を向けると、ピンクと白のボブカットに、小柄だが大きい双丘を備えている小柄で童顔な女性、ダリア生徒会長がクラスに入って来ていた。


 ……ダリア生徒会長がどうしてここに?


 ダリア生徒会長は、大きな双丘を弾ませながら、真っ直ぐ俺に近づいて来た。


「こんにちわ。新入生代表のサクラ君。」

 ダリア生徒会長は、満面の笑みを浮かべながら挨拶して来た。


 一斉にクラスメイトの視線が俺に集まって来た。


「ダリア生徒会長の目的は、サクラかよ。」

「いや〜! サクラ君が盗られちゃうよ〜!」

「いやいや、サクラは君のじゃないから!」

「くそ〜! 我々ロリコンクラブの女神であるダリア様を誑かしたのかサクラめーー! 会員に即報しろ!」


 ……なんなのこのクラス!? 変な奴多いな!



「こんにちわ。ダリア生徒会長。何か御用でしょうか?」

 ……俺、なんかしたか?



「新入生でトップの実力がありながら、性格にも問題無しと聞いたが、自分の目で見て決めたくてね。ちょっと話せるかな?」

 ダリア生徒会長は、ウインクしながら廊下へ視線を向けた。


 う〜ん、特に断る理由はないな。


「分かりました。」

 俺が椅子から立ち上がると、俺の近くに居たアイリスとカトレアが付いて来た。


「あら、アイリスさんとカトレアさんも御一緒しますか?」

 ダリア生徒会長が二人に目を向けた。


「サクラの姉として気になりますので。」

「構いませんよね?」


 アイリスとカトレアは、見た目は笑っているが、威圧感が半端なかった。


「サクラ君は、女の子にモテますね。御一緒でも構いませんよ。」

 ダリア生徒会長が歩き出したので、俺達は後に続いた。



 俺達は、ダリア生徒会長の案内で生徒会室に来ていた。


「みんな紅茶で大丈夫かな?」

 ダリア生徒会長の言葉に、俺達は頷きながら返事をした。


 ダリア生徒会長が淹れてくれた紅茶に口を付け、カップを置いたところで、ダリア生徒会長が口を開いた。


「サクラ君は、新入生代表挨拶で魔人を倒すと言っていたが、本気なのかな?」

 ダリア生徒会長が真剣な眼差しを俺に向けて来た。


「本気ですよ。その為に鍛えて来ましたし、ここでもっと強くなります。」

 俺は、ダリア生徒会長の目を見て答えた。


「成る程。その目を見れば本気だって分かるわね。」

 ダリア生徒会長は微笑み、また紅茶を口にした。


「それが要件ですか?」

 わざわざここに来なくても良かったんじゃ?


「いえいえ、本題ではありませんよ。本題は、サクラ君に生徒会役員になってもらいたいのよ。」


「え?」

 ダリア生徒会長の言葉に、俺は言葉を詰まらせた。


「サクラを生徒会に?」

「なんでかしら?」

 アイリスとカトレアは、直ぐダリア生徒会長に質問した。


「この学校って、色々な国から人が集まっているし、生徒は冒険者や騎士を目指している人や王族だから、粗暴な人やプライドの高い人が多いのよ。それで、生徒会は、トラブルの対応もしているのです。1年生からも優秀な人に生徒会に入ってもらいたいのよね。勿論、生徒会はトラブル以外にも、文化祭や体育祭、武闘会の運営も手掛けてるわ。」

 ダリア生徒会長は、簡単に生徒会について説明してくれた。


「う〜ん。どうするかな。」

 別に生徒会に入ってもいいんだけど。


「今年の1年生も、既に何件か揉め事が起きていてね。実力者じゃないと頼まないんだよ。」

 ダリア生徒会長は、俺の手を両手で掴み身を乗り出して頼みこんで来た。


「わ、分かりました!」

 あ、勢いで言っちゃった。


「ありがとうサクラ君!」

 ダリア生徒会長は、可愛い笑顔でお礼を言ってきた。


 ……まぁ、いっか。


「ちょっと、サクラ! 何直ぐにオッケーしてんのよ!」


「……手を握られたくらいで落ちるなんて。」


 アイリスに怒られ、カトレアには呆れられてしまった。


「いや、困ってるみたいだし。いいんじゃないかな?」

 俺は、悪くないぞ!


「私も生徒会に入れて下さい!」


「私もやるわ。」


 アイリスとカトレアが、ダリア生徒会長に目を向けて生徒会に入ると宣言した。


「あら、御二人も入って下さるのですか? 御二人の実力も伺っています。実力的にも問題ありませんし、よろしくお願いしますね。」

 ダリア生徒会長は、微笑みながら二人の生徒会入りを認めた。


 ……もしかして、最初から俺達を生徒会に入れたかったんじゃ。


 ダリア生徒会長を見ると、作戦が成功したような、ニコニコ顔をしていた。


 ……女って怖い。


 こうして、俺達は生徒会に入ることになったのだった。

男って単純なんです。

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