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オロチって!?

 合計17の口が大きく開いているのは、見ていて迫力が凄いと感じた。


「おい、オロチ! いきなり咆哮を上げるんじゃない! みんなびっくりするだろ!」

 俺は、オロチに向かって注意した。


 《知るか! 制約には反していない!》

 オロチの表情は分からないが、きっと馬鹿にしている顔をしているに違いない。


「これがサクラの使い魔?」


「8本の首って、もしかして伝説の魔物! 八岐大蛇!?」


 アイリスとカトレア、他のみんなも驚きの声を上げていた。


「八岐大蛇って、そんなに凄いのか?」

 カトレアの言葉に、俺は質問した。


「だって、八岐大蛇って大昔にいたSSランクの魔物なのよ!? てか、生きてたのね?」

 カトレアの言葉に、皆んなが頷いていた。


 《なんだ? 俺様の強さを分かっている奴らがいるじゃないか。 小僧も俺様を敬え!》


「やなこった! 主人は俺だぞ! 戦って勝ったのは俺だぞ!」

 俺は八岐大蛇に言い返した。


「すごいな!?」

「サクラってやっぱり凄いのね。」

「うおーー! 俺にもすげーー使い魔が欲しいぜ」

 デイジー、アカンサス、ストックが声を上げた。


 《おいおい! ふざけたこと抜かすなよ! 奴が俺の首を抑えてなきゃ俺様が勝っていたぞ!》


「知るか! 負けたのに言い訳するな!」

 俺とオロチは、顔を近づけて言い合っていた。


「八岐大蛇が使い魔になって、かなりの戦力アップね。」

 アイリスが八岐大蛇を見て、俺にそう言った。


「それにしても、デカいッスね! 狼型とか鳥型の使い魔なら見かけたことあるッスけど、これじゃ街に入らないッスね。」

 リンドウが八岐大蛇を見上げながら、言葉を零した。


「まぁ基本的に、草薙剣の中に居られるみたいだから大丈夫だろ。」

 街に入れても、みんなに迷惑を掛けそうだ。


 《ふざけんな! 俺様の封印が解けたんだ! 主人だと言うなら、飯くらい喰わせろ!》

 八岐大蛇が8本の首を、全て俺に向けて近づけた。


「あ〜、飯いるの?」

 俺は首を傾げて尋ねた。

 こんな馬鹿デカイ奴に喰わせてたら、食費がヤバイことになる。


 《当たり前だ!》

 八岐大蛇は、必死に訴えて来た。


「伝説の魔物なのよね? 何だか威厳ないわね。」

 カトレアがみんなの気持ちを代弁した。


 《何だと小娘!? お前だって飯は喰うだろ? 生きるためには食べなきゃだろうが!》

 八岐大蛇が当たり前のことを叫んでいた。


「いや、でもオロチは、デカイからかなり食べるんだろ?」

 どうするかな? 勝手に喰って来いとか言ったら、人を喰うかも知れないし。


 《そんなに喰わないぞ? それと、飯が喰えるなら人なんか喰うか! 人なんて骨と皮ばかりで上手くもない!》

 ……てっきり、人が主食かと思っていたが、そうじゃないらしい。


「その姿じゃ、食堂には入れないぞ。」

 毎回訓練場で喰わせなきゃならんのか?


 《……人型になれるぞ。》


「そうなのか? じゃあ人型になってくれ。」

 人型に変身出来るなら、初めにそう言ってくれれば、わざわざ訓練場に来なかったのに。


 《……“人化(じんか)”》

 八岐大蛇の体が光輝き、見る見るうちに人の形になった。






「……()!?」

 俺を含めたみんなが八岐大蛇の人型に、疑問の声を零した。


「何だよ。俺様をじろじろ見てんじゃねーーぞ!」

 八岐大蛇の人型は、20歳くらいの見た目で、高身長に、黒髪ストレートに金の瞳、出るところはかなり出ていて、閉まっているところはキュッとしている、万人いたら万人全員が振り返るほどの絶世の美女だった。


「オロチって、女だったの?」

 俺は、オロチの見た目に一瞬心を奪われたが、アイリスに小突かれて、何とか持ち堪えた。


「……女で悪いのかよ?」

 オロチは、不機嫌そうな顔をして言い返して来た。


「いえ、全く!」

 目で人が殺せそうな眼差しを向けられ、俺は即答した。


 この日以降、食堂での食料の消費がグンと増えたのだった。

オロチの回は、これで打ち切ります。

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