オロチの自己紹介
オロチをゲットした俺は、初代様から草薙剣が進化したことを伝えられた。
草薙剣は、元々伸縮自在だったが、草薙剣・改となり、伸縮のみだけでなく、形状変化、威力増加、魔力増幅、オロチの住処、という能力が身に付いたそうだ。
オロチの住処って? と初代様に聞いたところ、草薙剣の中に長年封印されていたので、草薙剣の中にオロチの為の空間が作られたそうだ。
……オロチの家って一体どうなってるんだろうか?
俺は、オロチを草薙剣・改の住処に入るように命じた。
《さて、俺の役目は終わったな。これで解放されるよ。お前もこれから大変だと思うが、悔いのないようにな。》
「ありがとうございました!」
俺は頭を下げてお礼を述べたところ、視界が真っ白に染まった。
「う、う〜ん。」
俺が目を開けるとベッドの上だった。
「サクラ気が付いたのか?」
デイジーの声の方へ目を向けると、みんなが俺のことを覗き込んで見ていた。
「うぉ!? 何? どうしたの?」
俺は、みんなに覗き込まれていたことで、何が起きているのか分からずに動揺した。
「サクラ、めっちゃうなされてたッスよ。」
「何しても起きなかったしな。」
「心配しました。」
みんな不安そうな顔をしていた。
「そうだったのか。心配掛けました。」
俺はみんなに頭を下げた。
「悪い夢でも見てたのか?」
「……う〜ん。そんなところかな。」
デイジーの質問に、どう答えようか悩みながら答えた。
「ん? 違うのか?」
俺の返答に違和感を感じて、デイジーが更に質問して来た。
ん〜。みんなに伝えて大丈夫だろうけど、先にアイリスとカトレアに言わないと、後が怖いからな〜。
「アイリスとかにも説明したいから、一緒の時でいいかな?」
俺は後頭部を掻きながら提案した。
「分かったよ。」
デイジーは納得し、他のみんなも頷いて同意してくれた。
クラスへ行く前にアイリス達と合流し、寮に備え付けられている訓練施設に向かった。
まだ入学したてだからか、他の寮生の姿は無かった。
「サクラ、大事な話って何?」
「わざわざ訓練施設で話なんて気になるわね」
アイリスとカトレアが俺に話しかけて来た。
「実際に見てもらうんだけど、俺の使っている武器である、草薙剣に魔物が封印されていて、それと戦って、俺が勝って使い魔にした。」
俺は簡単に説明した。
「は?」
一同、意味が分からないという顔をした。
「使い魔アルか? 魔物と契約する人は少数だけどいるアルね。」
「……そうですね。我が国にもいますね。」
成る程。俺の他にも使い魔を持っている人がいるんだな。
「で、どんな魔物を使い魔にしたんだ?」
デイジーの目は、早く使い魔を見せてくれという興味深々といった目をしていた。
「んじゃ、出すぞ。……来い、オロチ!」
俺の言葉に、八岐大蛇が姿を現した。
《ギャオーーーー!》
八岐大蛇は、8個の口を大きく開けて叫び声を上げた。
「「「「「「「「「え!?」」」」」」」」」
9人の口が大きく開いて、驚きの声を上げた。




