男と女の戦いNo.3 o(`ω´ )o
最後の試合です!
デイジーとボタンは、間合いを取って、向かい合っていた。
得意な距離にいるのは、デイジーだ。
「“当たる矢”」
デイジーは、具現化した矢5本に操作属性を付与して追尾型の矢にし、同時に5本を放った。
デイジーの矢が放たれ、射線上から移動したボタンだったが、矢が方向を変えて向かって来ていることに気が付いた。
「厄介アルね。“炎盾”!」
ボタンは、矢の方向に対して、炎の盾を作成し、矢を全て焼却した。
「少ししか保たないアルが、やるアルね。“雷風鎧”」
ボタンは、雷と風の混合属性を身に纏い、一気にデイジーに詰め寄った。
「決めるアル!」
左右のチャクラムを用いて、連続攻撃を繰り出した。
「くっ!? “巨大な落雷”」
デイジーは、回避不可と判断し、自身を中心に巨大な落雷を落とし、自分もろともボタンを会場外に吹き飛ばした。
「何するアルか! ビックリしたアルよ!」
場外に吹き飛ばされたボタンは、デイジーに文句を言った。
「いや〜。さっきのは速すぎて対応出来ないと思ってね。一緒に喰らって貰うことにしたんだよ。」
デイジーは、悪びれた様子もなく、ニコニコしながら答えた。
「自分が喰らうのに、全く躊躇いなかったアルね。……怖い人アル。」
ボタンは、これ以上言っても無駄と判断し、会場に立っている2人に目線を向けた。
会場には、サクラとアイリスの2人だけが残っており、未だに激しい剣の応酬が行われていた。
「やるなアイリス!」
「サクラもね!」
俺の刀をアイリスは盾を器用に使い防ぎ、アイリスの片手剣を俺は刀で反らしたり、体捌きで避けたりと、お互い殆どダメージを受けていなかった。
「本気で行くぞ! 風雷炎形態”」
俺は、風、雷、火の三属性を混合しての魔法衣を発動した。
俺の体の周りには、風が渦巻き、雷が迸り、火が燃え盛っている。
「俺もこの状態では、長く戦えないから一気に行かせてもらう!」
「負けないよ! “雷光重鎧”」
アイリスも三属性を混合しての魔法衣を発動した。
アイリスの周りには雷光が迸っている。
俺とアイリスは、先程までの戦いとは比べ物にならない速さでの戦闘を行っていた。
「何て速さだよ!」
「これは凄いね。」
「クロの盾でも防げなそう。」
「凄過ぎッス!」
ストック、デイジー、クローバー、リンドウと驚きの声を上げた。
「三属性アルか。」
「……凄い。」
「私ももう少しで。」
「2人はここにいる必要あるのかな?」
ボタン、ウメ、カトレア、アカンサスが2人の戦闘を見ながら呟いた。
「決める! “輝きの大砲”!!」
アイリスは、剣を上段から振り下ろし、輝きの大砲を放った。
輝きの大砲は、重力属性による重さ、雷光を纏い、地面を抉りながら、凄まじい速さでサクラへ向かって行った。
「“次元門”」
俺は次元属性の門を作り出し、アイリスの輝きの大砲を別の次元に飛ばした。
……あの威力と真っ向からやり合うのはかなり危険だったので、仕方がない。
「奥義! “冬桜”」
俺は、一瞬でアイリスに詰め寄り、刀を横に振りきった。
「まだだーー!」
アイリスは、俺の一撃目わを盾で防ぎ、直ぐ様片手剣で反撃に転じようとしていた。
「甘いよ。」
俺の言葉と同時にアイリスは、場外に吹き飛んだ。
「何が起きたんスか!?」
「今のは一体!?」
「すげー!」
「クロには、完全に防いだ様に見えましたが?」
皆んな、さっきの俺の攻撃がどうなっていたのか理解出来なかったようだ。
「大丈夫アルか?」
「……回復するね。」
「お疲れ様。」
「何が何やら?」
ボタン、ウメ、カトレア、アカンサスは、アイリスに駆け寄り言葉を掛けた。
「……やられちゃった。さっきのは、時属性ね。」
アイリスは、ウメの回復を受けながら言葉を発した。
「大丈夫だったかアイリス?」
俺はアイリスに近づき、手を差し伸べた。
「ええ。……私、もっと強くなるからね。」
アイリスは、真剣な目で俺を見てそう言った。
「なら、俺ももっと強くならなきゃな!」
俺は笑いながらそう答えた。
《まだ上を目指すのか? ……負けてられない!》×8
各々、サクラとアイリスのやり取りを聞いて、闘志を燃やしたのだった。
次回は戦闘なし......かも知れません。




