弾んだ!?
何が弾むんですかね?
「こらサクラ! ボケっとするな!」
俺は、ストックにいきなり怒鳴りつけられた。
……ここは?
「早く走れ!」
デイジーが走って俺を抜いていった。
……なにが起きてる?
「サクラッチ! 早く戻るッスよ!」
リンドウも走って俺を抜き去った。
「危ないですよ!」
クロは、走って行った。
……なにしてたんだっけ?
なんで、 みんな黒いユニフォーム着てるの?
……あっ!?
「なぁにボーーとしてんのよ!」
アイリスは、白色のバスケのユニフォームを着ていて、バスケットボールをドリブルしながら俺を抜き去った。
……今は、試合中だった!!
てか、アイリスはボール以外も弾んでますよ。
目線が行くのは仕方ないだろ!?
仕方ないよね?
「おっと!? ボケっとしてると負けちまう!」
俺は急いでアイリスを追い掛けた。
俺達は、現在5対5の男女別のチームでバスケをしていた。
「……サクラ。鼻の下伸びてるわよ。」
カトレアが蔑むような目を向けて来た。
「どうせ、胸でも見てるアルよ。」
ボタンが両手でカトレアの胸を揉みしだいた。
「きゃっ。ちょっと何するのよ!」
カトレアは頬を赤くして、ボタンを突き放した。
「ん〜。良い大きさアル。触り心地もグッドアルね。」
ボタンは俺にウインクして、カトレアを挑発して逃げて行った。
「待ちなさーーい!」
カトレアは、ムキになってボタンを追い掛け回していた。
……ボタンが、変な事を言った所為で、俺の目線はカトレアの胸に行ってしまい、元気に弾んでいる胸を見てしまった。
……ボタンのも大きいけどね。
「……サクラさん。目線がイヤラシイデス。」
ウメは冷たい目をして、俺の横でボソッと呟き走り去った。
……ウメさんや。 それは言わないでおくれ。
「……。」
アカンサスは、両腕で胸を隠しながら無言で通過した。
……無言が一番傷付くんですけど!?
「サクラッチ早く、ディフェンスするッスよ!」
リンドウに促されて、俺は急いでディフェンスに着いた。
「……サクラ。行くよ!」
アイリスは、強引に詰め寄り、レイアップシュートに移行した。
「「「「止めろ(ッス)!」」」」
男子チームが叫んだ!
「「「「決めろ(アル)!」」」」
女子チームが叫んだ!
「させるかぁーー!」
俺はアイリスの前にジャンプして立ち塞がった。
……俺の体に、弾力があり、強力であり、破壊のある二つの双丘がぶつかった。
……こんなに凄いの? あっ!?
俺がボールから、別のモノへ意識が行っているうちに、ボールはリングを潜り、ネットを揺らしていた。
……着地時には別のモノも揺れていた。
「ラッ……チクショーー!」
危ない危ない……危うくラッキーって言うところだった。
「切り替えて! 一本返すよ!」
デイジーが声を掛け、ボールを俺にパスして来た。
格好いいところ見せますかね。
「“瞬間移動”」
俺はいきなり、女子チームのリング前まで瞬間移動した。
「スラムダーーンク!」
俺は、強烈なダンクシュートを決めた。
……めっちゃ決まったぜ!
ピピーー!
久し振りにルーペの登場だ!
「転移系の魔法は禁止です!」
ルーペが口に咥えていたホイッスルを外して、注意して来た。
「何だって!?」
転移だって俺の力の一部なのに!
「転移有りなら、盛り上がらないでしょ!」
何ともごもっともな意見を言われてしまった。
女子チームのボールから再開され、女子チームのドリブルやパス、シュートに俺は目を奪われていた。
……もう、言わなくても分かるだろ?
しかし、この試合は眺めているだけでは駄目なんだ!
「おい! サクラ真面目にやれ! アレが掛かってるんだぞ!」
ストックが闘志を燃やした目で、ダンクを決めた。
「勿論分かっているさ!」
俺はストックとハイタッチして、気持ちを切り替えた。
何てったって、この試合……男子チームが勝ったら混浴の権利を得られるのだ!
負ける訳にはいかない!
因みに、男子チームが負けたら、女子チームの言うことを一回聞くことになる。
その後も試合は続き、デイジーのスリーポイントシュート、俺とストックのダンクで点数を稼ぎ、リンドウとクロか鉄壁の守りを見せた。
しかし、流石異世界バスケ……カトレアの麻痺により、こちらの選手4名が動かなくなってしまった。
「ちょっと待て! 審判! 単位が駄目なら麻痺も駄目だろ!?」
俺は真っ当な意見を述べた。
「麻痺は有効とルールブックに記載されています。」
ルーペは、何事も無かったかのように答えた。
アンフェアなルールにより、同点に追いつかれ、ボールは女子チーム、時間も後3秒だった。
「私達の勝ちよ!」
アイリスがドリブルしながら攻めて来た。
「抜かせるか! 混浴のためにも! “雷光形態”!」
俺は全力で雷光属性を身に纏った。
「“重力の領域・重い”!」
アイリスの重力属性による負荷で、動きがかなり遅くなってしまった。
「しまった!」
俺は、殆ど動くことが出来なかった。
アイリスは、スラムダンクを決めた。
その瞬間、試合終了のホイッスルが鳴り響いた。
……混浴の夢は逃したが、最後に強烈な弾みを拝むことが出来た。
俺が俯いていたところ、アイリスが近づき俺の耳元で、こう囁いた。
「……そんなに、混浴が良かったの? ……今度一緒に姉ちゃんと風呂入ろっか?」
アイリスが少し照れながらそんなことを言ったため、俺の心臓は盛大に弾んだ。
「……俺は、なんちゅーー夢を見てたんだ。」
あまりの恥ずかしさに、落ち着くまで布団を被ってやり過ごしたのだった。
夢オチですね。
主人公の性癖は、夢の中だと危険人物ですね?
これが普通ですと?
普通かどうかは、読者にお任せです!
 




