サクラVSストック
今回はバトルの回です(*^ω^*)!
「はぁーー!“火の一撃”」
ストックが俺と距離があるのに、トンファーを持った手を前に突き出し、拳の形をした火を打ち出した。
「避けるのは失礼だな。“風刃”」
俺は刀に風を付与して、ストックの火を切り裂いた。
俺は、刀を振った時もストックから目を離さなかったが、ストックは一瞬で俺の懐に詰め寄って来た。
「やるねぇ〜。“炎の猛威”」
ストックは、炎を纏った左右のトンファーの先端を、何度もサクラに繰り出した。
「っ!?“雷形態”」
俺は直ぐ様、体に雷を纏い、ストックの攻撃を体捌きで躱した。
「な!? あれを捌ききるかよ!」
ストックは、俺から距離を取り、驚きの声を上げた。
「かなり危なかったよ。懐に入られた時は、ヒヤッとした。……今度は、こっちから行くぞ!」
俺は、雷形態の状態なので、一瞬で間合いを詰め刀を振った。
キン!
……え?
「トンファーを甘く見るなよ!“点火”」
ストックは、左のトンファーで刀を受け止め、火属性を体に纏った。
「“粉砕”」
ストックは、右のトンファーを俺の腹に叩き込んだ。
「がはっ!」
俺の体はくの字に曲がり、ストックは俺から距離を取った。
「トンファーの基本はカウンターだぜ。小手の防具みたいなもんだからな。」
ストックは、構えも取らずにトンファーの説明を始めた。
「……かなり効いたよ。“回復”」
俺は、回復魔法で腹部の負傷を回復した。
……初めてトンファー使いと戦ったけど、ストックは強いな。
「……待ってくれたのか?」
「まだまだこんなもんじゃないんだろ?」
俺の言葉に、ストックは直ぐに答えた。
「期待に応えなきゃな。“雷炎形態”」
俺は、火と雷の二属性を混合した雷炎属性を体に纏い、刀の間合いまで一気に詰めて、連続で刀を振るった。
俺の斬撃を、ストックは左右のトンファーで上手く防いでいたが、二属性を纏っている俺の方が押していた。
「く、くそ。これならどうだ!“火山爆発”」
ストックは、バックステップで距離を取り、両腕を前に突き出した。
ストックの両腕から、火山噴火の様な火が放たれた。
「“十字斬り”」
俺は、刀にも雷と炎を纏わせ、十字斬りを放ち、ストックの火山爆発を凌いだ。
「“雷炎突き”!」
俺は、火山爆発を切り裂き、その流れのまま、刀を持つ右手を引き、一気に突きを放った。
「!?」
ストックは、俺の攻撃に気づき両腕をL字に曲げて、トンファー部分でガードした。
「うあぁーー!」
俺の雷炎突きの威力に耐えきれず、ストックは場外に落ちた。
「……ふ〜。」
ストックは強かったな。
他のみんなもこんなに強いんだろうか?
「おおーー!」
「すげぇーー試合だ!」
「こんなに強い奴がいるのかよ!」
「サクラくんカッコイイ!」
……観戦者の雰囲気から、やっぱりストックが異常に強かったのが分かった。
「いてててて。いや〜サクラはやっぱり強いね。」
場外からストックが声を掛けて来た。
「いやいや。ストックはかなり強いよ。一回攻撃の手を、ストックが止めてなかったら分からなかったよ?」
「……嘘付け。サクラはまだ全力じゃなかったね。」
俺の言葉にストックが直ぐにでも反論した。
「……ストックが強かったのは事実だよ。」
俺は全力でやらなかった申し訳なさと、気付かれていた恥ずかしさから頬を掻いた。
「いや、全力でやってもらいたかったが、全力を出させてやれなかった俺が悪いな。……次は全力を出させてやる!」
ストックが手を差し出して来たので、俺はストックの手を握った。
こうして、俺のクラス初の模擬戦1試合が終わった。




