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第七話 エピソード ブタが助けた貴族の娘

「誰がオークなんかに……」


 ヒステリアは地面に組み敷かれ、オークによって純潔を散らされようとしていた。


 そう、この世界カロリーでも、性欲の強い魔物は例外なく人を襲う。人間を襲う。女を襲う。時に馬を牛を羊をロバを襲う。メスでれば人間、獣。関係なく旺盛な性欲のはけ口として襲う。そして、時には男も襲う。おかまも存在する。


 まぁ幸いなことかどうかは知らないが、今オークに襲われているのは、人間の女だった。それも貴族と呼ばれる全身を高価な金銀財宝で着飾った貴族だった。


 彼女の名前はヒステリア・オールストン。オークや灰色狼などの魔物が生息するヒステリア森林周辺を治める今年十六になる領主の娘である。


 彼女は運が悪いことに、オールストン家の領土にある獣人たちの村、オール村を訪れるために、魔物が徘徊するヒステリア森林にほど近い街道を馬車で移動中に六体ほどのオークの一団と出会って、自分を守護する騎士や従者たちを皆殺しにされていたのだった。


 そして、貴族ご一行の中で唯一の女であったヒステリアは、ただ一人オークの慈悲。否オークの性欲のはけ口と、子供を産む苗床として、生かされ、今衣服を剥ぎ取られ、四肢をオークに押さえつけられながら、豚であるオークを相手に、その純潔を散らそうとしていたために、声の限りに必死に助けを呼んでいたのである。


「離しなさいっ離しなさいったらっこの豚風情が! いったい誰に断ってわたくしの体に触れているか分かっていらっしゃいますの!」


 だがオークはヒステリアの声には耳を傾むけず、ただ己のなすべきことをなすために、(生殖)ヒステリアの顔を見ながら舌なめずりをしていた。


「ひぃっ」


 自分を見るオークの欲望にまみれた醜い豚顔を目にしたヒステリアは、小さく悲鳴を上げて、顔をこわばらせる。


「この豚の化け物がっこの私にのしかかろうなんて百万年早いのよ! どきなさいっどきなさいったらどきなさいよ!」


 しかし四肢を押さえつけられているために、ヒステリアがいくらどかそうとしてもオークの巨大な体は微動だにしない。


 ただ抵抗するヒステリアを見てオークはヒステリアが悲鳴を上げるのをまるで楽しんでいるかのように、にやついた笑みを浮かべるのみだ。


「やだやだ助けてお願い! 何でもするからっだから誰かっ誰かっ助けてぇ!」


 ヒステリアがヒステリーな悲鳴を上げ、オークがことに及ぼうとした瞬間。どこからか飛来したビニール袋が、オークの頭を吹き飛ばした。


「へ?」


 ヒステリアが見たこともない袋によって頭を吹き飛ばされたオークを見て、あっけにとられて間抜けな声を上げていると、腹をすかせたブタがようやくご飯にありつけるといった感じの叫び声を上げながら、ヒステリア森林から飛び出して来た。


「ブヒヒヒイィンッ!」


「ブ、ブタ!?」


 ヒステリアがオークをたったの一撃で葬り去ったブタの登場に驚いている間にも、オークをモーニングスター(ビニール袋に詰めた石)で倒したブタは、仲間のオークが同じ仲間っぽいブタの手によっていきなり葬られたために、いまいち自分たちの置かれている状況が呑み込めずに、混乱しているオークたちの隙を見逃さず、今がチャンスとばかりにモーニングスターを使ってオークたちの頭部を叩き続け、次々とオークたちを葬っていったのだった。


 そうしてヒステリアをてごめにしようとしていたオークの一団は、突如現れたブタの振るうモーニングスター(石の詰まったビニール袋)に次々とぶちのめされて、瞬く間に豚肉と化していったのだった。


 この間、わずか十秒ほどの出来事である。


「いっいったい今私の目の前で起きているのは何なんですの!?」


 ヒステリアが今自分の目の前で起きている出来事に驚愕し、混乱している間にも、オークを倒したブタは信じられないことに、巨大な六体のオークを左肩と右肩に三体づつ担ぐと、オークによって衣服を剥かれてあられもない姿となったヒステリアには一切目もくれずに、オーク肉を手に入れられた喜びからか小躍りしながら、ヒステリア森林に分け入っていったのだった。


「共食い……」


 ヒステリアはあられもない格好をしている自分には目もくれず、倒したオークを両肩に担ぎヒステリア森林に帰っていく自分を救ってくれたブタを見つめながらそう呟いたのだった。

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