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腐メイドの天使ほのぼの観察記  作者: かえねこ
8/8

File.8 天使の遊泳


 シオン様は段々と浮く高さも以前の倍になり、大人が手を延ばしても届かない高さまで浮くようになってしまいました。


 そうなると私ではシオン様を連れ戻すことも出来ませんので、今では散歩の前にシオン様の身体に幅広のベルトをつけることにしています。

 シオン様のお身体に負担のないよう、腰回りと両肩を繋ぐようにしたベルトを庭師のザイルに作ってもらいました。このベルトに紐をつけ、紐の先端は私の腰に括りつけております。


 こうすることで、お屋敷の敷地から勝手に出てしまわれないようにしているのです。あとは、お屋敷の高さ以上に浮くことを防ぐ意味もあります。


 お屋敷の裏庭であれば、お屋敷の高さまで浮かなければ他の人に見られることもありません。

 万が一、他人にシオン様が飛ぶ姿を見られてしまえば、シオン様の身に危険が及ぶ可能性がございます。

 ですから、こうして街の方からは見えないところでのみシオン様の自由にして頂いてます。


 もちろん、お屋敷の周囲には不意のお客様がお見えにならないか、見張りの護衛も立っております。

 このお屋敷に勤めるものは皆、シオン様が生まれた際にこのお屋敷で見聞きしたものを絶対他に口外しないことを宣誓文にして血判しております。

 誓えなかったものは解雇されたので、今残っている者は信用できるものばかりです。


 シオン様はもちろん、そんな俗事はご存じありません。

 今日もご機嫌でふよふよと浮かれています。


 飛ぶのではなく本当にふよ~ふよ~と風が吹いたら飛ばされそうな浮き方をしています。


 ときおり寝そべるように仰向いたり、空中での体勢を変えることも出来るようになりました。

 その度に手足を掻くように動かしたりするのが何とも小動物のように可愛らしく、見ているだけで和みます。


「シオン様~。そろそろおやつの時間ですよ~」

 私がお声をかけますと、

「あ~い~」

 と可愛らしいお返事と共にゆっくりゆっくりと降りてらっしゃいます。


「め~う~」

 私の名前を呼びながら、腕の中に飛び込んでらっしゃるシオン様。

 いつものごとく、私はシオン様をめいっぱい抱きしめると、頬ずりしました。


 ああ、今日も天使を愛でられる私は幸せ者です~。



ムーンからの移植が終わったので、これからはきまぐれ更新となります。


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