3話です
お久しぶりです。
3話目の投稿になります。
暇つぶしに使っていただければ幸いです。
「こんにちは。異世界のみなさん。」
光の中で聞こえた声は柔らかく甲高くないがどことなく幼さを感じるような音だった。
「私は、あなたたちが言うところの神です。」
声の主は自身を神といったが、恐怖心や威圧というものを、抑えている場合もあるが、少なくとも僕自身は感じることができなかった。とりあえず縛の中では声の主は自称神というとこにしておこう。
自称神が自己紹介をする中で体を動かそうとするが、まるで体が壁の間に挟まったのかと勘違いするほど動かすことができなかった。
「あなた方はこれから私の世界に来ることになります。そして災害に立ち向かうことになるでしょう。」
ようやく目を開けることができるようになった頃、勝手に今後の予定が組まれていることを知った。首を動かすことができないので周りにいるクラスメイトの反応はわからないが、自称神を罵倒する声が聞こえない以上、他は自称神の意見に賛成らしい。罵詈雑言の嵐だと思っていたのですが、そう思い、口を開こうとするが音が出なかった。
つまり拒否しようとしてもできないのか。
なるほど、と一人感心しつつ僕たちが初めてではないような対応に疑問を持った。
世界は偶然でしかわたっていけない。
世界を渡る上で絶対的条件。そうでなければ、世界と世界の間に穴が開き世界を壊す恐れがあるから。
けれど、この自称神はそれを意に介していない様子だ。
「あら、これは、そういうのもありね。」
自称神は何事か小声で言うと面白いものを見つけたかのような笑みを浮かべた。
「向かう先は私の世界にある国の一つ。大きさは中規模程度でしょうか。そこでいま召喚の儀式が行われています。」
自称神は事前説明をし始めたが、元々自称神の世界に行くのだから私の世界という言葉はいらないと思う。それと国に関する情報は後付けだろう。なんとなくだがそんな気がするうえにその場のノリで行動を決めている雰囲気を自称神から感じるのは気のせいではないはず。
さて、これから異世界に行くとして、一番の問題は言葉とお金をどうやって確保するかだ。
こういう場合のお約束と言えば、召喚陣に自動翻訳機能が付いていてそれが呼び出された人、この場合は僕たちになるのだが、に付加される。
けれど、この自称女神がそれをたやすく認めるとは、僕の偏見かもしれないが、どうしても思えない。
「さて、召喚されたからにはそれにこたえなくてはいけません。俗にいうチートというやつです。それをあなた方に授けます。」
自称女神は言い終えると同時ぐらいに目の前に光の玉が浮かんでいた。
発光しているはずなのに少しの熱も感じないそれは不思議と懐かしいような気がした。
「それにはあなた方それぞれに合った力一つと言語翻訳機能が入っています。それを同役立てるかはあなた方次第です。」
腕を伸ばしてみると今まで動かなかったのがなかったかのように動いた。そして、それを当然のように受けれ入れた僕自身に驚いた。
多分、それがいけなかったのだろう。ちょっとした油断が命取りになる。まさにそれを体現してしまった。
腕を伸ばし手に取ろうとしたしたそれは、僕ではない誰かに取られてしまった。
犯人を捜そうとしても腕以外動くことはないのでただ後ろから伸ばされたであろう腕を視界に入れることしかできなかった。
「あら、こんなこともあるんですね。この空間で動くことができるなんて初めてではないでしょうか。だからといって、新たにあげるということはできないの、だから、」
自称女神は僕に近づき、ふぅぅ、と息を吹きかけた。そして、耳元で、
「私のことを自称呼ばわりした罰よ。もしそれを解いてほしかったら私を楽しませてね。どこかの誰かさん。」
と、ささやいた。
薄れていく意識の中で見た自称女神の顔は、名実ともに女神だった。
読んでくださりありがとうございます。
文章を書くって難しいです。
文才が欲しい。